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【御礼】第129回読書のすすめの落語のすすめ

8/21第129回「読書のすすめの落語のすすめ」へ、足をお運びいただきました皆様、Zoomでご参加いただきました方、ありがとうございました。

三遊亭神楽師匠の一席 「猫怪談」

身寄りのない与太郎を育ててくれた養父が亡くなった。
早桶(間に合わせの座棺)に亡骸を納め、与太郎が前を担ぎ、羅宇屋(らうや、煙管の口と火の間の竹管をすげ替える職人)甚平さんが後ろを担ぎ、お寺さんへ向かう。
夜にかかり、黒い一尺ほどのものが養父の亡骸に取り憑く(黒い一尺(30cm)のものが取り憑くとは、猫しかない)、そして亡骸は動き出し、与太郎は気味悪がりもせず、かえって喜んで語りかける。その姿が切ない…

怪談という涼しさを頭から浴びながら、亡き身内に会いたいと想う与太郎に、自分を重ねて切なさが胸を濡らす、お盆の季節の神楽師匠の「猫怪談」でした。


三遊亭全楽師匠の一席 「水屋の富」

家々を回り水を売る水屋の男が、千両の富くじに当たる。
重たい小判を持ち帰るが、家のどこに隠しても安心できない。人を見たら泥棒にしか見えなくなり、毎夜強盗に襲われる夢にうなされ、心は荒み人相は悪くなり衰弱の一途。ある日、水売りの仕事から戻ると、隠してある小判が...

今も昔も、地に足のつかないお金に、心は散り散りです。
そんな人間の性(サガ)、滑稽にリアルに半端ない全楽師匠の「水屋の富」でした。

そして、私からのオススメの一冊は、「鳩翁道話」 柴田鳩翁口述 福井栄一訳。

落語にもよく、心学の先生として登場する紅羅坊名丸(べにらぼうなまる)。心の幼稚な人が、長屋のご隠居に“心学の先生のところへ行って勉強してこい”と言われたりする。

心学とは、江戸時代はじめに石田梅岩という商家に勤めた後に、“人のあるべきよう”の「人の道」を、仏教•神道•儒教を融合させ庶民に説き、士農工商のすべての層に浸透し、特に、気をつけないと欲に流される商人の心の“あるべきよう”になり「商人道」とも呼ばれる。

江戸時代後期には、日本全国に広まった石門心学、そこには、もと講談師の柴田鳩翁のような話術が、人々の心に染み込んでいった。

後年、松下幸之助さんや稲盛和夫さんも大きな影響を受け、日本人の心の源流とも呼ばれる。

この「鳩翁道話」は、柴田鳩翁さんの江戸時代の語り口を、まとまった形での現代語訳で本邦初、面白み可笑しみの情景をまとった“人のあるべきよう”人の道が、ぽっと浮かび、いつまでもその灯りは消えない。

そして、「読書のすすめ」店内で、
毎月、第2•4月曜日16:30~ 島村塾頭のもと
「心学商売繁盛塾」が開かれています。

石田梅岩の説いた人の道をその姿に学び、人のあるべきようを読書で照らし出し、それを語り合い深めて、人生や商売が、心が通い合い血が通い合うものへと。

https://peraichi.com/landing_pages/view/shingakushiyoubai/


次回「読書のすすめの落語のすすめ」は、
リアル会場とオンラインZoomで
9月11日(水)19:30~
10月16日(水)19:30~

ご参加お待ちしております。

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