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デそうでデないナニか 〘Chapter 1〙それは、突然やってきた…恐怖 Ⅰ

このおはなしは…
自身が「射精時無快感症」という男が一番きもちい射精の快感が無くなってしまう奇病に突然かかってしまった、ともおのエッセーです。コラムとして公開していましたが、話が長くなりそうなので、現在小説っぽく加筆修正中です!ちなみに、内容は脚色していますので、事実に基づくフィクションです。

射精時無快感症。
オレは、突如この病にかかってしまった。

2018年10月__

空が高く、こんなにも清々しい気候はオレは好きで、特に秋の空はなんとも言えないペーソスを感じるので心が洗われるようでいい。しんみりとしたこの情景は、オレの中に混在する葛藤ややるせなさを浄化し、なんとも言えない心にしてくれる大好きな季節。

そんなことを思う暇もなく、10月の朝は、恐怖へのはじまりと化してしまった。

10月4日 朝__

仕事に出かけようと、目覚めた。特に変わらない、日常。

朝は寝ていたい性分なので、いつもギリギリまで寝ている。朝食は通勤途中にコンビニで買って会社で済ますので、「起きる→洗顔→うがい→トイレ→着替え→出発」のルーティーン。

何かが変わっているわけでもなく、何かに襲われるということもなく、平穏な日常は、まもなく不信感へと変わることも知らずに、刻々とカウントダウンを刻んでいった。

自宅を出て、自転車を引っ張り出す。

オレの自宅は2階にあり、そこから道路まで引きずり出していくのだが、階段が狭く、自転車くんをあちこちにぶつけながら、正門もそいつで蹴飛ばしていく。

イタイヨー
タスケテー
ヒドイヨー

そんな声が聴こえてきそうな、可愛そうなエクステリア。

傷だらけの正門。傷だらけの自転車。

物には執着が無いわけではないけれど、あまり丁寧に使ったこと、なかったなあ。もしかしたら、自転車の呪いみたいなのがあったのかもしれないけど、そんなことは後の祭り。

実際、オレには物に魂が宿るとか、物を大事にしないと不幸が訪れるとか、そんな迷信みたいな話は信じていない。

大切にする物もあるけれど、ただの移動手段と化した自転車くんに、オレは感情は持てなかった。

サビ付いたギアー、泥だらけのスポーク。

ホントハキレイズキナンダケドナア

うるせえ。
物なんだから、黙って主人を満足させろ!

そんなことは言わないけれど、そんなふうに扱っていたことは事実。

ごめんよ。

物と話せたら、そんなこと話すのかなあ?

そんなオレにも、信じていることはある。

「運命」

ただ、運命という、自分に課せられた使命や行動に関しては、信じている。だから、事実は受け止めるし、世の中は人間には抗えない力によって、何年何月何日何時に誰々がアクションを引き起こすと、何もかもが神様によってスケジューリングされているし、ひとりひとり神様に操作されている。

そう思いたいし、そう信じている。

オレは自転車に乗った。

いてぇ。

腰付近に激痛が走った。
今までに感じたことのない痛み。
キーンと背筋に稲妻が走ったかのような、しびれのような痛み。

自転車を漕ぐのもやっとだった。

この痛みは、今まで物を大事にしてこなったバチがあたったのかもしれないけど、きっと、こういう運命だったんだと思う。

痛みを耐えながら、オレは会社に向かった。

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