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臨川茶室方丈日記 「心心無別心」2020.7.15

埼玉県八潮市の表千家 吉田普彩先生の茶道教室は、中川の堤を少し降りた樹木に囲まれたお住まいの、一丈四方の方丈の間で。

この日、茶室には茶釜とお湯を沸かす風炉だけ。
水指や茶道具を置く棚、台子(だいす)がありません。
茶釜と風炉だけのしつらえが、茶の湯の原型ということです。

そして、この日の掛け軸は、京都大徳寺の何代目かの管長のお筆による「心心無別心」。

「法法本来法、心心無別心、玉兔(月)常当戸、白日不移輪」の漢詩、
無著妙融 (むじゃくみょうゆう1333‐1393)の辞世の詩の一節だそうです。

七月に入り、一、二週の掛け軸の言葉は「屈」でした。伸び上がるために屈む。



茶室の道具のしつらえや掛け軸は毎週変えられ、その時の季節時事をちりばめた世界、

普彩先生の心であり、今この時の世界であり、宇宙のあるがままの姿。

掛け軸の言葉も、茶釜と風炉だけのしつらえも、そこにある真意は?、その真意に心を引かれ、とても知りたい。

「法法本来法、心心無別心、玉兔(月)常当戸、白日不移輪」

折りにふれ、思いを巡らしていましたが、

同じ頃、臨川茶室へ通うようになった方から、
“真意を知ろうとするよりも、あなたはそこに何を感じましたか?”。


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