半生の反省


「一発ギャグやってよ」

彼は私にそう言った。

会社の忘年会のことだった。

課長はいつもこういう無茶ぶりをする。


「・・・・・・はあ。分かりました、、」

すっくと私は立ち上がり、社員の皆が座敷から私を一斉に見上げる。


「えー、一発ギャグ。『初戦で負けても一応慰めてくれるダイワスカーレット』」

ゴホンッ


「『悪くなかったわ~~~~~~、・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ありがとねえ~~~~~~~~~~~~・・・・・』・・・・・・・」


・・・・・・・・・

scene(シーン)・・・


課長「・・・はいっつまんない~。きみ3ヶ月減俸ね^^((笑))」

\℃ッ/


私は人間ができているため、「たはは・・・」という顔で座った。

以前の自分ならダシにつかわれたことを憎み、この場の人間を喰い散らかしていただろう。


課長の逆隣りの女が話しかけてくる。「災難だったね、西くん」

「まあ、逆に良かったよ俺で。」

もし斜め前の席の東田に振られてたら、会話が行き詰って地獄みたいになっていただろう。

さて、今回私が忘年会に参加した目的はこの隣の女だ。

名前は北野。

香水がやや塩素臭い以外は、目鼻立ちも整っており外見が良い。

眉毛がくっきりしているので初対面はややきつい印象を受けたが、話してみるととても気配りができる。

北野「でも珍しいよね~西くんが飲み会来るなんてさ、うれしいよ!」

お前を食べる為さ。

「ああ、まあたまにはね。杯が枯れてるじゃん、のみなよ」

こいつを酔わせなきゃ来た意味がない。


───2時間後

1次会が終わった。

東田が時計をチラチラ見ている。

私も行かなければ。

課長「おい西、カラオケ行くぞ」

「あーすみません、北野さんがつぶれているのでちょっと送ります」

課長「そうか、早く来いよ」

はい。

女を抱え、私はホテルに入った。

女をベッドに転がし、私は注射器を取り出す。

中身は空だ。

女の腕に刺し、血を抜き取る。

よし。

これで完璧だ。

この遺伝子情報を元に、私は女の子になるんだ。


北野「(いや、犯さないんかいっ)」


バンッ!!


!?

扉が開いた

東田「おい何してる!」

東田!?


なぜ!?

東田「北野さんの寝込みを襲うなんて下劣な奴だ!絶対許さない!」

こいつ、そういえば北野に気があったんだったな


「おい、よく見ろ。おれは別に何もしてないぞ。介抱していただけだ。」

「嘘を付け!襲うつもりだったろ!」

「いや、服も脱がせていないし・・・北野もちゃんと寝てるじゃないか。確かめてみろよ。」

東田が北野をまじまじと確かめる。

その隙に注射器をバッグにしまった。

「な?何もされた形跡ないだろ。何ならお前がここから面倒見てもいいぜ。俺は帰るからさ。」

「なっ・・・!!」

やっぱり気があるようだ。こいつにチャンスをやろう。

さてと、帰るか。

じゃあな・・・

扉に手を掛ける。


「おい!!やっぱり待て!北野さんの腕から血が出てるぞ!!」


げっ、急いで隠したから止血が中途半端だったか・・・

「知らねーよ!!!酔って転んだんだろ、いいから添い寝するなり足の匂い嗅ぐなり勝手にしろ!!!!!!」

「なっ・・・!」

バタン!

危ない。力技で押し切った。

もうここには用はない。帰ろう・・・・


・・・・・・・・


東田「・・・フウウウ、、、北野さん、、、」

北野「〇ねっ!!!」ガッ!!

東田の顔面にトーキックが炸裂した。


北野「なんでお前やねんカス!」

東田は顔面を陥没させ、気絶した。

良かったな東田、足の匂い嗅げて。


(おしまい)


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