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日本語を学ぶ、教える

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「日本語を教える・学ぶ」ことについて日々考えています。
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応援したい。それも、勝手に。

ボランティアで、日本語を教えるという生活を続けていて、去年と今年の環境の違いで、どうもモヤモヤとしているものがあった。 まだ、うまく言語化できないのだけれど、書いてみたい。 去年は、大学の正規の授業ではなく、課外アクティビティとして設置されたクラスの担当だった。生徒は、皆それぞれに専門の授業があったり、社会人は仕事があったり、そして高校生もいたなぁ。みな、それぞれ、忙しい中、夕方からの日本語クラスに週一回、いそいそと通ってくる。 日本語の勉強をする動機は、日本文化(伝統文

大事なことは、「How to say 」より「What to say」!!!

「どう言うか?」の前に、「何を言うか?」を最初に考えるべきだと教わったのは、そう、コピーライター時代のこと。就職活動の流れの中で、なんとなく、コピーライターという職種に収まり、コピーライターの仕事の本質なんてものも全く分かっていなかったその当時、宣伝会議のコピーライター養成講座に通っていた。その後、コピーライターとして開花することもなく、数年で広告業界から去っていくわけだけど、この「何を言うか?どう言うか?」というフレーズを思い出すことが、その後の人生でも度々あった。 そし

日本語教師が絶滅する日

AI(ディープラーニング)が発達して、言語の意味理解を出来るようになったら、自動翻訳が進んで、語学を勉強する必要がなくなるよね?だから、語学の学習者が激減するよね??そんでもって、日本語教師も要らなくなるよね???といった内容とともに、Youtubeの映像が送られてきた。 【SoftBank World 2016】での松尾豊氏の講演「 人工知能は人間を超えるか 」。 まず、Youtubeで語られている内容自体がめっちゃ面白かったーーーーー!!!ディープラーニング凄い!!!”

大声で言われたって、分からないものは分からない。

外国語を学習していて、そして、教えていてよくある場面。。。 教師が発した言葉に対して、学習者の反応が悪い場合に、ついつい、教師の声が大きくなってしまうということ。確かに、反応が悪い原因が、教師の声の大きさによるものだったら、それは、声量を変えれば良いだろう。 が、しかし。 学習者の反応が悪い原因って、ただ、言葉の意味が分からなくて混乱しているから、、、、、ってことが多いと思うのです。そんな時は、何度同じ言葉を繰り返し言っても、どれだけ大きな声で発しても、無駄。。。耳障り

「お邪魔する」「立ち寄る」といった婉曲表現にも表れている???日本人の自宅訪問への消極的な考え方。

つい先日の日本語授業で、「お邪魔する」「立ち寄る」といった表現が登場。どちらも、「(自宅を)訪問する。行く、来る。」の意味ですよーーー。という説明をしつつ、なんで、こんな婉曲表現をするのかなぁ、、、と気になった。 「今度家に行ってもいいですか?」「是非、家に来てください。」で、良いじゃない????? そんなことを考えながら思い出すのは、海外で自宅に招かれる時のこと。 私が経験があるのは、イギリス、ポーランド、ベルギー、ベトナムでのことだけれど、現地の人と少し仲良くなったら

日本語教育と”書道”の関係。

私が日本語を教えている対象は、いわば、趣味で日本語を学ぼうとする人たち。アニメやマンガ、ゲームがきっかけとなって、日本語に興味を持った人たちが大半です。 大学の日本学科や日本語専攻とは違って、オトナの教養として楽しく勉強できたら良いのかなーーーーーと思っているのは、確か。とはいえ、一応、”日本語”を教える場なので、教室で、”日本文化”紹介の時間に多くを割くのは、ちょっと違うのかなぁ、、、と思っております。 日本文化と日本語は密接な関係といえども、やはり、日本文化を教えるこ

"うれしますのあなたがたのたのしみました"

日本語クラスの学生とやりとりしているSlackのグループに、土曜日に〇〇しましたよ~!と投稿したところ、「うれしますのあなたがたのたのしみました」というコメントが付いて、目が点に。 言いたいことは分からなくはないけれど、どうやったら、こんな文章がでてくるんだ。。。。。 うれしいです、たのしいです、と授業で教えたはずなのに、、、、、涙。 きっとGoogle翻訳かけたんだろうな、、、、、と思って、逆翻訳かけたらどうなるんだろう、、、、と試してみた。 「うれしますのあなたが

入社の季節。。。新卒"一括"採用が良いかどうかは別として、”新卒採用”があることは良いことだ!!!

