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【活動報告】なぜ、移動中の電車の音だけを放送するラジオに生徒が食いつくのか?

こんにちは。スタッフの山本です。

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私は本業では普段電車通勤をしています。たま~に、電車が遅れるなどして上の写真のようにとんでもないことになる日もありますが、職業柄遠方に住んでいるほうがなにかと好都合なので、仕方のないことだと受け入れながら毎日通勤しています。

不登校の子どもたちの中には、周囲の目を気にしすぎるがあまり外に出ない、出たくない、と閉じこもってしまうケースが多々あります。それは、もしかしたらオンラインフリースクールにいる子どもたちもそうかもしれない。そんなことを思って、「一言も喋らずに移動中の音だけを流すラジオ」というものをオンラインフリースクールで企画しました。

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やることは至って簡単で、

・電車に乗る前、マイクオンにしてDiscordの「ラジオ」にログインする
・電車に乗る
・電車を降りて、「ラジオ」からログアウトして放送終了
・その間、感染防止・マナーの観点で、一言もしゃべらない

これだけです。たぶん、数多あるオンラインフリースクールの企画の中で一番やることなくて、かんたんで、誰でもできるものだと思います。

「移動中の音だけ」というのは、たとえば駅や車内の放送だったり、電車がガタンゴトンと音を立てながら走っている環境音です。それをバックに自分がなにか喋るとか、そういうことは一切していません(ほかの利用者にも迷惑ですし)。なんならマイクオンにして配信して電車に乗り込み、そのまま数駅ほど寝てしまったことさえあります。

それくらい「何もやっていない」この企画ですが、どういうわけかウケているのです。

実は、このラジオがなぜウケるのか、誰もよくわかっていませんでした。スタッフ向けに共有する報告書でも「で、これは何をやってたの?」と聞かれたので「これ以上書きようがないです」と返すと、「不思議だな~」と誰もが首を傾げました。実際、このラジオでやってることは先述のように100文字程度で完結しますし、なんならパーソナリティが放送中に堂々と寝る(!)こともあるわけです。

では、そんなゆる~~~~~いラジオが、なぜウケているのか。

どうやらこの「音だけを流す」ことが、思った以上に「外に出ている」という気分になれるようなのです。たしかに自分もなにか作業をするのに環境音を必要とするとき、YouTubeで電車が走っている音を探し出してそれを流していることがよくあります。

iPhoneのマイクの性能もなかなかよく、車内で流れる「まもなく新大阪」という放送も拾うので、そこからチャットで大阪に行きたいとか、今どのへんにいるのか、という話が盛り上がっています。電車好きのある生徒は、こうした放送から判断して「○○駅を通過したくらいかな」と配信している電車の現在位置を当てにいったりしています(だいたい正解している)。

ひとくちに「電車移動中の音を流す」というコンテンツでも、三者三様の面白がり方をしているのが非常に興味深い、と思いました。

ちなみにこのラジオに感化されてか、その後もほかのスタッフが同じように電車移動中の音だけを流すラジオを配信している様子を目撃しています。いずれ、全国各地にスタッフや生徒がいて、毎日誰かがどこかしらから移動中の音だけを流すラジオを配信できれば、毎日いろんな場所を巡るなんてこともできるな~と夢想しています。

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