トップリーグ開幕戦を見て次節以降の観戦を激オシしたくなったので、理由をまとめてみた【国内ラグビー】

8月31日(金)、9月1日(土)、国内ラグビー最高峰リーグ「トップリーグ」の開幕節が全国各地で開催されました。
2019年に4年に1度開催されるラグビー界最大のイベント「Rugby World Cup」が日本で開催されるため、その直前シーズンとして元々今シーズンは注目が集まっていましたが、その開幕節を見て今シーズンは特に激アツなものになると確信しました。
なので、今回はその理由を6つにまとめてみましたので、ぜひご一読いただき興味を持たれましたら会場に足を運んでいただけると幸いです。

まず、理由に行く前に開幕節の結果をご紹介いたします。

上記の通り、全8試合中6試合が7点差以内のゲームとなっています。
ラグビーでは、1度に最大7点(トライ&コンバージョンゴール)スコアすることができるため、7点差以内のゲームは接戦と見られます。そのため、負けたチームにもボーナスで勝ち点1が与えらえるほど。
つまり、それだけ僅差の白熱した試合が多かったということです。
ちなみに特に大熱戦となったのは、開幕節最注目のカードと言われたトヨタ自動車vsサントリー。昨年度王者と4位の一戦は、後半ロスタイムが8分も伸びる大熱戦の上に、最後の最後でサントリーが逆転する劇的な展開。まさに、「開幕戦にしてクライマックスのような大熱戦」(Jsports実況の矢野武さん)と言える試合でした。

それではなぜこれだけクロスゲームが多くなったのか。その理由をまとめていきたいと思います。

理由① 世界トップレベルの外国人選手が集結!

今シーズン、トップリーグの外国籍選手の出場規定が変更になりました。外国籍選手の種類も細かくは3つに分けられるのですが、ざっくり言うと今年から日本以外の国代表歴のある選手が最大で2人まで同時に出られるようになりました。
そのため、特に南半球を中心にワールドクラスの選手が例年以上に続々と来日しているのです!
開幕節に出た選手の中では、
・ロス・ハイレットペティ(東芝・NZ代表)
・マット・トッド(パナソニック・NZ代表)
・ドゥエイン・フェルミューレン(クボタ・南アフリカ代表)
・クワッガ・スミス(ヤマハ・南アフリカ代表)
・クリスチャン・リアリーファノ(豊田自動織機・オーストラリア代表)
といった選手がトップリーグデビュー。
さらに、開幕節に出場はしていないものの、今後トップリーグデビューが待ち望まれるワールドクラスの選手としては、
・ダン・カーター(神戸製鋼・元NZ代表)
・イズラエル・ダグ(キヤノン・元NZ代表)
の2人がいます!
ダン・カーターは、サッカーで今日本を賑わせている「イニエスタ」クラスの、世界No.1の司令塔。まさか国内でそのプレー姿を見られるなんて、本当に信じられません。
さらに、これ以外にも昨シーズンから活躍しているレジェンド級の選手(マット・ギタウやアダム・アシュリークーパーなど)もいます。
これらのワールドクラスの選手たちが、様々なチームに散らばって各チームを勝利に導くべく身体を張ってプレーしているのですから、好ゲームが多くなるのは間違いありません。

理由② SRを経験し一回りも二回りも逞しくなった選手が多数!

日本の代表チームとして「サンウルブズ」がSR(スーパーラグビー)に参戦して3シーズンが経ちました。多くの日本人選手がサンウルブズの活動を通じてワールドクラスのラグビーを体感。外国人選手のパワーやスピードに負けない逞しさを身につけてきました。
さらには、サンウルブズを通じてこれまで各国代表に選出されてこなかった外国人選手も多数来日。彼らは日本代表資格を今後持つことが可能な有望選手として、外国籍選手とは別に試合に出場することができます。それらの選手が、SRシーズンを終えてトップリーグの各チームに所属しそれぞれの場で力を発揮しています。
開幕戦でも、
・庭井祐輔、田村優(キヤノン)
・木津武士、リアキ・モリ、ヘイデン・クリップス(日野)
・クレイグ・ミラー、坂手淳史、サム・ワイクス、布巻峻介、内田啓介、福岡堅樹、松田力也、山田章仁、堀江翔太、稲垣啓太、ヴァルアサエリ愛、田中史朗(パナソニック)
・ヘイデン・パーカー、山中亮平、グラント・ハッティング(神戸製鋼)
・日野剛志(ヤマハ)
・垣永真之介、流大、松島幸太郎、真壁伸弥、田村煕(サントリー)
・松橋周平(リコー)
など、勝利チームだけでもこれだけのサンウルブズスコッドの選手が活躍をしています。(漏れもあるかもです)
各チームに世界レベルを知る選手が存在することで、リーグ全体の底上げがなされ、結果として僅差のゲームが続出しているのだと思われます。

理由③ 即戦力の期待のルーキーが躍動!

