“Memoirs of a Geisha”/『さゆり』感想
📕連休中に読んだ英語の小説を紹介します
“Memoirs of a Geisha” by Arthur Golden
10年前(2013年)になりますが、大学院で英語教育を勉強しているスイス人の友人から、英語でこのようなメールがきました。
「この間、日本文学の宿題で”Memoires of a Geisha”を読んで、感動したの!ゲイシャについて、レポートを書きたいのだけど…
Yuki, if you have any friend who is geisha, will you introduce her? I’d like to interview with her. (ユキ、あなたのお友達に芸者がいたら、紹介してもらえないかしら?彼女にインタビューしたいの)」
私はこのメールを読んで、どう返事したら良いか、考えてしまいました…。
※メール最後の英文は誇張でも冗談でもなく、実際に私がもらったメール一字一句そのままです。
ちなみに友人はとても賢い女の子で、日本に何度か訪れたことがあり、横浜の私の家に泊まってくれたことも何度もあり、本が好きな文学少女です。
そして、新選組や幕末の歴史に詳しい「日本通」でもあります。(日本人の私よりも詳しいです)
なのに、どうやら彼女は「現代の日本にも、アーサー・ゴールデンの小説と同じような芸者がたくさんいて、私の友達にも芸者がいるのではないか?」と、信じ込んでいるらしいのです😱
私は以下の5点を返信しました。
1)“Memoirs of a Geisha”の小説を日本語に訳した小川高義さんは、私の大学時代の恩師で、私の卒論の担当教官だったこと
2)その小説の翻訳ウラ話は、先生から直接聞いて、よく知っていること
3)小川先生の翻訳した小説は数冊読んだが、”Memoirs of a Geisha”だけは英語が難しくて、学生時代に開始2ページで挫折したこと
4)でも、私の母はこの小説を英語で読み、面白くて数週間で読み終えてしまったこと
5)Last but not least, I don't have Geisha friends, and the current "Geisha" is pretty different from Geisha described in Arthur Golden's novel. (最後に、私の友達に芸者をしている人はいないし、現代の日本の「芸者」と、アーサー・ゴールデンの小説に出てくる芸者は、全然違うということ)
あれから、10年の時が流れました…。
4月初め、私のもう一人の恩師、佐藤しょうおん先生が、メールマガジンで『さゆり』を薦めていたので、とうとう重い腰を上げて、”Memoirs of a Geisha”を読むことにしました。
📗佐藤しょ~おん先生のメールマガジン
https://www.mag2.com/m/0000258149?trflg=1
幸い、学生時代に比べて英語力が上昇していたようで、3週間かかりましたが、面白い物語に引き込まれて、連休中に読み終えました❗️
我が家では時々、「同じ本を私が英語で、夫が日本語で読む」という遊び(?)をするのですが、
今回も、夫婦で本のあらすじを実況中継したり、感想を話し合いながら読み進めていきました。
📗"Memoirs of a Geisha" Arthur Golden
https://www.amazon.co.jp/dp/0099490765/ref=cm_sw_r_as_gl_api_gl_i_1624GY81Q3QZ3AA40JTM?linkCode=ml1&tag=ritapalace-22
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【面白かったこと】
①夫は、登場人物の芸者の一人「豆葉」の名前を「とうよう」と読んでいたそうです。
私は英語で読んでいたので、「彼女の名前は“Mameha”」と、すぐに教えてあげることができました😃
※映画では、今年のアカデミー主演女優賞を受賞したミシェル・ヨーさんが豆葉役を演じています(写真参照)
②原書を読んでいた私が
「Baronが、サイテーなのよ!何なのよ、Baron!!ムカつくのよ、バロン!!」
と怒り狂っていた時、
「男爵のこと?」と夫が翻訳してくれました。
baronが、何らかの貴族を表す英単語とは知っていましたが、具体的な日本語訳を知りませんでした。
夫の推測能力が高くて、助かりました(笑)
さて、小川高義先生が訳した、和訳書『さゆり』について…。
佐藤しょうおん先生、そして、夫も、全く同じことを言っていましたが、
「これがアメリカ人作家の書いた小説とは、とても思えない。まるで日本人作家が、日本語で書いた小説のようだ」
「小川高義先生の日本語の文は、素晴らしい」
とのこと。
私も母も、英語の本しか読んでいないので、知りませんが、
私の大学時代、小川先生が
「今、訳している小説は、戦前の京都の芸者が主人公でして、
英語のセリフを、美しい京都弁に翻訳するのに、なかなか手こずっていましてねね…」
と、楽しそうに話してくれたものです😊
私が一番好きで、下線を引いてしまった英語の一文と、その日本語訳(小川高義先生の訳)を引用して、このブログを終わりにします。
映画のこの場面です
⬇️
★原書
In that brief enounter with the Chairman, I had canged from a lost girl facing a lifetime of emptiness to a girl with purpose in her life.
★和訳
ああして束の間でもお会いできたおかげで、人生の虚しさにやりきれなくなっていた私が、生きる張り合いを持てるようになったのです。
小川先生、さすが。日本語翻訳が匠の技で、すごすぎます…!!
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