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名作映画100本ノック『Wの悲劇』『切腹』勝手気ままな感想まとめ

本日の100本ノック、またまた邦画が2本。
薬師丸ひろ子主演の『Wの悲劇』と仲代達也主演の時代劇『切腹』。

1本目、Wの悲劇

私この映画、勝手にサスペンスだとばかり思い込んでいて鑑賞しながら「いつ誰が殺されてしまうんだろう!?」とドキドキしていたら、青春映画だったんですね。
主演の薬師丸ひろ子(敬称略)、めちゃくちゃかわええ〜!!!声もかわええ〜〜!!!! 当時男性たちをメロメロにしていたんだろうなぁと容易に想像できる圧倒的透明感。そんな中、アイドルから大人の女優に転身するきっかけとなった本作。女優を目指す女の子がある事件を機にスキャンダラスな有名人になるというお話。

どんなことをしても有名になりたい!というギラギラした感じはあまりなく、普通の女の子に見えるのが逆にすごいなと。相手役の世良公則からも「美人ではないな」なんて劇中で言われていたけど、冷静に考えたらあんなに光り輝いてる一般人がいるか!

普通じゃないといったらもう1人。
主人公を有名にするきっかけを作った大女優役の三田佳子。この映画は三田佳子の独壇場といっても過言ではないほど魅了されました。
這い上がってきた大女優の貫禄たっぷりの佇まいにセリフ。
特に好きだったのが、主人公が身代わりになってスキャンダルで騒がれたため劇団から除名するかどうか話し合うシーンでのセリフ。

「反対よ!お客様に道徳教えるために、芝居やってるわけじゃないでしょ。
私生活と舞台とどんな関係があるの?
私生活がキレイじゃなきゃ、舞台に立つ資格がないとおっしゃるの?
それじゃあ、どなたかしら?舞台に立つ資格がおありになるの」

見える!見えるぞ!
ときには人に言えないような女を使った手練手管でのしあがってきた大女優の過去が!!

確かにこれまで生きてきた人生を感じて、素直に「女優さんすごい…」と感動した。

ところで素朴な疑問、スキャンダルで名が売れた主人公はその後、大女優になれたのでしょうか。名前は売れたけど、パッとせずに引退してしまったのか、その後が気になるラストでした。

個人的には相手役の世良公則は「極妻」のイメージが強いので「脱いだら刺青が出てくるんじゃ…」とイマイチ好青年な役を素直に受け入れられなかったw

2本目、切腹

仲代達也、渋っ。無慈悲に娘婿を切腹に追いやった井伊家の庭にドンとすわり、理詰めで淡々と当主を追い詰める。最後は屋敷のいたるところを破壊しまくる大立ち回りの末自身も切腹して果てるという詳しいことはわからんがなんかすごい時代劇。

愛してやまない志麻姉さんこと岩下志麻様が娘役で出演してます。はじめは屈託のない娘役に岩下志麻?と不思議に思っていましたが、病に侵され、夫を失いどんどん不幸のどん底に叩き落とされたときのあの悲しみと怨念の混じり合った表情を見たとき「あぁこういうことか」と納得した。
映画の中で特に衝撃的だったのは、亡くなった夫を前に慟哭するシーン。理不尽な理由で切腹させられ、打ち捨てられたみたいに連れてこられた夫の亡骸にしがみつくようにして泣き叫んでるんだけど、そのときの泣き声が今まで一度も聞いたことがないような悲痛な泣き方で言葉が出なかった。しかもその後、病の子供のそばで啜り泣くシーンがあるんだけど、これが全然泣き方が違ってて。夫のときは怒りや悔しさを感じさせる激しさがあるのに、子供のときにはただ悲しいって感じの静かな泣き方。

泣く、って演技にこんなにも幅があるのかと衝撃を受けました。ますます志麻姉さんが大好きになりました。

肝心の本筋については、もう少し時代背景とか勉強してから見た方がよさそう。
カンヌ国際映画祭で審査員特別賞を受賞した作品なんだけど、これ海外の人がみたらどんな感想を抱くのか聞いてみたい。

「日本人マジクレイジー!!」って思われるのか「武士道、最高ねー!」と言われるのか。私は武士道についてはよくわからないので「殺陣の迫力がすごい、あの構えはどんな意味があるのかな」くらいの薄ーい感想しか抱けませんでした。すみません。

名作映画100本ノック、残り67?
名作映画鑑賞はまだまだ続きます。

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