よくある質問と回答(不動産売却)
Q:不動産の買取・売却を依頼するときの流れを教えてください。
A:まずは、不動産の買取・売却を希望する理由、不動産の利用状況などをお聞きします。
不動産の買取・売却査定を依頼する理由、売却時期、不動産の利用状況、相続手続きが終わっているかなどの状況を整理します。
当センターに不動産の買取・売却査定を相談される方の中には、特段の検討もせずに、不動産の買取・売却を決めている方もいます。
売却した不動産が返ってくることはありません。不動産活用など、他の選択肢により不動産を残す方法は検討しなくてよいかも確認します。
Q:不動産価格が高いので、買取・売却すると得と聞いたのですが本当ですか?
A:マンションは、特に高く買取・売却されています。
国土交通省が毎月発表している「不動産価格指数」によると、2010(平成22)年平均と、2021(令和3)年6月とを比較すると、東京では以下の数値となっています。
戸建て住宅:114.7%UP、マンション:159.6%UP
共に売却価格が上昇していますが、マンションの売却価格上昇が顕著です。
<実務を進めている実感>
・コロナ以後、自宅で仕事をする機会が増え、広い住宅への移動が増えている
・テレワークの普及により、戸建て住宅を求める方は、郊外も視野に入れている
・株高による資金が、不動産に流入
日経平均株価:1年で129.2%UP
2020年6月30日:22,281円 → 2021年6月30日:28,791円
・住み替え(東京の場合)
同一地域に購入する場合は、売却益が出ても、購入する物件が割高
【不動産の買取・売却の検証】
上記の事実から、自宅以外の不動産で、将来、売却する可能性がある物件。特に、区分所有のワンルームマンションについて、売却価格の検証はお勧めしています。
~少子化による需要減。
テレワークの浸透により、単身者でも、居室内に仕事ができるスペースを設ける必要があり、ワンルームマンションの需要減が進むと思われます。
※「不動産価格指数」とは
国土交通省が公表。
年間約30万件の不動産の取引価格情報をもとに、全国・ブロック別・都市圏別・都道府県別に不動産価格の動向を、毎月指数化して公表されている。
Q:不動産の売却査定額が高い=高く売却できる会社なのでしょうか?
A:査定額=売却(買取)できる価格ではありません。
不動産の売却を検討する際、複数社から売却額の査定を受け取れる、比較サイトを利用する方が増えています。
<比較サイトの注意点>
売却査定額=売却(買取)できる金額ではない
売却に関する業務依頼を受けなければ、仕事を進めることができません。
比較サイトの利用者から、業務依頼を受ける場合は、査定額を気に入って貰もらわないといけません。
相場よりも、敢えて高値の査定額を提示する。
査定額の信憑性を理解する術はなく、それを信じて依頼した結果、長期間売却できない不動産となる。
そのような事例に、相当数、触れてきています。
査定額はあくまで参考値。
各社の話を聞く際は、実際に売却できそうな価格、担当者の実務経験や仕事への姿勢を確認。
不動産の売却を信頼して任せられる担当者に、売却を依頼すべきだと思います。
Q:不動産買取業者に売却すると、やはり、安くなるのでしょうか。
A:不動産買取業者にしか、売却が難しい不動産(条件)もあります。
不動産買取業者への入札売却を依頼される方から、よく聞かれます。
建て替えできない土地、隣接地と境界に争いがある、旧耐震基準のマンション、事故物件など、エンドユーザー向けに、販売が困難な不動産もあります。
売却できなければ、お金が入ることはありません。まず、誰に売却できる不動産かの検討が必要です。
Q:土地や戸建て住宅を、不動産買取業者に売却すると安くなりますよね。
A:場合によっては、不動産買取業者のほうが高く買うこともあります。
利用者に直接売却することが、高く売却できる方法です。
土地・戸建て住宅は、エンドユーザーに販売したほうが、高く売れることが多い。
但し、一戸建ての住宅を建てるには大きい区画を売却する場合、建売業者へ売却(買取)したほうが、高く売れることがあります。
Q:マンションを、不動産買取業者に売却すると安くなりますよね。
A:旧耐震基準のマンションは、検討が必要です。
利用者に直接販売することが、高く売却する方法です。
旧耐震基準のマンションは、エンドユーザーの購入者が現れるまでに、相当の時間を要する場合があります。
売却するご事情により、不動産買取業者への売却を、検討する必要もあります。
Q:エンドユーザー向けの売却査定、不動産業者への買取査定を知ることはできますか?
A:はい。できます。
エンドユーザー向けの売却が可能な場合は、売却査定と買取査定を実施し、エンドユーザー、不動産買取業者、どちらに売却するかをご判断いただきます。
Q:不動産の買取や売却を依頼する会社は、どのように決めればよいですか?
