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2023年 私の年間ベストアルバム

まだ23年のアルバムを聴き終わらず書き足してます。


The Rolling Stones / Hackney Diamonds

まずは80代の英米のミュージシャンから。若き有能なプロデューサと、彼にプロデュースを任せたストーンズに拍手を送りたい。このアルバムの親しみやすさと堂々した感じを私はうまく表現できなかったのだが、「スタジアムロック」と評している記事を見かけてなるほどと思いました。

Taj Mahal / Savoy

今回のタジはほぼボーカルに専念。プロデュースはジョン・サイモン。古いジャズのカバーアルバム。タジの歌声はサッチモのようだし、バックの演奏はひたすら気持ち良い。ミックとキースは80歳。タジ・マハールは81歳。凄いな…。

Gasms / Smokey Robinson

60年代モータウンのヒットメーカーの印象が強いからか、ソロ転向後のアルバムのクオリティが一定しなかったせいか、あるいはニューソウル的な要素が希薄なせいか、過小評価されているような気がしてならないスモーキー・ロビンソン。今回は企画物ではなく、2009年以来の新作・新録で構成されたアルバム。御年83歳にして少々セクシーな内容。(ソロ転向当時の「Smokey(73年)」「A Quiet Storm(75年)」、そして「Being With You(81年)」とその前後の作品は、私のオールタイム愛聴盤。)

Terrace Martin & Calvin Keys / The Near North Side

テラス・マーティンが彼の伯父であるカルヴィン・キーズと作ったアルバム。もちろん伯父さん(80歳!)のギターが主役なんだけど、ドラム・ベース・ピアノとテラス・マーティンのサックスも、全ての楽器が気持ちよく響く作品だと思った。
https://x.com/terracemartin/status/1725551726768566762?s=20 
泣き止まない赤ん坊のテラス・マーティンを、カルヴィン・キーズがギターを弾いて寝かしつけたというエピソードが語られています。

Silvia Perez Cruz / Toda la vida, un día

ここから地域別に。スペインはカタルーニャへ。これは凄いです。5つの楽章で構成される1時間を超える大作。ブエノスアイレス、ハバナ、バルセロナ、マドリードなど世界の様々な都市で録音されたそうで、多様な音楽性はこの作品の大きな魅力になっている。随所に登場する合唱も素敵。日本語訳付きで国内販売されたら是非購入したい。

Meritxell Neddermann / Suelta

同じくカタルーニャのSSW。1曲目で聴くのを止めていたら、ここには登場していなかったでしょう。キャッチーな2曲目やピアノ弾き語りが美しい4曲目でこの作品の虜になりました。その他、大胆なアレンジにも驚くバラエティーに富んだ楽曲で構成されたアルバム。

Magali Datzira / Des de la Cuin

ベーシスト/ SSW、マガリ・ダッチラのデビューアルバム。私には英語かそれ以外かの区別しかできないが、曲によってカタルーニャ語、スペイン語、英語、ポルトガル語を使い分けているそうな。多彩な楽曲を彩る、音数の少ない美しいアコースティック・サウンドと、幼さも感じる個性的なボーカルが魅力。

Salvador Sobral / TIMRE

お隣ポルトガルへ。サルヴァドール・ソブラルを知ったのは、昨年のEP「SAL」。ボーカルとピアノだけの子守歌のような作品で、寝る前によく聴いた。新作はダンサブルな楽曲もあり、曲の展開やアレンジに華があり、すっかり私の愛聴盤となりました。

Nico Paulo / Nico Paulo

ポルトガル人の両親を持つ、カナダ生まれ〜ポルトガル育ち〜カナダ在住のSSW。本作がデビューアルバム。この作品はよく聴きました。多忙な仕事と長く続いた肺炎で疲弊していた自分にとって、この作品は癒しとなりました。

Before I Saw The Sea / Me and My Friends

イギリスへ。カリブ海やアフリカの音楽から影響を受けた音楽性が魅力のグループ。今回はぐっと内省的にサウンドになったようだ。このアルバムの曲の多くは2020年の最初のロックダウンの中で作られ、オンラインでの共同作業を強いられたとのこと。チェロとクラリネットで彩られたサウンドが美しい。

Sufjan Stevens / Javelin

続いて北米へ。この作品を2023年のベストの一つに挙げる人が多く、最近になってスフィアン・スティーヴンスの存在を知りました。
https://turntokyo.com/features/sufjan-stevens-discguide/
こちらにスフィアン・スティーヴンスの素晴らしいアルバムガイド(1999年のデビュー作から本作まで)があります。これから遡って過去の作品を聴いていこうと思う。

Jamie Branch / Fly or Die Fly or Die ((world war))

昨年39歳という若さで亡くなってしまったジェイミー・ブランチの遺作。亡くなった時、この作品はミキシングを残すのみでほとんど完成していたらしい。
https://www.oto-tsu.jp/interview/archives/13170
バンドを始めた頃はハードコア、パンク、スカ系だったとか、ドン・チェリーやオーネット・コールマンからの影響を語るこのインタビューは、彼女の音楽性を知るうえでとても参考になると思います。

Emma Frank / Interiors

ボストン出身、カナダで音楽活動を開始し、現在はニューヨークを拠点とするSSW。同じ時期にニコ・パウロとエマ・フランクの作品を繰り返し聴いた。無事一年を乗り切った感謝を、この二人のSSWに捧げたい。

Jonah Yano / Portrait Of A Dog

広島生まれカナダ育ちのSSW、ジョナ・ヤノの本作もよく聴きました。バックを務めるBADBADNOTGOODの演奏も聴きどころ多し。

Gaby Moreno / X MI (VOL.1)

グアテマラ出身で、ロサンゼルスへ移住したSSW。初めてその存在を知ったのは、Chris ThileのThanks For Listeningに収録されていたThank You, New Yorkという曲(Chris Thileとのデュエット)。Gaby Morenoの伸びやかなボーカルはいつ聴いても感動する。2023年のこの作品は、キャリア初期の曲をほぼギターだけで再録音したもの。普通のバンド編成のアルバムよりも、ボーカルの魅力が引き立つように感じる。ジャケットの写真も素敵。(2020年には、Van Dyke Parks とのコラボで¡Spangled!という凄いアルバムを出しています。)

Nara Pinheiro / Tempo de Vendaval

南米へ。ブラジルのSSW / フルート奏者、ナラ・ピニェイロのデビュー作。プロデューサーはアントニオ・ロウレイロ。1曲目を聴いた瞬間に好きになった作品。

My Heart Speaks / Ivan Lins

イヴァン・リンス9年ぶりの完全新録アルバムとのこと。全編美しいメロディーとサウンドにうっとりする。バックのオーケストラが素晴らしいなと思っていたら、この作品はトビリシ交響楽団とのコラボレーション作とのこと。よく聴きました。








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