売り上げ5倍! 愛媛県事業者の新たなPRモデルの形成と確立【楽天グループ株式会社】
1億IDを超える楽天グループ会員基盤を持つ「楽天グループ」と、地域からの信頼や情報収集力を持つ「南海放送」、そして、ECを通じた一歩先の新たな顧客体験を提供する「LivePark」が協力して進める当プロジェクト。2022年12月15日と16日の2日間に渡り、南海放送のフロア1階にてライブショッピング(ライブコマース)を開催し、県内事業者の「稼ぐ力」を向上させる三位一体のソリューションを提供した。
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プロジェクトの推進体制
この実装プロジェクトは、楽天グループを実装プロジェクトリーダーとし、実装プロジェクトパートナーに南海放送、実装プロジェクトメンバーとしてLiveParkが参加。楽天グループはプロジェクト管理・媒体キャンペーン制作・EC事業者の連携調整・データ集計などを担当。また、南海放送は、愛媛県コンテンツの企画・制作、LiveParkは全体ディレクション・ライブ企画の配信などを担当した。
今回の実装の流れは、以下の通りである。
まずは、ライブコマースの実施により、視聴者へ親近感や衝動的なEC購入を訴求、ライブコマースの画面上にクーポンなども載せつつ、ECサイトでのオンラインショッピングに誘導する。そして、後日開催の県内事業者向け勉強会を開催。ライブコマースのノウハウを参加した事業者に提供し、ECでの新たな販売手法を身につけるとともに、県内事業者が、新たな販売手法をもとに売り上げの促進や自立自走へとつなげるという流れで実行した。
このプロジェクトには、参加した事業者が、参加によって得た知見を他の県内事業者へ共有することで、事業者のモチベーションアップと自走につなげるという狙いもある。オンライン勉強会の開催により、同ジャンル同士や事業のジャンルを超えた事業者間でのノウハウ伝授の機会創出も視野に入れての内容だ。
集客のでは、楽天市場「愛媛百貨店」及び「聞き上手グランプリ」での告知・楽天スーパーポイントスクリーンへのアップなどを実施。また、南海放送では夕方のニュースで取り上げたり、TV・ラジオ・HPでの告知等を実施した。
ライブショッピングの当日の様子と事業者・視聴者の反応
2022年12月15日と16日の2日間。南海放送(RNB)フロア1階でライブショッピング(ライブコマース)を開催。楽天市場「愛媛百貨店」に参画している8事業者(食品6事業者・非食品2事業者)が、それぞれ自社商品を1点ずつPRした。
<参加事業者>
・土居真珠
・ユナイテッドシルク
・食品青果つちやま
・一柳
・丸栄タオル
・水口酒造
・安岡蒲鉾店
・愛媛県漁業協同組合
ライブコマース終了後、登壇事業者には個別でアンケートを実施した。「ライブコマースについて知っていましたか?」という質問には、「知っていたが見たことはなかった」62.5%、「知らなかった」25.0%、「知っていて見たこともあった」12.5%という回答結果となった。また、「ライブコマース出演経験はありましたか」という問いには、「出演経験なし」87.5%、「出演経験あり」12.5%となった。その他、以下の質問に関しては、前向きな回答や、今後検討すべきことなど様々な意見が寄せられた。
Q.本企画を通して、今後も自社でライブコマースを活用したいと思いましたか?
・実際に出演してみて良いと感じた。ただ、自社単独で行う場合はできるかが不安。
・自社独自では集客力・コスト面でなかなか難しいと思うが、複数社との合同であれば実施してみたい。既存商品というよりは、限定品やこだわりの詰まった新商品などの発表の場として効果的に買うようする方が良いと感じた。
Q.ライブコマースの実施を他事業者様にも勧めたいと思いますか?
・それぞれの商品には、それぞれ色々なストーリーが詰まっていると思うため、それを効果的に多くの方・既存の顧客ではない層に届ける手段としてはとても良いと思う。一方で、ある程度しっかりとしたストーリーコンセプトがないと(話が得意な方を除けば)難しいとも思う。
・リアルタイムに情報を発信でき、また視聴者との相互のコミュニケーションを取ることもできるため、これからの時代の新たな販促手段だと思った。
Q.ライブコマースへ出演して、難しかった点や改善すべきと思った点を教えてください。
・より魅力的な商品としてお伝えするには、会場を実際の工場内で行うなど、よりライブ感を出す方が良いと感じた。
・画面越しだと視聴者の温度感がわからないことが難しかった。
・自分自身の改善点が多い。見逃し配信をみると、MCの話に相槌を打つ自分の声が邪魔だと思った。リアルのコミュニケーションとは違うことが求められるのだなと感じた。話し方、服装など、自分の魅せ方を練習したいし教えていただきたいと思った。
Q.ライブコマースに出演して、良かった点を教えてください。
・実際の購買に繋げるというより、認知度の向上や製造側としての想い等を伝える場としては、リアルの場に次いで効果的であると感じた。視聴者数が多く、普段は接点が無いような層にも伝えられ、周知できたことはとてもよかった。
・相互のコミュニケーションが取れたこと。視聴者に拡散し、認知を広められたこと。複数事業者がまとまって一度に配信することで、楽し気な雰囲気で実施でき、また面白い演出もできたこと。
ライブ配信の視聴者は、1日目298,619人、2日目299,430人で、2日間での視聴者数は累計59万人となった。ライブ配信で対象とした商品の販売件数は、382%増、売り上げは534%増という結果となった。また登壇事業者の全体売り上げも112.2%増となった(対象期間2022年12月15日~12月31日)。ライブ配信1分あたりの視聴者数は、ライブ配信開始後5~10分の間にピークを迎えたが、両日とも配信終了時刻まで高い水準で推移したことがわかる。子育て世代でもある30~40代の女性視聴者が全体の32.4%を占めた。ライブ配信中には、登壇者をダイレクトに応援するものや、紹介された商品に関する質問、視聴者の率直な気持ちや状況など、両日累計で692件のコメントが寄せられた。
新たな自走スキームの形成と確立に向けて
2日間のライブコマースの実践を踏まえ、2023年1月20日には、県内事業者向けの勉強会を開催。南海放送が放送局の視点でライブコマースのノウハウを事業者に提供し、ECでの新たな販売手法を身につけることを目的に行ったこの勉強会には、複数の県内事業者が参加した。
楽天グループ・南海放送・LiveParkが三位一体となり進めた今回のプロジェクト。実際にライブコマースに参加した8社の県内事業者は、対象期間中の売り上げがアップした。参画事業者へのアンケートを通じて判明した、自立自走に向けての課題はいくつかあるものの、県産品の認知拡大に向けた新たなPRモデルとして、販売手法の選択肢が確実に一つ増えたことは確かである。今後も、事業者がオンライン上での売り上げ促進において自走できるPRモデルの確立を目指す。
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