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臨川茶室方丈日記「和顔愛語」2020.11.18

埼玉県八潮市の吉田普彩先生茶道教室へ。

茶室への入り口の生け垣には五色椿、白や桃色、赤が混じったものや赤色など、様々な表情を見せてくれている。500本に一本というとても珍しい椿木。



秋、この辺りはあまり寒暖差がなく、茶室の庭の紅葉は鮮やかな赤にならない。

近くを流れる中川は、東京港からの海水が潮の干満によって遡上してくるため、潮風が庭木にあたり紅葉も縮れる。

潮風のため茶室の屋根も銅板葺きに、腐食しにくいけれど、雷が落ちやすいんだとか。


本日の掛軸「和顔愛語」、雪底老師のお筆。少し斜めに置かれた獅子の香炉、普彩先生学生時代の作。



釉薬の白い斑点はもっと大きくなるはずだったと、愛嬌のある獅子と「和顔愛語」の軸は、なんともやわらかくやさしい。

「和顔愛語」笑顔で慈しむ言葉を、とは読んで字の如し、普彩先生は愛語をやさしい言葉と言われた。



私が「和願愛語」に感じたやわらかなやさしさとは、

和願のやわらかさ、柳のように、強風に吹かれてもしなやかであることが強さ、頑強な大木も強風で折れたりする。しなやかさがやわらかさ。

やさしい言葉、傷つけないばかりがやさしさではなく、厳しいこともその人のためになるやさしさ。
その時々において、本当のやさしい言葉をつかう。

やわらかな顔でやさしい言葉、「和願愛語」

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