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黒日記

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へんな話を集めました。だいたい創作です。だいたい。 五話目は諸事情から「ケツバン」です。
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記事一覧

七十話「顔をかいた話」

「この話、正直あんまり話したくないんですよ。……聞かれたくないもんで……」 初老の男性は…

六十九話「山群」

よくわからない、現在進行形の話。 数年前、Yさんが通勤電車に乗っていたときのこと。 携帯…

六十八話「奇譚-その12-」

その1 Uさんが連れ合いと一緒に、ある心霊スポットに忍び込んだときのこと。 ある一室の扉…

六十七話「奇譚-その11-」

その1  地元の電機製品店でアルバイトをしていた聡子さん(仮名)の体験。  ある日、商品…

六十六話「奇譚-その10-」

その1  Oさんが小学生の頃の話。  新年改めて親戚一同が集まるなか、曾祖父から子供らに…

六十五話「タヌキのしっぽ」

K老人がまだ幼かったときのこと。 近所の神社に向かう途中にある、山道の入り口に大きな岩が…

六十四話「お眼鏡にかなう」

もしかすると、今回は怪談の類いではないかもしれない。 学生だったIさんという方の話。 彼は視力が悪く、本来は眼鏡をかけるべき人物なのだが、文字も人の顔もなんとな~く判別できるので裸眼で生活していた。 しかし、ある日、ひょんなことから車の免許をとることになった。 そうすると必然的に眼鏡を作らざるを得なくなった。 初めての眼鏡に感動を覚えたIさんは、しばらくずっと眼鏡で生活していた。 ある日、久しぶりに大学にやってきたIさんは、眼鏡をかけていなかった。 そして、「相談

六十三話「奇譚-その9-」

以下は、ある合コン会場で出た話である。 その1 Aさんが祖父に連れられて川釣りにいったと…

六十二話「そんなお人形の動画 」

正直にいうと、私は今回の話をあまり書きたくなかった。 私がこの話を取材していたときに、言…

六十一話「死神」

「死神って、馴れ馴れしく寄ってくるんです」 Eさんがそう話してくれた体験。 彼が独りバイ…

六十話「長い脚の女」

真夏のある昼間。 Uさんが買い物帰りに坂道を徒歩でくだっていたとき。 奇妙な女と出くわし…

五十九話「うどん、そば、拉麺」

古いアパート住まいのNさんの体験。 ある日、部屋を掃除していると、洗面所に備え付けてあっ…

五十八話「割り込み」

いまは夫と何人かのお子さんを持つHさんの話。 Hさんが小さい頃は父親が転勤族で、各地を転…

五十七話「奇妙なインド料理店」

Tさんという女性の体験。 彼氏のOさんが「このまえ、サービス旺盛ないいお店みつけたんだよ」と、あるお店を紹介してくれた。 ある日のデート終盤。 晩御飯は予約したその『サービス旺盛な店』にしようということで、彼氏がそこまでエスコートしてくれた。 賑やかな繁華街から離れ、閑静な住宅街の網目のような細い道を突き進んでいく。 「よく考えたら、その時点でおかしかったのよねえ」 地図をみることなく、迷っている素振りもなく、どんどん細い道を選んでいくOさん。 Tさんは内心、本当にこ