近年、大学ラグビーを経験する選手のレベルも上がっている、という話があります。その中でも、今季は特に即戦力の大型ルーキーが早速チャンスを得て躍動をしています。
先ほど言及をしたトヨタvsサントリーの大熱戦でもフレッシュな選手がその実力を遺憾なき発揮しました。
・堀越康介、尾崎晟也、梶村祐介(サントリー)
・三浦昌悟、木津悠輔、 吉田杏、 垣本竜哉(トヨタ自動車)
堀越は先制のトライ、梶村はMOM、吉田も試合終盤の大事な場面でターンオーバーなど、ルーキーとは思えない存在感を各選手が見せてくれました。
彼らの中から、今季のトップリーグでアピールをすることで来シーズンのサンウルブズ入り、さらには日本代表入りをする選手も出てくるかもしれません。
そんなフレッシュな選手が各チームに刺激を与えることで、リーグ全体がより活性化している気がします。

理由④ 出場機会を求めて有力選手が新天地に移籍し活躍!

各チームの新戦力はルーキーだけではありません。今シーズンは、有力ながらこれまでチーム事情で出場機会の少なかった選手が出場機会を求め別チームに移籍し、移籍先での活躍が見られています。
代表的な選手としては、前所属チームから移籍承諾書が出なかったために昨シーズン出場することができなかった、
・茂野海人(トヨタ自動車)
・田村煕(サントリー)
の両名。早速開幕戦に出場し、それぞれが死闘を演出する活躍をしました。
それ以外にも、
・児玉健太郎(パナソニック→神戸製鋼)
・石井魁(東芝→NTTコム)
・ゲラード・ファンデンヒーファー(ヤマハ→クボタ)
なども移籍先の新天地で早速その実力を発揮しています。
移籍前のチームで出番に恵まれず力を発揮しれなかった彼らが大暴れすることで、各チームの実力がより拮抗してくるのではないでしょうか。

理由⑤ 昇格チームが元気に躍動!

結果を見てもらえれば一目瞭然ですが、今期トップリーグに昇格したHONDAと日野自動車、この2チームが気後れすることなく躍動しています。これはリーグ全体に大きな刺激を与えるでしょう。
特に、初昇格となった日野自動車には、トップリーグ経験者だけでなくサンウルブズ、日本代表経験者が多数所属しており、上位を搔き回すダークホース的な存在として期待が集まっています。
注目選手としては、
・木津武士(元神戸製鋼、元サンウルブズ、元日本代表)
・佐々木隆道(元サントリー、元日本代表)
・中園真司(元ヤマハ、元7人制日本代表)
・ニリ・ラトゥ(元NEC、元トンガ代表)
・ヘイデン・クリップス(サンウルブズ)
・リアキ・モリ(元サンウルブズ)
と、往年の選手からサンウルブズでラグビーファンから愛された選手まで、幅広くラインナップされています。
この2チームが上位を搔き回す存在となれば、毎節非常に気の抜けない試合ばかりとなり、ファンからすると各試合とても楽しみなものになってくると思います。

理由⑥ 今期は短期決戦!毎節が負けられない試合が続く!

今シーズンは来年開催のW杯に日程を調整するため、年内で全日程を終了することになっています。そのため、予選リーグに当たるレギュラーシーズンはなんと7試合!この7試合でカンファレンス上位4位までに入らなければ、上位トーナメントに進めないというサバイバルなシーズンとなっています。
1試合の負けが順位に大きく影響してくるため、各チーム開幕戦からチームをかなり仕上げて必勝体制でリーグ戦に臨んでいます。
それが、8試合中6試合が7点差ゲーム、トライボーナスを獲得したのが日野自動車とヤマハ発動機ジュビロの2チームという開幕戦の接戦につながっています。
開幕節に破れてしまった各チームは、もうこれ以上の敗戦は許されない瀬戸際に追い込まれています。第2節以降はそれらのチームの意地と気迫で、さらなる好ゲームが期待されるのではないでしょうか?

もうこれは第2節から毎節観戦に行くしかない!

いかがでしたでしょうか?
以上が今期トップリーグを見に行くべき6つの理由です。
魅力が少しでも伝わって、「試合会場に行ってみたい!」と思っていただけたようでしたら嬉しいです。

ということで、最後に第2節の組み合わせと注目の試合をご紹介したいと思います。

どの試合も楽しみですが、開幕節を見た上での個人的な注目は1.2.8の3試合です。
神戸製鋼との接戦に敗れたNTTコムは、2戦連続での上位チームとの対戦。開幕からの2連敗は上位進出に向けて絶対避けたいところ。王者サントリーに対して、絶対に負けられない意地とプライドでどこまで迫れるか、フライデーナイターに注目です。
同じくパナソニックに4点差まで迫り最後の最後まで攻め続けたクボタはヤマハ発動機ジュビロと対戦。ヤマハに迫った堅いDFとキレのあるアタックは、上位進出も臨めるものだったと思います。セットプレーでヤマハに対して互角に渡り合えれば、勝利も見えてくるのではないでしょうか。
最後に、必勝で臨んだ開幕戦でキヤノンにまさかの敗戦を許した東芝は、もう後がない状況。試合巧者のリコーに対して、絶対の勝利が求められます。早速崖っぷちへと追い込まれた東芝がどのようなプレーをするのか、ぜひ注目したいところです。

それ以外にも、魅力的な組み合わせが多数あります。
第2節は佐賀や三重、北海道などの地方でも試合が開催されます。
ぜひお近くの試合会場でラグビーを楽しんでみませんか?


長文、拝読頂きありがとうございました。
来週以降も各節のレビューや次節のおすすめ情報などをお伝えできればと思っています。
もし少しでも面白いと思っていただけたようでしたら、サポートボタンを押していただけると嬉しいです。


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