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ネイチャーフィールドnote

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2020年10月の記事一覧

里山大百科「秋」実りのごちそう

里山の秋は実りの季節。 色鮮やかな草の実、果肉の甘い木の実などごちそうにあふれる。 草木の実は、鳥や虫たちに食べてもらうためにより鮮やかに化粧する。 生きものたちもまた、実りの秋にたくさん食べて、厳しい冬に備える。 ▲ピラカンサの赤い実を食べるムクドリ/埼玉県上福岡市(平野伸明・撮影)

里山大百科「秋」ニホンミツバチの蜜採り

明治初期にセイヨウミツバチが日本に導入される前までは、各地でさかんに行われていたニホンミツバチの飼育も、現在では細々と趣味的な規模でなされているに過ぎない。 しかし、気難しい性格のニホンミツバチを飼うためには、自然の機微を読み取り、さまざまな工夫や直観力を駆使しなければならない。 四国・愛媛県の山中で、裏庭に自作の巣箱を置きニホンミツバチを飼育している農家を訪れ、真夏の採蜜作業の様子を見せてもらった。 その作業の手順を目のあたりにしたとき、ニホンミツバチの性格はもちろん

里山大百科「秋」キノコ その2

キノコは植物とは異なり、太陽の光を利用して有機物を作る光合成はできない。 張りめぐらされた菌糸によって樹木の根と共生して養分を得たり、枯れ木や落ち葉、動物の糞などを分解する腐生生活をしている。 多くの有機物はキノコによって再び土へとかえって行くのである。 里山の生態系を考えるとき、頂点となる高次消費者(キツネやタカ類)ばかりでなく、キノコを含む菌類などの足元の分解者の存在も忘れてはならない。 ▲里山でよく見かけるニガクリタケ/埼玉県所沢市(新開孝・撮影) 切り株や枯

となりのアライグマ その4「アライグマの子別れの季節」

アライグマの子別れの季節アライグマが子どもを産むのは春。一度に出産する数は平均4頭、多くて7頭です。アライグマの子どもは、生まれてからひとり立ちする数か月まで、母親や兄弟と行動を共にします。 10月――この頃になるとアライグマの子どもたちは十分に成長し、母親とほとんど変わらない大きさになります。この状態ならば一人になっても厳しい自然を生き抜くことができるでしょう。いよいよ、子別れの季節がやってきます。 ▲トレイルカメラに映った、家族で行動するアライグマ

里山大百科「秋」キノコ その1

里山歩きは豊饒な実りとの出会いも楽しみ。 秋の雑木林はキノコの宝庫、味も香りも豊かなキノコ狩りが楽しめる。 暗い雑木林でひときわ目立っているのはタマゴタケ。 派手な色合いがいかにも危険そうだが、味は格別だと聞かされた。 ▲タマゴタケ/埼玉県秩父市(新開孝・撮影) ▲夏から秋にかけて林床に発生するノウタケは、脳を思わせるに十分である。割って中が白い幼菌は食用となる。<食用可>/埼玉県所沢市(新開孝・撮影) 「食べられるか、毒か」それだけが問題にされがちなキノコ。