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私、片付け上手になろうと心に決めた!

「片付けるのはいいけどさ、勝手によそにやらないでよ」

出がけになって、夫が探し物が見つからないと言ってきた。

シーズンものだからしばらく使わないだろうと思ったところまでは覚えている。その後どうしたのかはっきり思い出せない。

自分がしまいそうなところを一通り探してみるも見つからない。

あぁ、こういう時の夫の顔が嫌だ。何か言いたそうな不機嫌そうな怒ったような顔。

「いるならいるってなんで昨日言わないの? 今のこと今になって…」

思わず言い訳がましいセリフが口をついてしまった。

「あ〜いいよ、いいよ。帰ってから探すから」

あ、このいいよは全然よくないやつ。
険悪ムードを避けるためにあえて明るく言ってるけど、心の中では私に対して呆れてるパターン。

その証拠に、言い終わらぬうちに夫は玄関から姿を消している。ケンカを避けるとき、夫はいつもそうだ。

私はなんだか後味が悪くて、その後も探し物を続けた。
片付けが苦手で部屋が雑然としている負い目もあったからだ。

しかし、30分以上めぼしい場所を探しても目的のものは見つからない。私は大体の探し物は最初にこの辺かなと思ったところから出てくることが多い。

しかもそんな広くない家。見つけるところは限られている。

あちこちひっくり返していたら起きたばかりなのに汗が吹き出してきた。

ついでに忘れていた記憶も。

「しばらく使わないから実家に持って行って置いとくよ」

遠い記憶の中の夫が、そのようなことを言っていたような気がする。

「間違ってたらごめん。去年、しばらく使わないから実家に持っていくって言ってなかった? もしかしてそっちに保管してない?」

まだはっきりと断定はできない。
ここはLINEで様子をみよう。




「すみません、ありました」

「あったならよかったです(スン)」

なんだなんだ、人のことはなから犯人扱いしちゃってさ!

お詫びにアイス買ってもらお!

一方的に決めつけられていい気分ではなかったけれど、部屋を見回してみるとそう思われても仕方がないような気もする。

散らかってるもん。特にここんとこ忙しかったのもあって、一時期がんばっていたのにまた元に戻ってきていた。

ああ、片付け下手を克服するために整理収納アドバイザー1級の資格までとったというのに。

資格は持ってるだけじゃなんの役にもたちゃしない。自分の生活に役立ててこそ、なのに。

一番近くの身内に疑われるようではいけない!

もう一度、片付け上手を目指すぞ。
ひとまず夫がお詫びにと買ってきたスイカバーを食べながら計画を立てることにしよう。

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