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4年間の思いをぶつけろ! 女子アイスホッケー『スマイルジャパン』を熱烈応援します~序文~

2/8追記>勝った方が1位通過の対チェコ戦の展望記事を書きました。
ぜひ、試合前のおつまみにどうぞ(^^)

「アイスプレスジャパン」では北京へ出発する直前に行われたリモートインタビューでの選手&監督の声もたっぷりとお伝えしています。

世界のアイスホッケー界にとっての北京オリンピック開幕はいよいよ明日。


オリンピック開会式は2/4(金)ですが、それに先駆けて女子アイスホッケーの日本代表=愛称『スマイルジャパン』は2/3(木)17:30から、予選リーグB組の初戦、対スウェーデン戦に臨みます。


目標の1つは準々決勝進出。そしてメダル獲得へ

今回の北京オリンピックから女子アイスホッケーはピョンチャン五輪までの参加8チーム⇒10チームに枠が拡大しました。これは国際的に女子の競技力が向上してきたこと、また女子の本格的な強化に取り組む国が増えてきた事の証です。

北京オリンピック参加国は世界ランキング順にABの2組に分けられました。
予選A組 ①アメリカ②カナダ③フィンランド④ロシア(ROC)⑤スイス
予選B組 ⑥日本⑦チェコ⑨スウェーデン⑪デンマーク⑳中国

※中国は開催国枠。丸数字は世界ランク。ロシアはドーピング違反による資格剥奪のため国名ではなく選手がROC(ロシアオリンピック委員会)名で個人参加している形をとる。

その北京オリンピック、女子アイスホッケーの順位決定フォーマットはこちら↓
①A、B組ともに総当たりのリーグ戦を行い順位を決定。
②A組の5チームすべてとB組の上位3チームが準々決勝進出。
③準々決勝は、A1位vsB3位・A2vsB2・A3vsB1・A4vsA5 の組み合わせ。
④準々決勝に勝った4チームが準決勝進出。準決勝では予選リーグ最上位vs最下位、同2位vs3位となるよう組み合わせる。準々決勝敗者4チームは予選リーグの順位によって5-8位が決定。
⑤準決勝の勝者が決勝(GOLD MedalGame)、敗者が3位決定戦(Bronze MedalGame)へ。

強くなったがゆえに減った、『スマイルジャパン』の露出

2020年4月24日に、その時点での世界ランキング上位6チームは自動的に北京出場と決まり、日本はその時点で見事6位をキープしていたため五輪予選を経ずにオリンピック出場を果たしました。これは、1998年の長野オリンピックで開催国として初出場をしたときから続けてきたチーム強化が実を結んだ結果でもあり、とても喜ばしい事でした。

一方で本戦ストレートインを決めてオリンピック予選出場が無かったために、前回よりも『スマイルジャパン』を知ってもらえる機会は格段に減りました。


・「これに勝てば五輪」という決戦がないため露出が減り、五輪出場が決まった日はダイヤモンドプリンセス号に端を発するコロナ騒動で日本中がスポーツどころではなかった。
・世界的なコロナ禍で大会中止が相次ぎ、欧州や北米のチームとの試合がほとんどできなかった(現チームが世界と戦えたのが2021年8月の世界選手権のみ)
・コロナ禍での制限により、マスコミの取材が過去の大会と比べても非常に少なくなった
・広報面でとどめを刺されたのが、オミクロン株の蔓延による2021年12月に日本国内で予定していた欧州勢を招待した大会の中止。


さらには今年1月に日本代表が欧州各国に乗り込んでの練習試合をスケジュールしたにもかかわらずこれもコロナ禍で実現できず。大会前の大事な数ヶ月を国内合宿のみで過ごさざるを得ませんでした。

本来なら多くのファンの前で試合を行うことで、北京に臨むスマイルジャパンが“どんなチーム”で“どのような個性を持った選手がいるか”といった情報が、試合中継やスポーツニュースなどを通じて多くのファンに知られるハズだったのですが、それがかなわない状況で月日が経ってしまいました。

