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第4回SDGs担い手育成講座(2021年度)

第4回SDGs担い手育成講座を開催しました。この講座の概要、第1回、第2回、第3回の講座につきましては以前記事を作りましたので、こちらをご覧ください。

・トヨタ白川郷自然學校概要

第4回SDGs担い手育成講座のご報告

狙い

第4回:自身の未来について本気で考え、本音で語る
第4回はゲストにオルタナ編集長の森摂氏にお越しいただき、「SDGsを作った人たちが目指した世界」を知っていただくとともに、自分起点で、未来を描いていただきます。また、未来のために、自身の想いを込めて、種を蒔きます。

参加者

年間を通した連続講座の第4回は6都県10大学から13名の若者が参加しました。また参加者は10代後半から30代前半まで、大学1年生から大学5年生、そして若手社会人で構成しており、多様な視点で未来を考える3日間となりました。

スケジュール

【1 日目】
  PM 開会・オリエンテーション
                   スノーシュートレッキング
     第1~3回講座のふりかえり
   夜   懇親会
【2 日目】
  AM 冬の合掌家屋体験
     森で1人の時間を過ごす
     グループセッションⅠ
  PM ゲストトーク「SDGsはなぜ生まれたのか」
     講師:株式会社オルタナ編集長 森摂 氏
     グループセッションⅡ
   夜 キャンドルサタデーナイト
【3 日目】
  AM 最後のフィールドワーク
     個人ワーク
  PM 全体ふりかえり
     クロージング

活動の様子

①開会・オリエンテーション 
第4回講座の開会は、笑顔があふれる和やかな雰囲気で始まりました。

②スノーシュートレッキング
「せっかく豪雪地帯の白川郷に来ているのですから、まずは雪の森に出かけましょう!」ということで、雪上歩行道具スノーシューを履いて、出発。

歩き始めてから約20分、眺めの良いフィールドへ到着。ここでは、チーム対抗で雪上宝探しなどの活動を行い、自然のなかで楽しく過ごして、メンバー同士のコミュニケーションを深めました。

③第1~3回講座のふりかえり
第1回~第3回のスライドショーを見て、SDGs担い手育成講座をふりかえり、各々が各回で「感動したこと、印象に残っていること、なぜか時々思い出すこと」などを話題として、少人数グループに分かれて気持ちを共有しました。

④冬の合掌家屋体験
2日目の朝、まずは自然學校の目の前にある合掌家屋へ移動。第1回(夏)、第2回(秋)は合掌家屋を拠点に活動していたため、その拠点が冬はどうなっているのかを体験するため、雪に覆われた合掌家屋の中へ入りました。そして、ほんの少しだけ、冬の合掌家屋で過ごしました

⑤森で1人の時間を過ごす
その後、自然のなかで一人で静かに時間を過ごしました。ルールとしては「スマホを見ないこと」そして「マナーモード設定」の2つだけ。森のなかで、寝そべって空を見上げる人、周辺をただただ歩く人など、思い思いに過ごしていました。静かにしていると、雪どけの音や、鳥のさえずりなどが聞こえてきて、本当に心地よい時間でした。

⑥グループセッションⅠ
森から戻ってきた後、少し休憩した後、個人個人で〝50年後の自分のプロフィール帳”を作成。「これから50年後の2072年3月12日、自身はどうなっているかを考えてみましょう。」この言葉を受け、参加者は少し悩みながら、プロフィール帳の各質問に答え、50年後の自分を描きました。

⑦ゲストトーク「SDGsはなぜ生まれたのか」
講師:株式会社オルタナ 代表取締役社長 /「オルタナ」編集長 森摂 氏
「SDGsを作った人たちはどのような世界を目指していたのか」をテーマに、SDGsを俯瞰して見ておられるジャーナリストの森氏にお話しいただいた。元国連事務総長のコフィ・アナン氏からの4つの贈り物(①国連グローバルコンパクト、②MDGs>SDGs、③国連責任投資原則、④ビジネスと人権指導原則)をベースに話が進んだ。参加者からの質問もあり、学びの深い時間となりました。

参加者の感想は次の通りです。
「〝市民がすべての起点”自分たちがしっかり当事者意識をもって考えることをしないといけないと聞き、心に残りました。本当に自分の行動が貢献できているのか、と疑問をもたず、貢献できているとポジティブに考えようと思いました。」
「世界中でSDGsへ取り組もうとしている今、私自身も真剣に課題と向き合いたいという気持ちが想像以上に高まりました。答えを見つけることや、社会を変える大きなことではなく、まずは個人単位で考え続けることで、見えてくるものを大切にしたいです。」
「課題に対して、なぜ解決しようとするのかを教えていただきました。」

