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攻めの副業より先に取り組む守り

確定申告の時期に見直す

 確定申告の締め切り間近となり、追い込みの方もいるかもしれない。この時期に年間の収支を把握するため、毎月の領収書を見直し、整理することになるだろう。これは確定申告が必要な人だけの話ではない。会社から給料を貰っている給与所得の方も年間の収支を見直す良い機会となる。

収入と支出を振り返る

 会社から給料を貰う方は年末調整により自分の収入がいくらなのかがわかる。しかし、支出に関してはどうだろうか。毎月の水道光熱費、通信費、家賃やローン、保険の支払いは年間でいくらになっているだろうか。変動費の食費、冠婚葬祭の急な出費、旅行に行ったなど、同じ一年間でも支出は同じとはならないだろう。しかし、インフレにより物価が高騰しているのは身近で感じることができた一年ではないだろうか。

賃金上昇は間に合うのか

 厚生労働省が発表する物価の変動を反映した実質賃金は2023年1月までで10カ月連続の減少となった。基本給や残業代などを合わせた働く人1人当たり現金給与は13カ月連続の上昇となっている。つまり、2022年の1年間のほとんどの月で現金給与の上昇以上に物価が高騰していることを示している。
 給与は増加傾向であるものの、物価の上昇に賃金が追い付いていない状況が続いているのだから、収入が増えたと喜んでもいられない。支出がさらに増えていることが予想できるのだ。
 さらに懸念されるのは、賃金上昇が続くとは限らないということ。企業が賃金引上げに答え続けられるかは不明である。そうなると実質賃金の減少幅はさらに拡大する可能性も考えられるのだ。 

個人の防御力を上昇させる

 企業に頼った賃金上昇は裏切られる可能性がある。では、個人に出来ることは何だろうか。別の収入を作るという副業は取り組むべきものだろう。物価の上昇と賃金の上昇の差額分を副業で稼ぐのだ。転職も良い方法だ。これから賃金上昇が続きそうな伸びる会社に転職できれば、物価上昇が気にならなくなるかもしれない。
 しかし、実際に目に見える形で物価が高騰し始めると、今から副業の準備を始めるなどと、悠長なことは言っていられない。転職も今から動き出そうとしていては結果が出るまでに時間がかかる。そうなると、まず現状をより改善できないかを検討する方が即効性は高い。つまり「支出の見直し」になるのだ。

貯金に取り組むマインド

 以前別の記事でも紹介した以下の式がある。
 
貯金=収入-支出
 
貯金が出来る人のお金の流れを説明するのに示した式になる。
 現状は賃金の上昇(収入増加)より物価の上昇(支出増加)が大きくなり、貯金が出来ない、もしくはすでに貯金を切り崩していることになりつつある。
 収入より支出が多ければどんどんお金が減っていくため、支出を減らさなければ常にお金が無い状態となる。即効性があり、個人で制御が可能なのは支出を減らすことであり、実質賃金の減少に対しての個人の防御力を上昇させることにつながる。

まず何をするか

 支出の見直しが必要なことはわかった。それでは何をするか。少しでも安い食材を探すか。スーパーの特売日に買いだめするか。固定費といわれるもののプランの見直しか。どれも検討の余地はあるだろう。
 しかし、まずは月単位でも実際に支出がどのくらい増えたのか見直すのはいかがだろう。増加分が大きいところが分かれば、見直す効果が高いところともいえる。ただの浪費が見つかるかもしれない。実は不必要な出費があるかもしれない。
 確定申告の時期ではあるが、もうすぐ年度末でもある。年間の支出がいくらになっているか、見直す良いタイミングだと思って、1年間を振り返ってみるのが最初に取り組むことかと思う。

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