No.3 情報科は実技教科か?②【情報科教育とはVol.2】
○理想的な情報の授業とは
前回,問題点を挙げてきたが,
https://note.com/ts2326/n/n67b64a287612
では理想的な情報の授業はどのようなものだろうか。
ここまでの流れで一番考えなければならないことは実習の扱いであるだろう。実習は内容の理解を深めるためのものである必要がある。
2パターン考えてみる。
1つは理科の実験のようなものが考えられる。教科書の内容を実際に体験し,目で見て理解を深める。情報の実習もそのようにできるのではないだろうか。たとえばアルゴリズムを考え実際にプログラムとして読み込まして実行する。などが考えられる。
2つ目はコンピュータがあることで便利なこと,コンピュータでしかできないことを体験する。モデル化とシミュレーションを例に挙げる。さまざまなシミュレーションを体験し,コンピュータの長所を存分に体験してもらう。また,この中でも統計的な内容も扱えば,数学科とも連携して進めることもできるのではないだろうか。
○理想的な情報の授業の実現のために
1,主体的な学びをさせるためには。
プレゼンテーションやレポート作成,グループ討議など様々な方法があるがこれらを実施するためには,生徒自身で考えることや,発言すること,話し合うことを普段から少しでも取り入れていく必要がある。授業の初めに1分間スピーチを行ったり,どんどん発問し考えさせたりなど,少しでも慣れる必要があるだろう。
2,計画の作成。
情報活用能力の育成には時間がかかる。もちろん情報科の授業だけでというのは難しい話である。授業計画の作成に当たっては,どのようなことを生徒に身につけさせたいのか,生徒の実態に応じた目標が必要である。そして,その目標を達成するための年間計画が必要だろう。またこの計画は4月の段階で完成ではない。実際に授業を行い,計画の評価・改善に努める必要がある。
3,理解するための実習。
前回,情報の授業はパソコン教室になってはいけないと述べてきた。しかし,情報科の授業で,実習は切り離すことはできない科目である。そこで,授業内では,実習を行うために必要な技術が修得できれば問題ないと考える。授業内で時間をかけてパソコン教室のような授業を行っても,タイピングについては,使用する機器によって使い勝手が多少変わってくる。またソフトウェアの使用方法なども,バージョンアップされる際に,仕様が変更されたり,新しいものが開発されたりする。今習得した技術が数年で使えないものになってしまうのだ。なので,私は,技術の修得よりも内容の理解をさせるほうが重要ではないかと考える。機器の使い方だけで1時間の授業を行うよりも,理解のための実習を1時間行ったほうが生徒のためになると考えることができる。
○情報科の授業を行う上で考えるべきこと
情報科はまだまだ発展途上にあり,授業内容も時代に合わせていく必要がある。今年使った教材が,来年使える保証はない。もしかしたら今日やった内容が明日には意味がなくなっているかもしれない。さまざまな社会の変化に対応しなければならない教科である。そのため,授業内容も評価・改善されていくべきである。
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