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臨川茶室方丈日記「墨絵」2020.6.17

今日は、梅雨の合間の晴れた日射しの強い日でしたが、お稽古に向かう道すがら、ふと空を見上げると、たなびく雲が美しくまた気持ち良さそうで、今ここに足りないものはないと感じる陽気でした。

臨川茶室でのひとときは、今日は室町時代の足利義政将軍から、信長、秀吉と、利休さんにまつわるお話や、晋彩先生のお生まれの金沢の歴史・文化などのお話をうかがい、

遥かなる時の流れと、そこに生きた人たちの息吹きが感じられる時間でした。

親鸞聖人が北越に流されてから、加賀も浄土真宗が盛んになり、藩政に異を唱える真宗門徒による一向一揆が度重なり、それを抑えるためにとられた政策が、地場産業や伝統文化を盛んにしてそこへ目を向けさせること、伝統工芸の漆器や織物、伝統文化の能や茶の湯が盛んになった謂れだということです。

現代、ピアノやスポーツの習い事をするように、金沢では晋彩先生が子供の頃は、能や茶の湯が日常的な習い事だったそうです。

晋彩先生も小さな頃から能と茶の湯を習われ、そこが晋彩先生のスタート地点で臨川茶室の始り。

ご子息の宗看先生は幼少の頃、茶の湯はもとよりピアノを習っていたそうです。

本日の床の間 掛け軸と紫陽花


写真ではよくわからないのですが、掛け軸の墨絵はまさに今の季節、人々が暮らす山間に急な雨、
岩山を斜めにぼかされた墨が雨を表しています。

二時間位のお稽古が終わり、後の予定のため帰り路を急ぐ私に、晋彩先生は玄関で、いつもこう言って見送って下さいます。

“急いで、急がないで、気をつけて”

急いで、急がないって?
禅問答だ

これが、すっとできる日は、まだまだ遠い…

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