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「THE FIRST SLAM DUNK」を観て(ネタバレ無し)

「THE FIRST SLAM DUNK」、レイトショーでギリギリ初日に観ることができた。
事前に情報がほとんど明かされなかった作品なので、いつになったら内容についてネタバレを気にせず語って良い空気になるのかわからない。でも個人的にはネタバレを気にするなら早く観に行くべきとも思うので、ひとまず最初の週末だけは自粛することにした。ここではネタバレにならないように、鑑賞直後に思ったことをつづってみる。

■「THE FIRST SLAM DUNK」感想その①
まず、今作は完全にファン向けのものだった。「スラムダンク」だからこそ許されるのだろうけど、ストーリーとして不自然でもファンに不要なものは捨てて、ファンが求めるものはフラッシュバックなどを使って強引に包括するという思い切った構成。映画作品としてあの説明の無さはあまりに大胆不敵だと感嘆してしまった。

■「THE FIRST SLAM DUNK」感想その②
「監督・脚本」を原作者がやることのすごさを思い知った。世代を超えて熱狂的な支持を受けている作品の設定を後づけであそこまで描くなんて、原作者以外がしたら炎上必至だ。これをやられたら、今後の国民的エンタメ原作の劇場版は原作者が完全監修しないと怖くてできなくなるのではと思うほど。

■「THE FIRST SLAM DUNK」感想その③
アニメーションとしては動きが悪いのに、それさえも井上雄彦の画をしっかり視認させるための狙いかと思わせるほど画の持つパワーがすごい。圧倒される。音楽を多用せず、効果音をまさに効果的に使用して展開される作品なだけに、なおさら画に魅入ってしまう。でも、高校生なのにみんな体格良すぎだろ。宮城の背中、めっちゃ広かった。

■「THE FIRST SLAM DUNK」感想その④
事前にまったくと言っていいほど情報を出さないのはどういう宣伝的狙いなのかと気になっていたけれど、そうせざるを得なかったのかなと思った。代表カット的なビジュアルやキャスト順を出すことで、今作が誰目線の話か判明するのを避けたかったのかなと。ファン待望の劇場版なのにスピンオフ的切り口になることは、声優以上に炎上しそうなポイントではあるので。

■「THE FIRST SLAM DUNK」感想その⑤
映画なのに、久しぶりに原作マンガを読んでいるような不思議な体験。そんな新体験を高いクオリティで味わえるだけでも今作を観に行く価値はある。そしてあの衝撃的なオープニングとボールの音が生み出す臨場感は、劇場の大きなスクリーンと音響でこそ最高の体験となる。まさに劇場に観に行くべき作品。面白かった!

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