本気でメダルを狙えるチームに成長

しかし! しかしです。
今回北京に臨む女子日本代表『スマイルジャパン』は歴代の中でも最も世界の強豪と互して戦えるチームに成長していると断言できます。

昨2021年8月、2年ぶりにカナダ・カルガリーで行われた女子世界選手権で日本は世界の予想を覆して、過去最高の6位という成績を残しました。
1年以上にわたり海外の強豪女子チームとの試合もできないなか国内合宿だけで調整。カナダ入り後の約10日間はホテルに缶詰で各自が部屋でトレーニングし、リンクに乗れたのは大会数日前。そんな厳しい状況で迎えた世界選手権でしたが、予選リーグを2位で通過すると準々決勝ではあのアメリカを相手に奮闘。歴史上初となるアメリカからのゴールを2つも奪うと、続く順位決定戦ではチェコを下すなど7試合で4勝3敗の成績をマーク。最後の試合では格上のロシアに対してあと一歩というところまで食い下がるなど成長を見せてくれました。
また、この世界選手権では若手も躍動。多くの新しい才能が見つかり、世界選手権での活躍を見いだされた若い選手が今回北京オリンピックに向けてのメンバーを続々と勝ち取っています。

コロナ禍を乗りこえてたどり着いた、五輪で躍動を


2018年のピョンチャン五輪の興奮から4年あまり。
スマイルジャパンの多くのメンバーは、力を伸ばそうと海外のチームに移籍したのにコロナで帰国を余儀なくされたり、国内の大会も無観客だったりキャンセルされたり、無所属となって自ら練習場所を探したり……。前回の大会を終えた時には全く予想もできなかった状況に追い込まれながらもそれを乗り超えて、2022年2月、ついに北京オリンピックの舞台に立ちます。

筆者のアイスホッケー取材歴は男子も含め約17年。女子アイスホッケーは2008年に上海で行われたバンクーバー五輪最終予選で日本が中国との直接対決で敗れオリンピック出場を逃したときから追い続け、応援し続けてきました。
その時の監督は飯塚祐司。そう、今回2022北京オリンピックに臨む現在の指揮官、飯塚祐司監督まさにその人です。
14年の時を超えて世界の強豪へと遥かに進化した女子日本代表『スマイルジャパン』が、2008年に苦杯を喫した中国の地で本気でメダル獲得をかけて戦う今回の北京オリンピック。明日の初戦、対スウェーデン戦から目が離せません。

【北京オリンピック 女子アイスホッケー 放送予定】
スマイルジャパンの試合はすべて地上波で放送!
<予選リーグB組>
2月8日17:30- vsチェコ(NHK)
文/ポタやん(IcePressJapan編集長)
写真/千葉修太郎(IcePressJapan)

(2/8追記)この記事は本当にたくさんの方に読んでいただき感謝しております。ありがとうございます。
北京オリンピック・アイスホッケー競技を最終日まで楽しんでいただくために、オススメの記事を貼っておきます。
↓現代アイスホッケーの得点の取り方を解説した、こちらの記事。
男子アイスホッケーが始まると、ここで紹介した攻撃パターンはより必須のプレー。知っていると面白さ180%UPです(当社比)。
女子のアメリカvsカナダの試合は男子並みwの迫力で驚きますよ。ぜひ。

↓そして、『スマイルジャパン』の原点について書かせていただきました。
個人的にも思い入れのある記事ですので、お時間あるときにぜひ。

体力が持つ限り、いい原稿をお届けできるよう、頑張ります。
アイスプレスジャパン編集長 ポタやん こと 関谷智紀

↓より詳しい『スマイルジャパン』&アイスホッケー情報は
 アイスプレスジャパンへ 


ポタやんです。基本的にはライター&編集者ですが、最近は映像制作も精力的に行っています。現在アイスホッケー&アイスクロス情報サイト「IcePressJapan」を運営中。冬スポーツ色々を盛り上げるべく頑張ります!