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481位:Belle and Sebastian 『If You’re Feeling Sinister』(1996)【解説文翻訳】ローリングストーン誌が選ぶ「歴代最高のアルバム」500選(2020年改訂版)

ローリングストーン誌が選ぶ「歴代最高のアルバム」500選 (2020年改訂版)

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481位:Belle and Sebastian 『If You’re Feeling Sinister』(Jeepster, 1996)

<ローリングストーン誌による解説>
 スコットランド出身のトゥイーポップ・アイコンであった彼らは本作でブレイクスルーを起こし、引きこもりによる自己憐憫の音楽において最高峰のサウンドを聴かせた。チャンバー・フォークの編曲においてこれに勝るものはなく、例えるなら、素晴らしいレコード棚と見込みのない片思いから抽出された自分のためだけの1杯の紅茶のようだ。けれども、“The Stars of Track and Field” や“Seeing Other People”を聴きながらウトウトしてしまってはいけない。Stuart Murdochによる少々辛辣な歌詞は彼らの思い沈んだような曲調に一味加えており、それが多くの模倣者たちと彼らを分かつものとなっている。
(翻訳:辻本秀太郎、 原文へはこちらから)
<ランキングに関するデータまとめ>
【2020年度版】
同アーティストのランクイン枚数:1枚(本作は上から1番目)
【2012年度版】※前回版との比較用
同アルバムの前回順位:掲載なし
同アーティストのランクイン枚数:掲載なし

<ちょっと一言>   
 Pitchforkが2013年にこのアルバムについての60分弱のドキュメンタリーを作っていたことは知らなかった。メンバーがアルバム制作時のことを振り返るインタビューなどを観ることができる。
 個人的にBelle and Sebastianはかなり思い入れのあるバンドで、ロンドンに留学していた20歳くらいの頃に彼らの出身地であるスコットランドのグラスゴーまで行き、オーケストラを率いた大編成での集大成的ライブ(「LIVE 2015」として音源化されている)を観た時のことは生涯における最も幸福な瞬間の一つだったと今でも振り返る。
 そういえば、その日ももちろん演奏されていた彼らの代表曲であり本作に収録されている名曲"Get Me Away Here I'm Dying"は、去年(2019年)彼らがリリースした「Days of the Bagnold Summer」(※同名映画のサウンドトラックという扱い)にて再録されている。2020年公開予定だったこの映画は日本でいつ観られるのだろうか。
 映画といえば、ボーカルのStuart Murdochは映画監督として「God Help The Girl」という映画を撮っている。これ何が良かったって、Hannah Murrayが演じていたヒロインの役名がCassieだったこと。イギリスの「Skins」という青春ドラマシリーズを観たことある人ならこれは皆ハッとしたはずで、というのも彼女は「Skins」でもCassieという役の女の子を演じていたのだ。もちろんただの偶然ではなかったと思う。「Skins」はイギリスの10代の光と闇を秀逸に描いた隠れた大名作だと思うのでイギリス文化に興味ある人には是非おすすめしたい作品。(辻本秀太郎)


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