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イブサンローラン展 時を超えるスタイル

訪問日 2023年9月23日
場所 国立新美術館(六本木)
訪問人数 2人

【展示内容】
 イブサンローラン氏が手がけた服飾品を中心にデッサン、ジュエリー、関連するポスターを展示している。新美の1階の半分ほどを使用しているため、かなりの展示スペースがある。
 主な構成としては初めにサンローラン氏の初めて手がけた作品に関しての展示があったのちに、各国地域にインスピレーションを得た作品、古代ローマから現代までの時代を意識した作品、映画や舞台用に作成された作品といった形でテーマ別に展示空間が設計されている。1つのパートに設置されている服の種類は10種類以上はあり、かなり数としての見応えはあった。

【感想】
 これまで服飾に関連した展覧会は訪れたことがなかったため、そもそもの展示の作り方がこれまで訪問した展示会と大きく異なっているように感じた。展示スペースがファッションショーのような作りを意識しているように感じる作りとなっており、その服の良さが際立つようなスタイリングをさせたマネキンに着せて展示をさせている。服というものが絵画などと異なり、壁に飾ったりすることを前提としておらず、人が着ることを前提としていることから、このマネキンのスタイリングというものが服飾の展示では大きく通常と異なるのだなということを感じた。
 そして、今回展示を見て思ったのが、服こそ現物資料を見ないとその良さがわかりにくいということである。もちろん、カットやおおまかな色合いなどは写真などを通じても把握することができるが、その素材の持つ質感や色合い、さらには刺繍の細かさなどは現物を見ないとなかなかその素晴らしさを理解することが難しいのではないかと感じた。そういう意味で、本展示のような服飾に関する展示はその服の持つ本来の価値を再認識させてくれるようなものであると感じた。

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