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【2023/11/26】動植物研究所

動植物園研究所と言っても大きな建物ではない。長方形のオフィスビルのような風貌で、高さは3階建てほどのこじんまりとした研究所だ。

私はその研究所で寝泊まりをしている。
背の低い水槽と水槽の合間の通路に煎餅布団を敷き、薄い掛け布団とも呼べないタオルケットに身を包んで眠りにつく。冷えた足先がタオルケットから出ないように爪先を丸めている。何せこの研究所は動植物園。ましてや夜間ともなれば動植物園にとっての適温は人間には冷え過ぎる。
右手首には研究所の鍵をかけ、右足首にはこの部屋に続く扉の鍵をかけている。何故ばらばらに鍵を身に着けているかと言えば、所長にもし鍵を奪われる事になった際に別々に持っていた方が奪われにくいと言われ半ば無理やり足首に鍵を通された。八つ裂きにでもされることを想定しているんだろうか?そもそも襲われるような研究所に女一人で寝泊まりさせるのは如何なものだ。

そんなことを思いつつ、研究所の玄関扉の鍵を締め忘れたことに気付いた。今にも寝そうだし、折角タオルケットで温まった身体で玄関まで歩きたくない。この部屋の鍵は閉めたから大丈夫だろう。そう思って私は眠りに落ちた。



夢の中で眠りに就いて、現実世界で目が覚めるのはわりとあるある。
目が覚めてまず思ったことは「地震で水槽の水が溢れたらびしょ濡れになる!」でした。
でも良く考えたら動植物園ということで小さな魚の入った水槽や蛙やトカゲといった爬虫類なども室内で飼われているわけで、虫もいるしそんなところでよく寝られるな?!と自分に恐れ慄きました。虫コワイ。

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