『ジャズって面白いでしょう』って話(その2)
ジャズメンは 基本的にはレコード会社とは専属契約です
従って 他社のレコードの録音には参加しないという契約なのですが ジャズではさまざまな理由からそれを一時的に解除することはよくあることだったようです
チャーリー・パーカーとチャーリー・チャン
1953年5月15日 カナダのトロントで同市のジャズ・ソサエティが主催するマッセイ・ホールで開かれたライヴ
Dizzy Gillespie(tp) Charlie Chan(as) Bud Powell(p) Charles Mingus(b) Max Roach(ds)
「凄いメンバーだけど Charlie Chan? 誰?」
お分かりとは思いますが チャーリー・パーカー です
✅ この5人による録音は後にも先にも本作が唯一
そして 楽器を持たないでトロント入りした
✅ チャーリー・パーカーが 地元の楽器屋で借りたプラスティック製のアルト・サックスを吹いたライブ
「コレクターズ・アイテムズ」は1953年1月30日 1956年3月16日のセッションをカップリングしたもの
1953年1月30日のセッションのメンバーは
Miles Davis(tp) Sonny Rollins(ts) Charlie Chan(ts)
Walter Bishop Jr.(p) Percy Heath(b) Philly Joe Jones(ds)
このセッションは
✅ マイルスとチャーリー・パーカーの最後共演
✅ ソニー・ロリンズとチャーリー・パーカーの唯一の共演
✅ チャーリー・パーカーがテナーサックスを吹いている
✅ そしてチャーリー・パーカーが泥酔状態だった
「まるでリーダーが二人いるようなレコーディングだった。バード(チャーリー・パーカー)はオレを、息子か奴のバンドのメンバーのように扱った。だが、これはオレの録音だったから、なんとしても奴をちゃんとさせなきゃならない。それなのに、あることないことをくどくど言っていて、なかなか大変だった。」(マイルス・デイビス自叙伝Ⅰ)
ブルー・トレイン
この『Stereo Drive』はセシル・テイラーのリーダー・アルバム(1959年リリース)
Cecil Taylor(p) Kenny Dorham(tp) Blue Train(ts) Chuck Israels(b) Louis Hayes(ds)
お分かりですね Blue Train = ジョン・コルトレーン です
このアルバム録音(1958年10月13日)時点では コルトレーンはプレスティッジ・レコードの専属アーティストだったのですが その後 アトランティック・レコードとの契約アーティストになりました
1962年『コルトレーン・タイム』というアルバムがリリースされますが これは アルバム・タイトル ジャケット写真が変わっただけで 中身は『Stereo Drive』と同じものです
コルトレーンのアルバム『オーレ・コルトレーン(録音:1961年5月25日)』には
Alto Saxophone – George Lane (tracks: 2, 3)
Flute – George Lane (tracks: 1, 4)
ジョージ・レーン = エリック・ドルフィー
ロニー・ピーターズとバックショット・ラ・ファンク
Alto Saxophone – Ronnie Peters (# A1 to A3)
Alto Saxophone: Buckshot La Funke
ロニー・ピーターズ も バックショット・ラ・ファンク も
キャノンボール・アダレイ です
ブランフォード・マルサリスが結成したヒップホップ・バンド
「バックショット・ルフォンク(Buckshot LeFonque)」
キャノンボール・アダレイの偽名(バックショット・ラ・ファンク)がバンド名の由来です
名盤『ALION'SUNCLE』
マイルス・デイヴィスはコロムビア・レコードと契約でしたが 麻薬中毒時代サポートしてくれた「アルフレッド・ライオンに対する恩義」から 自らがオファーして キャノンボール・アダレイ のリーダー作にサイドマンとして参加した
これが名盤『サムシン・エルス(Somethin' Else )』
このアルバム未収録曲が ♬Alison's Uncle♬
キャノンボール・アダレイが甥に捧げた曲
12インチ・シングルとして1983年末にリリースされています
ブルーノートにもあったヴォーカル・アルバム
2作あります
①『My Hour of Need 』/ Dodo Greene (9001)
1962年4月2日&17日録音
Dodo Greene – vocals Ike Quebec – tenor saxophone Grant Green – guitar Eddie Chamblee – tenor saxophone (tracks 11-14) Edwin Swanston (tracks 11-14)– organ Sir Charles Thompson (tracks 1-10) – organ John Acea – piano (tracks 15 & 16) Milt Hinton (tracks 2, 7, 9 & 10), Herbie Lewis (tracks 1, 3-6 & 8), Wendell Marshall (tracks 11-16) – bass Jual Curtis (tracks 11-16), Al Harewood (tracks 2, 7, 9 & 10), Billy Higgins (tracks 1, 3-6 & 8) – drums
② 『Portrait of Sheila』/Sheila Jordan(9002)
1962年9月19日&10月12日録音
Sheila Jordan – voice Barry Galbraith – guitar Steve Swallow – bass Denzil Best – drums
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