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論理学ってなに?〜論理学超入門を読んで

〜皆さんは”論理”について頭を悩ませたことはありますか?〜


今日は、イギリス、オーストラリアの論理学者
グレアム・プリースト(Graham Priest)による
【論理学超入門】という本についてお話しします!

はじめに、この本を開くと真っ白なページにたった一言、こう書かれています…

「論理について頭を悩ませたことのある人に、そして将来頭を悩ませる人に本書を捧げる」

この一言に私は惹かれてしまい、図書館でこの本を手に取りました(^_^*)

~自分が論理について頭を悩ませたことあるか?と聞かれると答えはきっと’No’です。
ですが、将来頭を悩ませることはないか?
と聞かれると’No’とは言い切れないなと思い、じゃあ読んでみよう!と思い立った訳です(^.^)

1・論理学とは?

まずは皆さん、論理学とはどのような学問か
ご存知ですか?
最近、論理的に物事を考えよう!とか、
論理的思考が大切!などの言葉をよく聞きますが、実際私は論理学という学問についての知識はゼロでした(^^;

唯一の論理学についての知識?は、学べば論理的思考を磨けたり、人と喋るときに論理的に喋れるようになるかな〜?くらいです笑 
なので私は論理学とは何か?をキーワードにこの本を読み始めました。

読み進めていくと、答えはすぐに見つかり、作者は論理学という学問についてこう述べています。

「論理学は、理由として何が十分だと見なせるか、またその理由はなぜ十分だと見なせるかを研究する学問である」

私たちは普段道筋だててものを考えています。
例えば、自分が既に知ってる知識に基づき、何が正しいかを考えようとしたり、誰かに納得してもらおうと思えば理由を述べながら説明したりします。そのときに、論理学が必要になる!と作者は述べています。
正しさを判断したり、理由を説明するときに、その理由として”何が十分か”、”なぜ十分なのか”を突き詰めていく学問が論理学だそうです^_^

ここから先はこの本の内容について私なりに軽くまとめていきます。

2・妥当性〜何から何が導かれるのか

論理学が考えることは、
前提から結論が導かれるかどうかということ。→【前提から結論が本当に導かれるとき、”その推論は妥当である”と言われる。】

論理学は妥当性とは何かを解き明かしていく学問であり、妥当性は古代ギリシアのアリストテレスによって2つの種類に分けられたそうです(^-^)

《演繹的妥当性》※えんえきてき
前提が真なら、結論も必ず真になるとき。
→つまり、前提がすべて真だけど、結論は真ではないような状況は絶対に存在しない場合。
[演繹的妥当性は主に哲学者や数学者が大切にするそうです!]
《帰納的妥当性》
前提から結論が必ず決定できなくても、前提が結論を決定するしかるべき理由を持っているとき。
[帰納的推論は、普段の生活によく目にするな〜と感じました。たとえば、曇ってきたから雨が降るだろう。とか、どうして病気になったのかとかなど。かの有名な架空の論理学者シャーロック・ホームズも帰納的推論の名手だったみたいですよ!]

3・三段論法

アリストテレスによって作り上げられた推論の体系的理論のことを三段論法と呼びます。

【AイコールB、BイコールC、
         故にAイコールC】

(→このような推論を導き出すための判断の構造を形式的に説明するのが形式論理学)

私自身、三段論法については聞いたことがあり、「あー、これが論理学か!」とちょっと納得してしまいました笑

4・嘘つきのパラドックス

【この文は偽である】

この【】内の文は真ですか?偽ですか?というのが嘘つきのパラドックスというものです。
考えると頭がこんがらがってしまいます(^^;
この【】内が真ならば、この文の言う通りこの文は偽になってしまい矛盾が生じてしまい、逆もまた然りです…

私は、まるでメビウスの輪のようだなと感じました(^^;;内側は外側で、外側は内側。文とは真であり、偽であって、真かつ偽ということもあれば、真でも偽でもないということもある。う〜、奥が深いですね…

5・未来と過去〜時間は存在するか?

この内容はとても難しかったので、さらっとの説明だけ…(^^;

アウグスティヌスという哲学者は言いました。「誰からも訊ねられなければ、わたしは時間とは何かを知っている。だが誰かに訊ねられると分からなくなる」と。
彼の言葉どうり、時間とは考えるととても厄介で、時間とは変化率を測る尺度にすぎないのに、どうして時間は流れてるように見え、変化するということがあるのか?と本書は述べています。

なかでも、英国の哲学者マクタガートは時間は存在しないと考え、
【過去と未来が存在しなければ
         時間は存在しない】
と述べました。そして過去と未来は両立しないものだから、時間は存在しないのだ!と。

本書の中では、この論証を記号論理で検証してくれていて、マクタガートの時間論におかしなところが見えてくるんです(^.^)
果たして、時間とは存在するのか?
考えると頭がパンクしちゃいそうになりますが、とても興味深い内容だったので、また今度別の記事で時間について話したいと思います^_^



今回は紹介しきれなかったですが、他にも
・「無」というものがあるのだろうか?
・自己言及について
・必然性と可能性〜起こることは起こるべくして起こる?
・同一性と変化〜けっして変わらないものはあるのか?
・曖昧さ〜連鎖式のパラドックス
・意思決定理論について
など興味深い内容がたくさん載っています!

本書は【論理学超入門】というタイトル通り、
論理学という複雑な学問をはじめての私でも楽しみながら理解できる内容でした!
ですが所々頭を捻る内容や、論理学上では記号論理と呼ばれる数学的な内容が含まれてるので、数学が少し苦手っていう人や、とっつきにくいかもと感じてしまう人もいるかもしれません。


長い文章でしたが読んでくださってありがとうございました!
私の記事も、今までで論理について頭を悩ませたことのある皆さんに、そして将来頭を悩ませるであろう皆さんに届いていたら嬉しいです^_^
今回の本を読み、論理学という学問に興味を持ったので、また自分で学びつつこちらでシェアするかもしれません(o^^o)

その時はまた是非覗きに来てください!

それでは今日も皆さんにとって良い一日でありますように^ ^

Tsubasa

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