日本語クラスでの4月の話題として、日本の入学式、入社式を取り上げた。 日本の文化や事情についても知りたいというリクエストがあるので、本題の項目に入る前に、簡単な日本語を織り交ぜながら、時事的なトピックを話すことにしている。 「日本は花見の季節ですね~、ポーランドではイースターがありますね~」なんて話をしながら、入学式と入社式の話題に。 学校の節目ごとに入学式や卒業式があるのは、ポーランドでも同じ。 でも、、、、、入社式って、なかなかレアなんじゃないかな、、、それも数百

習慣って、癖って、こわい。(´・ω・`)

いま受け持っている日本語のクラスは、全部で3レベル。1年目、2年目、3年目以上~。 1年目は、わたしがイチから教えている生徒。2年目と3年目以上は、わたしが教える前から他の先生に習って日本語を学習している。 2年以上の方が、語彙だって、習った構文や文法だって、1年目よりも遥かに学習項目は多いはずなのに、、、、、スラッと日本語が出てこない。「週末は何をしましたか?どうでしたか?」という質問に対して、圧倒的に1年目の方がスラスラ答える。。。 1年目は、習ったばかりで嬉しいか

すみませんが、ちょっと…。(´・ω・`)

日本語教育において、「断りの表現」として出てくる「すみませんが、ちょっと…」。 使い勝手が良いと言えば、良いかもしれないけれど、日常生活において日本人が使っているかというと、どうなんだろうか? 語彙が増えてきた段階で、「すみませんが、ちょっと…。今日は、予定があります。」「すみませんが、ちょっと…。甘いものは好きじゃありません。」とかって、補足する言葉を添えることを教えたら、もっとナチュラルになるんですかねぇ。

忍者のTシャツはカッコイイ!!!

さて、唐突ですが、”忍者のTシャツ”と聞いて何を思い浮かべますか? 1.忍者が所有している/着ているTシャツ? 2.忍者のイラストがプリントされているTシャツ? 3.忍者が着ている(現代でいうTシャツのような)服のこと? 4.(ジャニーズの)忍者に関するTシャツ? まぁ、今の時代に3を思い浮かべる人は極まれでしょうが。。。笑 文脈によりますが、日本人または日本語に長けている人は、大抵は2を思い浮かべると思うのです、大抵は。。。が、しかし、日本語の授業をしていて新た

Puddingは、プリンです!!!(・∀・)

形容詞を教えるのに、イラストを使って教材作成。 かたい=Hard、やわらかい=Softと淡々と口頭で教えていってもいいのだけれど、ビジュアル付きの方が分かりやすいに違いない、というのが私のやり方。分かりやすいし、覚えやすいと思うのです。 まぁ、記憶の仕方は、人によってタイプがそれぞれだとは言いますが。。。 絵を見せながらだと、たいてい、生徒の方から意味を英語で言ってくれる。読み方も自分で読んでくれるし、意味も想像して理解する。授業でのわたしの役割は、生徒の理解が合ってる

90分の時間を、どう振り分けるがよいのか。効率よく日本語を教えるには、どーしたらよいのか。

日本語の基本的な"文法の説明"を知るのは、自分で本を読めばよい。出来れば家で読んできてもらうのが良いのかなぁ。 その文法が使える場面を理解するには、複数の用例に触れたり、丁寧な状況説明があったり、その場面を示す写真や映像があると、アタマに入りやすい。これは、本で文字を追っていても理解するには限界があるので、教室での活動が最も有効になるところだろうし、教師が最も活躍できる場じゃないかなぁ、と考えている。 そして、「あぁ、なるほど、わかったぞ!腹落ちしたぞ!」の後、何かを覚え

どこの誰に、どの立場で、何を語り掛けるのか。全国放送で”赤坂”と言われたってどこのことか分からないし、海外在住の人に日本でしか手に入らない紙の本をすすめたって響かない。

ふと思い出した話。 社会人3年目までは、東京ではない街に住んでいた。全国放送に出てくる東京の街の名前に、どこだそれは?と良く思っていた。レストランやデパートだって、遠い街の話で興味がわかない。けど、テレビの向こう側からは、一生懸命に語り掛けてくる。 テレビは、たぶん、まだマシだった。ローカル放送をみていれば、地域の馴染みある街が出てきて、知っているビルが映し出される。 雑誌はどうだ。めくってもめくっても、近所のお店では買えない商品が並び、東京にしかないお店の紹介は続く。