A:任せられる人を、選定すべきです。
不動産の買取・売却を検討する、ほとんどのお客さまから聞かれる質問。
仕事をして実感していることですが、不動産業は、信頼されている業態ではありません。
特に、バブル期の地上げなど、不動産業者の負の側面を認識している方は、不動産業者に対して嫌悪感を抱いている人もいます。
しかしながら、不動産の買取・売却を行う場合は、ご自身で進めることができません。
不動産業者に知り合いがいない方は、信頼できる方からの紹介、インターネットで検索するなどして、不動産業者に買取・売却業務を依頼します。
インターネットで検索し、不動産業者を選定する方は、不動産売却価格の比較査定サイトなどを利用するケースが増えています。
当センターのご相談者の中には、比較査定サイトで取得した見積りを持参する方もいます。
その会社の中から決めれば良いのではないですか?とお聞きすると、どの会社にすれば良いか分からなかったという意見がほとんど。
一番高い買取・売却査定額を提示した会社が、一番高い値段で買取・売却をしてくれるわけではありません。
査定はあくまで机上で行うため、売却する不動産を確認して、金額が下がることもあります。
また、買取・売却業務を依頼されることを目的に、相場よりもかなり高額の買取・売却額が査定されていることもあります。
お客さまも、査定額=売却額ではないと理解はしているのですが、査定額に相当の差異があったり、同じ不動産の買取・売却相談でも回答が異なると、どのように選定すれば良いか分からなくなってしまうようです。
不動産の売却方法により、売却後の税額が異なり、手取り額が変動するケース。本来は売却せずとも、活用することで残す選択が取れるケースもあります。
そこは、相談した担当者の実務経験、会社としての方向性が如実に出る部分です。
担当者の実務経験が乏しく、良い対応ができない。個別の売却案件について、税金対策の相談ができる税理士と提携できていない。
売上を優先するあまり、他の選択肢を提示しない。
当センターと提携いただく税理士先生と、確定申告後に打合せをすると、毎年必ず「先に相談してくれれば、数百万円単位で税金が変わったのに」という愚痴をお聞きします。不動産の買取・売却は、担当者の力量により、手取り額が左右されます。
実務経験、税理士との個別の繋がり、仕事の進め方を確認する中で「誰のために仕事をしている人か」を判断し、あなたの仕事を任せたい人を選定することが、納得のいく結果が得られるのではないでしょうかと、ご相談者にお伝えしています。
Q:転勤することになり、住宅を売却するか迷っています。
A:住宅の状態によりますが、定期借家での賃貸も一考です。
転勤、親と同居することになったなど、空き家の買取・売却の相談を受ける機会があります。
東京の場合、家(戸建)の賃貸物件が不足しているため、建物の内の状況を確認し、賃貸可能と判断できれば、借家とすることもご提案します。
ご自身が利用することになった場合や、買取・売却を再度検討する場合を想定し、契約期間を定めることができる、定期借家契約で賃貸することをお勧めしています。
アットホームラボ株式会社の調査によると、東京では、東京23区内は27.8%、東京都下は23.1%が、住宅(戸建)を賃貸する際「普通借家契約」ではなく、「定期借家契約」にしています。
Q:住宅を売却する時、解体したほうが良いですか?
A:住宅の状態、建築時期など、個別確認なしに回答できません。
住宅を売却する時、解体して更地としたほうが良いか、質問を受けることがあります。その場合は、税制優遇、住宅の状態などを加味して個別に回答しています。
<税制優遇>
・昭和56年5月31日以前に建築された住宅を相続した場合
(解体後に売却することで、譲渡所得税の特例を受けられる可能性がある)
<住宅の状態>
・住宅の老朽化など、見た目の問題から、解体して更地にしたほうが、購入者が現れやすい
・住宅にアスベスト(石綿)が含有されている可能性がある
アスベストは、解体後に含有されていることが判明することもあります。
売却後、住宅にアスベストが含有されていたことが判明すると、トラブルに発展する可能性もあります。
Q:認知症となった場合でも、不動産の売却はできますか?
A:意思能力がない場合、売却できません。
不動産を売却する場合、司法書士による本人確認が必要です。
<本人確認とは>
ヒト:依頼者及びその代理人などが本人であることの確認
モノ:売却する不動産の確認
意志:売却することが、本人の意志であることの確認
認知症などにより、意思能力がないと判断されると、売却することはできません。売却資金を、介護施設の入居に充てるという相談は年々増えています。
相談できる時点=売却であれば問題ありません。
一人で身の回りのことができなくなった時点で売却し、介護施設に入居したいという場合は、信託契約の組成をご提案しております。
<信託契約とは>
「委託者」が所有する財産を「受託者」に移転し、信託目的に従って受託者にその財産の管理または処分をさせる契約。
委託者:不動産の所有者(本人)
受託者:本人、本人が依頼する信頼のおけるヒト
受益者:利益を受け取るヒト
委託者:本人、受託者:子、受益者:本人となるケースが多いです。信託契約を作成し、登記などの手続きを完了させることで、子が親の不動産を管理・活用・売却できるようになります。
売却(処分)権限を、生きている内に与えることができる制度が信託契約。
<信託契約の普及>
制度を理解する人は増えているが、普及しているとは言えない。それが信託契約。
本人(委託者)=受益者、受託者:子としても、2人の意志を一致させ、物事を進める必要がある。
本人が望んでも、子が受託者となってくれない。子から親に、認知症となった場合の想定を話せない。
不動産の名義変更(本人→受託者)をすると、なんとなく不安。
信託契約は、財産管理が目的。介護施設の入居契約(身上監護権)を子が行うには、別途の検討(任意後見契約)が必要。
信託登記、信託契約の組成などの費用がかかる。
信託契約の組成を相談できる、専門家として、不動産業者がなれていない。
人生100年時代を迎え、信託の検討をする人が増えていくことは間違いありません。
住宅・マンションなどの不動産を、生きている内に売却する可能性があれば、信託も1つの検討内容です。
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