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第96回「読書のすすめの落語のすすめ」ありがとうございました

毎月一回の「読書のすすめ」での落語会、「読書のすすめの落語のすすめ」、先日水曜の晩は第96回目で、来月12月で8年になります。
ご来場頂きました皆様、Zoomでご参加頂いた方、応援してくださっている皆様方、本当に有難うございました。



落語の中には、私たちの中に薄れてしまった日本人の人情がありますね。

人情にも、自力と他力があることを、『思いがけず利他』中島岳志著 で知りました。



好き嫌いや虚栄心や損得勘定や合理性、エゴに振り回されるのが「自力」の人情。

自分の“そと”で、私を思わず動かし、何故だかわからない喜びとなって巡りめぐり、私と人とをつなぐもの「他力」の人情。

が、しかし、好き嫌いや損得の「自力」の人情もあるのが人間、それを立川談志師匠は「業の肯定」と云いました。

今私たちは、自分の意志ではない、理屈でもない、目に見えないこの世界のつながり全部が後押しをする「他力」の人情に、目を向ける時が来ています。

成長し続けるするために、目に見える数で計れるものを、自分でつかみとる自力を優先してきた私たち、自分が自分がのエゴが増長してきました。

今、自然災害や、未知のウィルスに遭遇して、「自力」での限界を知り、大きな循環・関わり合いの人智を超える「他力」に目を向けることが必要になりました。

「自分が自分が」から、
「すべては外からやってくる」に、意識を変えるのはそう容易いことではありません。

今回「読書のすすめ」のコーナー私がおすすめさせて頂いた一冊、
『思いがけず利他』中島岳志著
https://dokusume.shop-pro.jp/?pid=164261717

落語などで「他力」を語り、それが想像と五感で胸にせまってきます。

どうしょうもなく愚かな情けない自分の限界、私の中に潜み気がつかずにいる悪「業の肯定」、

そこに思わず発動する人情、どうにもならない人間を救ってくれる「他力」の人情。

この世界の真理は、「他力」“すべては外からやってくる”ということ。

どうしょうもなく愚かなのが人間、そこに「他力」の希望の光が射すのが見えます。

「他力」の人情の発動を、
『思いがけず利他』の本で、落語で、想像と五感のすべてから感じました。



三遊亭全楽師匠の一席「子ほめ」。

隠居は八五郎に、口が悪いと損だから、人を誉めて得をするお世辞を教える。
八五郎はさっそくタダ酒にありつこうと、道で会った知人を誉めることを試みるが、教わった通りそのままに事は運ばず…。あきらめて、赤ん坊を誉めることにしたが、やはり教わった通りそのまんまには誉めきれず、タダ酒にはありつけず…。

「業の肯定」の優しい眼差しの中、八五郎のちぐはぐぶりが可笑しい!

三遊亭神楽師匠の一席は「淀五郎」。
江戸時代人気の高かった歌舞伎「仮名本忠臣蔵」を描く。若手役者を厳しいまでに育てようとする親心の座頭 市川團蔵と、それがわからず悩む若手役者 澤村淀五郎の間の芸のぶつかり合い。
それを見かねた第三者が淀五郎を諭して…。

江戸の文化や芸能の香りが伝わり、座頭 團蔵も、第三者からも、「他力」の人情がほとばしるのを、想像と五感で染み込むように感じました。


また、トリーマンによる、心温まるアコーディオンの音色とMCを、今回も落語の前に。
トリーマン、いつもありがとう!


次回12月の「読書のすすめの落語のすすめ」は、大晦日19時半~です。

Zoomでの、ご参加も受け付けています。お一人の参加費で、ご家族皆さんで観ることができます。ご参加心よりお待ちしております。

参加申し込みは、私に直接ご連絡いただいても↓
satomi0412@gmail.com

読書のすすめへ、お電話でも↓
Tel.03ー5666ー0969


【第97回 読書のすすめの落語のすすめ】
2021年12月31日19時半
場所:江戸川区篠崎町1ー7ー5
読書のすすめ店内
木戸銭:2500縁

リアル会場で、またオンラインZoomで、お待ちしております。

笑う門には福来る!で、
新年を迎えましょう!

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