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渡新日とニュージーランド初日

いよいよ渡新の日、最寄りの空港まで両親に送ってもらう。
一人暮らしを10年以上しているがやはりしばしの別れ、となると込み上げるものがあった。出国前、一緒に食べた最後のラーメンの味はしなかった。泣いてしまう前に保安検査をくぐってしまおうと、足早に両親とは別れた。

感傷に浸るのはここまで。

保安検査を通過してしまうと思いの外落ち着いた自分がいた。さっきまでの感情はなんだったのか、カチっと初ひとり海外/語学留学への高揚感へ切り替わった。我ながら現金なものである。


出国

ニュージランドまでの道のりは人に寄って様々だ。
私はマイレージを貯めたいがために、高額なNZ航空を使った。そのためか、トランジットは日本国内、オークランドからクライストチャーチまでのNZ国内の2回のみ。

1番長いトランジットが成田発ーオークランド行きの約4時間。日本土産もすでに購入済みのため、飲みきれるサイズのお水を購入し、ぼけっと待つ。4畳程度のセブンイレブンに長蛇の列ができるのも、国外線ならではの光景だな、と感慨に耽りつつ外人スタッフさんに対応してもらう。
この間で一番盛り上がったのが留学エージェントとのLINEというのが、何とも分かりやすく浮かれていた。

修学旅行か語学交流旅行か、同じ航空機で渡新する学生たちに「夕方の便なのね。お見送りの代理店、先生、親御さん方、ご心労お察し致します。。」と見当違いな思いを馳せつつ「楽しめ、青春」と目を細めたのも昔のことのようだ。

入国、NZトランジット

NZ国内線乗り継ぎは約3時間だが、入国審査、税関、現地SIMの購入、ATMでNZ$の引き出し、ターミナル移動、荷物預かりなど、ゆっくりしている暇はない。

【入国手続き】NZTD
初めに書いておくが、NZeTA(いわゆる観光ビザ申請サイト)ではない。私は略語が似ていたため、学生ビザを持ちながらNZeTAを申請したお馬鹿さんである。ここでも無駄な出費が…。有効期限(2年以内)までにもう一度来れるだろうか。

私以外にはいないと思うが、
みんな、気をつけて。小文字eがない方が税関のオンライン申請だよ。
念のためにURLを貼り付けておく。

NZTDとは税関申告のオンラインである。私は前日に済ませておいたため、機内でこれどういう意味?と件の学生さんと、先生方があたふたしている様子を再び微笑ましく眺めていた。
というのは嘘で「あのオンラインであってるよな。私は書かなくてもいいはず。頼む、合っていてくれ。」と心の中で手を組み続けていた。

到着時間は現地9時ごろで、決して早過ぎる時間帯ではないのだが、私の搭乗した便しかないのでは?と勘違いするほど、空港スタッフは少なく、到着ゲートも薄暗かった。入国審査が電子化したため、機械にパスポートのIC部分をかざし、顔写真を撮っていよいよ税関へ。

【税関】Customs
結論から言うと、あっさりと通過できた。
昔ながらのスタンプは依頼するともらえるらしい。私の英語力とコミュ力では無理、と早々に諦める。

税関で引っかかったのはお土産のわさびと柚子胡椒。滞在先が確定してからホストファミリーへメールを出し、好みを聞いていたのだ。
わさび好きとのことなので、NZ国内では珍しいであろうわさびの粉末と、柚子胡椒を持ち込んだのである。

まずは口頭で「どんな食品を持ってきたの?わさび?ペースト?あぁ、粉末ね。2番ゲートに進んで」と1分もかかっていない気がする。
ゲートにスーツケースを通すと、瓶に入ったわさびと柚子胡椒が引っかかる。想定内だ。スーツケースの取り出しやすい位置に入れた瓶を取り出す。

「この包みは何?瓶?中身は?わさびペースト?この小さいのは?Japanese Yuzu & Pepper Past?あぁ梱包材は剥がさなくていいよ。OK、行って。」この間、わずか2分程度。それでいいのか、ニュージーランド。

税関による確認よりも、私のスーツケースを再び閉じる時間、下ろすの時間の方が長かったのではないかと錯覚する。
日本のパスポートは世界最強、と痛感した出来事だ。最近の日本人、信用しない方が良いよ、たぶん。と心の中でサムズアップをして、ターミナル移動。ここから、本格的に英語のみで滞在先まで辿り着かなければならない。

【NZ国内線へ乗り継ぎ】Transit/Overstop
国内線まで機械による手荷物預け入れができるよ、と情報収集したのだがとりあえず国際線内に見当たらなかったため、国内線ターミナル行きの循環バスへ、「Domestic」と書かれている表示を頼りに進む。

目の前で循環バスに出発され、荷物重いし走りたくない、とあえて見送ったつもりなのだが、空港スタッフに「You miss your bus!笑」と笑われたのも良い思い出だ。やかましいわ、あえてじゃ、と「I know笑」と答えておいた。おかげで次のバスに慌てることなく乗れているから、計画通りだ。

