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【観戦記#001】プリンスリーグ関東1部 vs横浜FMユース(A)

概要

4/6(土)に日産フィールド小机で開催されたプリンスリーグ関東1部第1節の横浜FMユース vs 栃木SC U18の試合を現地観戦しましたので,雑感をまとめみました.
横浜FMユースのYouTubeチャンネルにこの試合のハイライトが投稿されているので,得点シーンは以下の動画で確認できます.


試合総評

各チームのフォーメーションは以下の通り.
横浜FMユースは4-3-3,栃木SC U18は5-4-1.栃木SC U18の5バックは相手との力量差を考慮して自陣ゴール前に人数を掛けるためのものと思われる.なお,5バックの大外の選手はWB(ウィングバック)と表記するのが一般的であるが,試合を通してそのポジションの選手が攻撃に関わるシーンが皆無だったので,敢えてSB(サイドバック)と表記した.

先発フォーメーション図

試合は選手個々の質で圧倒的に上回る横浜FMユースが終始栃木SC U18を押し込み続ける典型的なワンサイドゲーム.
中央では,横浜FMユースのセンターFWがCMFとCBの間のバイタルエリアを,縦パスを引き出すために縦横無尽に動き回っていたが,栃木SC U18としては,ボールが入らない内はその選手をある程度自由にしておき,その選手にボールが入る瞬間をスイッチに素早く寄せて前を向かせないタイトな守備を披露していた.この守備は最後まで機能しており,パスワーク等で横浜FMユースに中央を突破されるシーンはほとんど無かった.

上:ボールが入らなければ動き回るFWにはマークにつかず守備ブロックを崩さないことを優先下:ボールが入るとFWに素早く寄せて前を向かせないタイトな守備を披露         

サイドでは,横浜FMユースの両サイドのライン際に位置するFWが対峙する栃木SC U18のSBに対してドリブル突破を仕掛ける姿勢が見て取れた.栃木SC U18としては,SB単独での対応では分が悪いので,常に数的優位な状況を作るために1列前のSHが下がってきて横浜FMユースのFWを挟み込む形を作って対応.その際に横浜FMユースのFWは1列後ろのSBにボールを下げるが,栃木SC U18はそこにプレスを掛けず,横浜FMユースのSBにボールを持たれるのは仕方ないと割り切っている様子だった.とにかく5-4-1の守備ブロックを崩さないことを最優先とした戦い方である.

上:1対1では分が悪いのでSHがSB近くまで下がって数的有利の状況を作る  
下:相手SBにボールを戻されてもSHは相手SBまでプレスは掛けない     

序盤は「中央への楔のパス」「栃木SC U18 DFライン背後へのロングボール」「両サイドのFWのドリプル突破」をバランス良く繰り出していた横浜FMユースだったが,栃木SC U18の中央への密集の速さや対人守備のタイトさを見るや,ピッチ幅を広く使って栃木SC U18の守備ブロックを左右に揺さぶり,逆サイドの「FWのドリプル突破」を軸にした攻撃に移行.時間の経過とともに栃木SC U18の守備ブロックのスライドが遅くなり,横浜FMユースのFWがドリブル突破できるシーンが増え始めた中で,前半31分に不運な形で先制点を奪われた.その後も試合の大勢は変わらないまま後半へ.疲れからか横浜FMユースのプレー精度が落ち始めると,栃木SC U18は選手交代から敵DFラインへプレスを掛ける戦術に変更して勝負に出る.しかし,横浜FMユースは栃木SC U18のプレスをひっくり返すためにDFライン裏へのロングボールの割合を増やして冷静に対処.逆に栃木SC U18が決定的なピンチを作られ始めると,その流れから得たCKを後半27分に決められた.敗色濃厚ななかでもプレスを掛け続ける栃木SC U18は徐々にセカンドボールを拾って前線にボールを送るも横浜FMユースの堅い守備網をなかなか突破できず.終了間際の後半46分にはまたもCKから失点し万事休すとなった.

前年度はプレミアリーグに所属していた横浜FMユースとの開幕戦で,試合全体を通してチームの質でも個の質でも圧倒され続けていたが,開幕戦でプリンスリーグ関東1部の上位レベルを知れたのは大きいのではないだろうか.今後の試合は横浜FMユースと同等もしくはそれ以下のチームとの対戦であり,この試合でのプレーの質や強度を軸に戦術を組むことができる.このチームと対等に戦うためにはどうすればよいのか,じっくり考えて答えを導き出して欲しい.


Pickup Player

MF 10 田代流海 (栃木SC U18)
 ウォーミングアップ中から人一倍声を出し,選手交代でピッチに入れば,周りの味方選手に声を掛けて常にチームを盛り上げる行動ができる選手.こういう行動が取れる選手はプレーに一切の妥協がなく責任感が強いのが特徴で,間違いなく今季のチームの中心選手だろうと思った.
この試合では守備重視のチーム戦術の影響で途中出場となったようだが,彼が投入されると,それまでとは打って変わって猛烈なハイプレスを掛けに行くようになり,チームが本来の姿を取り戻したように見えた.
本来の彼がどんなプレーをする選手なのか早く観てみたい.


会場までのアクセス

この試合の会場は横浜Fマリノスのホーム「日産スタジアム」のすぐ脇にある『日産フィールド小机』という場所でした.新横浜駅(JR横浜線/東海道新幹線ほか)の方が便利ではあるのですが,今回は距離的に近い小机駅(JR横浜線)を利用しました.
小机駅構内は横浜Fマリノスの広告物が多いのが印象的で羨ましい限り!栃木SCの場合は西川田駅(東武宇都宮線)が相当するかと思いますが,西川田駅もこのようになる日が来て欲しいと願わずにはいられませんでした.

小机駅北口 外観
小机駅 八王子方面ホーム
小机駅 改札内コンコース
小机駅南口 階段
小机駅北口 階段

小机駅北口を出てすぐの道を少々歩いて日産スタジアムがある「新横浜公園」方面へ.道中にあるフェンスにも横浜Fマリノスの広告物がありました.大きめの道路に突き当たる角を右折すると「日産スタジアム」方面ですが,今回はこの角を左折して,その先の陸橋を渡ります.陸橋を渡れば『日産フィールド小机』は目の前です.

道中のフェンスにある広告物
大きめの道路沿いにある防音フェンスの広告物
陸橋ふもとの桜は開花直後といった感じでした
試合会場 「日産フィールド小机」


観戦場所

観戦場所はレストハウスの屋上と備品倉庫の屋上にある観戦席.観戦席へはレストハウス入口の脇にある階段で上がることが出来ました.レストハウスの屋上と備品倉庫の屋上を結ぶ通路によって(自然と?)ホーム側とアウェイ側が分けられており,レストハウス側はホームチームである横浜FMユースの,備品倉庫側はアウェイチームである栃木SC U18の観戦席となっていました.なお,栃木SC U18のコールリーダーは備品倉庫屋上の観戦席に居ましたが,横浜FMユースのコールリーダーはホーム側バックスタンドに相当する斜面に居ました.

レストハウス入口
レストハウス屋上の観戦席(ホーム側)
横浜FMユースの中心はホーム側バックスタンドに相当する斜面(写真奥)
栃木SC U18の中心は備品倉庫屋上の観戦席(写真手前)         


次回の観戦予定

次回の現地観戦は6/29(土)に開催されるプリンスリーグ関東1部第8節 vs帝京高校(A)を予定.もしかしたら5月中にトップチームの試合を現地観戦するかもしれません.