⑧グループセッションⅡ
森氏の話を受けて、50年後の自分のプロフィール帳をアップデート。「50年後の自分は、2030年に終了したSDGsをどうふりかえっているのでしょうか。未来の自分になったとして、その時自分はなんて思っているのか考えてみましょう」この難しい問いに、参加者は悩みながら答えていました。その後、その想いを少人数で共有しました。森氏も参加していただきました。

⑨最後のフィールドワーク
「いよいよ全4回の講座の最終日です。この数日間は皆さんの人生の中では一瞬、とても短い時間でしたが、今回の講座が皆さんにとって、将来の大きな芯を作る「たね」となる時間となれば嬉しいです。そんな皆さんの未来に向けて、今から桂(カツラ)という樹木の小さな種をまきに行こうと思います。」こんな言葉から始まった、最後のフィールドワーク。なんと積雪3mもあるところから、チームで協力して地面まで掘り起こします。

数時間かけて、なんとか土がでる地面まで掘ることができました。みんな、達成感でいっぱいです。

その後、地面に自身の想いを込めた紙と共にカツラの種を蒔きました

部屋に戻った後、ファシリテーターから話がありました。「先程蒔いたカツラの種はとても小さいですが、数百年かけて直径7mもの巨木に育ちます。」「直径7mの幹はどれくらいの大きさなのでしょうか。」みんなで手をつなぎ、直径7mの円を作りました。

「これだけ大きな木に成長するためには、種から芽吹いた最初のタイミングで、最初にしっかりと根を張れるかが重要になってきます。」「今回の講座が、皆さんは未来の自分に向けて立派な根を張るキッカケとなればと願っております。」

⑩個人ワーク
「桂の木は何十年、何百年とかけた戦略をとっていましたが、私たちの寿命を考えるとそうはいきません。昨日は50年後をイメージしましたが、まずはもう少し近づけて10年後くらい、SDGsの目標期限が終わった2031年1月1日をイメージしてみましょう。その時自身は担い手として何を大切にしているでしょうか。そしてどうありたいでしょうか。考えてみましょう。」2031年の自分自身に、手紙を書きました。

⑪クロージング
最後は、各回と同様、「今、ここ」の自身の想い(気持ち)を忘れないようにするため、1人1分スピーチの動画を撮影し、記録に残しました。この時、1つキーワードを書いていただき、そのキーワードを元にお話ししていただきました。

実施結果(主催者所見)
第4回目の講座の目標は達成できたと考えます。ゲストの森氏のおかげで、SDGsをつくった人が描いた未来を知っていただくとともに、自分たち自身がが起点であることを感じていただけました。また各々の想いとともに種蒔きを実際に行うことにより、この時間が印象深くなったのではないかと考えております。今回の講座が、参加者の皆さんにとって、人生のターニングポイントの1つとなれば、嬉しく思います。

参加者の声

「第1回~第4回本当にありがとうございました。すごく遠路でも毎回参加したいと思わせる企画をしていただき、感謝しかありません。77年をどう生きるか、社会に貢献をして、自然學校の皆さん、白川村の皆さん、トヨタの皆さんへ恩返しができるよう、教育という武器を使って、社会課題を解決しようとする子どもたちを一人でも多く育成します。本当にありがとうございました。」
「アンケート結果を反映してくれるなど、参加者に寄り添った姿勢が素晴らしいと思いました。企画して下さったスタッフの皆様に感謝いたします。この縁を持続可能にすべく、また何かの機会にご一緒させて頂きたいです。お世話になり、ありがとうございました。」 
「ゲストトークやグループセッションを通して、いろんなことを学ぶことができ、自分自身で考えるきっかけにもなった。今後の人生において〝タネ”になるものを得ることができた。」
「破格の2泊3日で貴重な体験の数々、問いの投げ方、自分と向き合い考える時間、どれもが学びが多く、実りある素晴らしいものでした。SDGsに対する意識の変化というよりは、自分の現在地と、未来への進行方向を確かめる素晴らしい機会をどうもありがとうございました。今回のご縁を大切に、学びを活かして、これからも頑張ります!!スタッフの皆様、お疲れさまでした。」

参加者の皆さま、ご参加いただき、本当にありがとうございました!またいつか、より成長した皆さんに会えることを楽しみにしております!