FANCY REALITY : Just Chaos Era #02
リアリティが足りないと思う。色々な場面で。それはデジタル技術のせいでもあるが、僕らのせいでもある。リアリティは、我々が生きていく上で、核となるもの。土台だ。心を健康に建てていくための基礎となる。それが薄れてきていることは、危機だ。リアリティがない世界に行くのか、ある世界に行くのか。僕達はその分かれ道にいると思う。リアリティが社会の中になぜ足りないのか、その中心にあるのはメディアだ。メディアとはマスメディアのことではなく、媒質。特に、映像のメディアだ。テレビやインターネット、SNSは、イメージを伝えるメディアだ。言葉や画像によってイメージを伝達する。それは危ういものである。人々の頭の中に実態のない物語を作り出す機能があるからだ。イメージを食って満足する者は、リアリティという心の拠り所がなく、不安定になる。社会全体がそうなってきていると感じている。技術の発展、文明の発展により、避けられない道ではあると思うが、僕達は現状を自覚し、何かしらの対処をした方がいいと思う。このままイメージを美味しく食べて豊かのふりをして暮らしていては、途方もない空虚な未来が訪れる。見えているのなら、避けたい。すでに手遅れだろうか。僕の場合、今はまだ、身体によってリアリティが保たれている。身体は、現実世界に自らの居場所を求めることができる、最後の橋である。心が身体に拠っている限り、リアリティを求めることができる。身体性を大切にしなければ、ただのカオスが訪れると思う。それは自由、または幸せのように見えるかもしれないが、そんなことないと思う。僕達の心は、そんなに強くないと思う。コロナの時に思い知ったはずだ。現実世界がないと、心の居場所を見つけられない。誰かと身体を共にしなければ、十分な愛は感じられない。
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