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道標

いくら手を握っていても、爪から冷えてゆく
いくら体を寄せ合っていても、皮膚から凍えてゆく

ぬくもりを探そうと宛もなく彷徨っては
見えない先の不安にかられて立ち止まる

その繰り返し

遠くに春を記憶している

暖かい日差し
芽吹いた木々たち
薄暗い冬のような毎日に泣き響く春鳥の聲

浅い呼吸で描く
春に向かう僕らの後ろ姿
凍てついた指先に灯る炎

迷い子にならないように


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