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【要約】読書力 齋藤孝著

本を読むことの意味は何? 

案外答えにくいこの問いに、本書は「読書によって…の力がつく」という形で答えてくれる。
コミュニケーションの力、人間を理解する力、自分をつくり、鍛え、広げることと、読書との関わりを示す、読書の本質を考える1冊。

読書力とは何か?

私はこの本から『読書力』とは、以下の2つの力を合わせたものと、読み取った。

『本を読む力』

『読んだ本を知肉にする力』


本を読む力に才能はいらない

まずは本を読む力。
これは、読んだ本の蓄積で、鍛えることができる。
読書力に、才能はいらない。読み込む事で確実に読む力は身に付く。
私の実感でも、読書が習慣化してから、本を読むスピードと『ここが要点だろう』と当たりをつける力は上がっていると思う。

ではどのくらい本を読めば読書力があるといえるのか?
著者が考える読書蓄積の基準は、精神の緊張を伴う本(少しだけ難しい本)を、文庫100冊、新書50冊分、要約を言えるまで読むこと。
一瞬、なかなかの量に怯んだが
要約が言えれば、全文を読む必要はないということなのでここはホッとした。
それでも合わせて150冊の本を読むことは、なかなか大変だと思う。
現在、感想文を書けた本で30冊くらいの私はまだまだ読書力があるとは言えないようだ…


本を知肉にして強靭な自己を作る


次は、読んだ本を知肉にする力。
これを著者は、自己形成、つまり
『多様な知識や信念、考え方(複雑さ)を自分の心のなかに共存させることで自己を鍛える』
と、書いている。色々な知識を本で学びましょうということだ。

私はこの本から、本を知肉にすると
・頭が良くなる
・人間の器が大きくなる 
・コミュ力が上がる
の3つの効果があると読み取った。

まず、頭が良くなる理由から。
・単純に知らない知識を知ることは学びにつながる。
・積極的に学びに行く姿勢を育む
・語彙力を高めることで、思考力が上がる
・本を読んで発生した違和感を、あえて溜める事で学習に繋がる

特に最後の、発生した違和感をあえて溜めることを、著者は『「満足できるわからなさ」を味わう』と表現している。
『わからないならすぐググれ』じゃダメなのか?
私は、味わう、と書いてあるところがミソだと思う。
分からないことを調べるのは、もちろん良いことだと思う。けど、そこですぐスマホで調べるのではなく、自分で考えたり、本で探す『遠回り』をしてわからなさを味わうことで、本当に頭が良くなる。私はそう思った。


つぎに、人間の器が大きくなる理由。
・辛い体験談の本を読むことが、辛い経験を乗り越える力になる
・本に出てくる強烈な人物を頭に入れると人間の器が大きくなり、幅が広がる

辛いときにもっと辛い人の話を聞くと
『私はまだマシな方だな』と思って気持ちが楽になる経験は、私もある。
これを読書で体験できる。しかも、本に出てくる辛い体験談は、戦争や迫害の体験談など、劇薬も多い。
『私はまだマシ』の幅が広がる読書で、心の器を太平洋並みに大きくしたいと思った。


最後に、コミュニケーション力が上がるとは、
・会話の筋を通すことと、相手の話の要点を掴んで会話を広げる力がつく
これは、特に本を要約することで付く力だと思う。
その本で言いたいことを、短く分かりやすく切り取る力が付くことで、普段の会話でも話が脱線しづらくなる。相手も、自分の言いたいことをよく分かってくれるから嬉しくなる。
だからコミュ力が上がる。私はそう読み取った。

学生時代に言われた『本を読みなさい』

学生時代に、親や先生から、『本を読め』と言われた経験は誰もがあると思う。
しかし、『なぜ本を読まないといけないか?』の理由までちゃんと納得できるように諭された経験は、ない人も多いのではないかな。

私もその一人。
ただ本を読めと言われただけ。
その時、ここに書いた理由の中から一つでも説明してくれていたら、きっと私の読書力は今の倍以上になっていたはずだ。
そんな悔しい思いをする人が、一人でも減りますように。


私は『本を読め』を『この本を読んでから、本を読め』と言い換える事にした。



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