国内線ターミナルに到着し「航空券は日本で一括発行済み、すでに持っている、堂々と荷物を預けよう」と件の自動預け入れレーンを見つけ進む。手慣れた手つきの人たちを横目に見つつ、画面の英語と格闘しつつ、最初のスーツケースで重量オーバーとのことでスタッフが駆けつける。私は特典付きだったため、何事もなく1つ目成功。
この調子で2つ目を、、と思っていたら画面にエラー表示が。「何か間違った操作した!?」と画面をタップし続けているとスタッフがやって来て「あのライトが付くと一斉に止まるの。触らないで。」のような説明を受け、そのまま2つ目の荷物をササっと操作してもらい、彼女はササっと戻る。ありがとう!と慌てて言うと「You're welcome(何てことないよ、くらいの少しつっけんどんなお返事をもらう)」

ともあれ、あとは保安検査だ。ここは日本国内と何ら変わりはなかった。
ただ、バスを見逃したのがいけなかっただろうか、搭乗開始までギリギリだったため小走りで向かう羽目になった。

『閑話休題:オークランド空港 国内線ラウンジ』

少々早歩きで入国手続き、国内線乗り継ぎをしたため、喉が渇いたし海外空港のラウンジを見てみたい。少し時間が厳しいが、搭乗ゲートとラウンジの距離がそこまで離れていないため、スターアライアンスパートナーの特典で、初 海外空港ラウンジへ行ってみることにした。

普段は航空券や会員カードで入室できるのだが、成田空港のラウンジで1度弾かれているため、その時と同様、航空券とカードを準備して「これで入れるかな?」と慣れた風の早い英語で確認してもらう。拙かったりビクビクしていると舐められるかも、と思っていたからだ。案の定、航空券とカードが必要で分かってましたよ風を装い、2分ほど受付で待つ。おそらく必要のない演技だ。

ドライフルーツやデザート、サラダなどが置かれていた。機内食を食べたばかりで時間もなかったため、とりあえず名前のわかるティラミスとドライアプリコット、オレンジジュースをもらう。
NZのデザートってどれ程度甘いのだろう、と思って口に運ぶと、苦い。。なるほど、無糖ココアと甘くないビスコッティにコーヒー。成田空港のたこ焼きやマカロンが恋しい。良い勉強になった。

さて、飛行機好きの方はご存知かと思うが、日本国内のラウンジは食器の返却カウンターやサービングカーが置かれている。普段から使用しているであろう、海外の方は、食器をそのままにして立ち去る。「またまた、ご冗談を。返却しなきゃダメでしょう」と思って探すも、どうしても見当たらない。時間も危ない。
近くにいたサービスの方に返す場所はどこか尋ねると、?が浮かんでいる顔。「食べ終わったの?」と聞き返され、Yesと答えると受け取ってもらえた。
「もしかして、置いたまま立ち去るのが一般的なのか」と今度はこちらが?を浮かべながらラウンジを去った。

クライストチャーチ空港 到着

最終地のクライストチャーチに無事、着陸した。これまでの空港と劇的に違うのが、手荷物の受け取りが到着ゲートの外にあること。人の流れに乗りながら「え?えっ!?」と悪い意味での心拍数の高まりを感じる。無事に手荷物を受け取れたときは、本当に安心した。

さて、次は送迎スタッフとの合流だ。これが出来れば渡新完遂と言っても過言ではない。ところが、ここもスムーズに行かなかった。

到着ゲート出口が2階、荷物のピックアップ/Bag Claimが1階。
荷物受け取り後エスカレーターを上って再び2階へ、そこで送迎スタッフと合流予定だったのだ。

いない。。

「何と…」と思いながら、再び到着ゲート出口へ。いない。。
再びエスカレーターを下り1階へ、いない。。
もう電話しちゃう?と腹を括ろうとした時、人を探している風な方が。観察すると私の名前が書かれたボードを持っていた。慌てて声をかける。2人揃って安堵し、合流の喜びを分かちあった。
どうやらもう一人、次の便で来る留学生を待たなければならないらしい。とりあえず大きな荷物を車に積み込むため駐車場へ。「空港の前で写真撮る?」と言われたため、すっかり高揚した私は送迎スタッフとのツーショットを撮った。普段から写真嫌いな私が、一緒に写って欲しいとは、完全におのぼりさんだ。

オークランドにてATMで現金の引き出し、現地SIMを入手していたため、時間までコーヒーを奢ってもらう。「エスカレーターが思いのほか遠くて、間違ったエスカレーターを使ったかと思った」と伝えると「そうだよね、わかるよ」とクライストチャーチ空港での合流って大変だね、なんて何とか英語で会話をしつつ楽しい時間を過ごした。

ちなみに、台湾から来たというもう一人の留学生との合流も少々苦労した。「アジア系だから、わかりやすいよね」なんて話していたが、到着ゲートから出て来たアジア系に声をかけるもことごとく空振り。何とか荷物受け取りのレーンで合流できた。合流しやすいモニュメントとかが空港内に欲しいところだ。

ホストファミリーとの邂逅

大層な言葉を使ったが、無事に滞在先まで到着できた。短かく濃く、楽しい時間を分かち合った送迎スタッフさんともここでお別れ。本当にありがとう、と伝えると「Good Luck!君の英語は素晴らしいよ!」と言ってくれた。泣いちゃう。

(4,000文字を超えてしまったため)次の記事に続く。

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