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臨川茶室方丈日記「無一物中無甚蔵」2020.10.21

10/21昨日は、埼玉県八潮市吉田普彩先生茶道教室へ、月三回のお稽古の三回目。

今月で風炉は終わり、11月からはまた炉に戻ります。
(暑い季節は、客人からお湯を沸かす茶釜を離した場所に、風炉。寒い時期は、客人に近い畳の床下に、炉を。)




この日の掛け軸、「無一物中無甚蔵」普彩先生の師 雪底老師のお筆です。

「◯」を描いている一円相は、禅では悟りの世界を表します。

読み解きをお訊きすると、

“喜びも悲しみも、争いも、ぜんぶ” とだけ。

その他にお話の流れで、こういうことをお聞きしました。

本来、日本建築や庭園造りなどは、大陸から伝わってきた理法を用いていて、建築においては法隆寺などに使われ、茶道にそれを確立したのが千利久ということ。

普彩先生は、その理法でご自宅兼茶室を設計され、お庭もそれで造園され、草木などもその理法で植樹されたという。

そして茶道においては、その理法で千利久が確立した世界をそのまま受け継いで。

私たちは、千利久が確立した理法を受け継ぐ普彩先生から学び、身につけ、そして自在になることを目指していく。

自(おの)ずと在るように、理法そのものになって、和合(陰陽)の世界で臨機応変に転じていく。


仕事・生活の人生においても、身につけた理法でその時その場で自在に対応・和合することを覚えていく、それが茶道の稽古。

それも、「無一物中無甚蔵」ではないだろうか。



掛軸の前に、瓢(ひさご)の花器に秋明菊。

瓢箪(ひょうたん)はたくさん実るから、豊かさの象徴。豊臣秀吉の馬紋でもある。

瓢の花器は、臨川窯吉田普彩先生作。

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