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『王杖よ、星すら見えない廃墟で踊れ』発売になりました。

記事の更新が遅くなりました。
集英社オレンジ文庫より、『王杖よ、星すら見えない廃墟で踊れ』が3月19日に発売になりました。


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3ヶ月連続刊行最終月、サミュエルのお話です。
今回はこちらの裏話をまじえて、作品のご紹介をできればと思います。


こちら『ベアトリス、お前は廃墟の鍵を持つ王女』の続きにあたるお話になりますので、
未読の方は先にベアトリスのお話をお読みいただければと思います。


ベアトリス


ベアトリスを書き終わったとき、もし続きを出せるならば、サミュエルのお話を書きたいと思っていました。その頃はもうひとりの主人公・エスメというキャラクターもおらず、手探りの中生まれた彼女。
サミュエルの王杖は、女性にする!と以前から決めていました。

まさに「鳥籠の王子」である彼を救い出すのは、どんな人物か。試行錯誤はありましたが、困難な状況をありのままに受け入れて、そのうえで自分の力で立ち上がっていこうとする、そんな女の子がサミュエルと相性がいいのでは、と思いました。

エスメの兄・クリスの設定もオレンジ文庫の読者層に受け入れてもらえるか若干心配ではあったのですが、思い切って取り入れてみました。

結果、いつもの廃墟シリーズのつもりで書いてはいたのですが、新キャラクターが賑やかであったせいか、ちょっと違ったテイストに仕上がりました。
そのため、「こんなの廃墟シリーズではない」と言われたらどうしようとめちゃくちゃ心配していたのです。

すでに読了済の方もいらっしゃるようで……現在、私のもとへ届いたご感想にほっとしております。一番心配していたのがこのサミュエルのお話でした。
物語にお付き合いくださった方、ありがとうございました。

ここまで書けたこと、そしてアデールの物語を書籍にしていただいたこと、廃墟シリーズはとても恵まれていました。実はこの廃墟シリーズで著作が二十作を超えたのですが、過去の作品の中でもぴかいちに幸運なシリーズとなりました。

ここまできたら次はアルバートのお話を……と、すでにプロットも何種類か用意していて、今後のアルバートがどうなるかというのは頭の中にはあるのですが、お披露目できるかどうかはまだわかりません。機会に恵まれたらうれしいなと思っておりますし、もしそのときがきたら全力でとりかかりたいと思っています。

そう、今回特集サイトにて、短編を書き下ろしました。
『肖像画とベルトラムの子どもたち』は、WMCや特集サイトでごらんいただけます。



また、特集サイトではベアトリス世代の人物紹介画が更新されております。
藤ヶ咲先生のこだわりがすみずみまでちりばめられたこの紹介画、ぜひごらんくださいませ。(赤の陣営のメンバーが全員おそろいのブローチをしていて、大感動でした)

他にも、尊大そのもののアルバートや苦労性のギャレット、ひと目見ただけでそれぞれのキャラクターの台詞が浮かび上がるような、素敵なイラストとなっております。


この3ヶ月間、毎日がドキドキ、わくわくして、物語を通して多くの方と出会えたことがとてもうれしかったです。
改めてご尽力いただきましたみなさま、そして読者のみなさま、ありがとうございます。
アデールたち、そしてベアトリスやサミュエルたちの物語を、楽しんでいただけましたら幸いです。