「シェアオーナー制」という一次産業の新たなカタチで、ファンを増やし収益化!【EXest株式会社】
私たちの生活を支えている一次産業は、少子高齢化による後継者不足や、収益の不安定さ、規格外品の廃棄による食品ロスなど、様々な課題を抱えている。それらの課題を、「シェアオーナー制度」という切り口で収益化する、新たなプロジェクトに今注目が集まっている。
地方経済の重要な担い手!一次産業の多種多様な課題をDXで解決
地方経済を支える一次産業が現状抱えている課題は下記の通り。
●キャッシュフロー、収穫高依存による収益の不安定さ。コモディティ化による価格競争などの経済的不安
●高齢化や就業人口の減少、後継者問題
●規格外生産物の安価な流通による値崩れ問題やブランド毀損による正規品への影響
これは農業、林業、漁業どの分野でも共通する課題と言える。
さらには、数年に渡る新型コロナウイルスの影響により、飲食店などでのまとまった需要が減少するなどして、売上が減少した生産者も増加。
この課題に対して、地方創生事業に取り組む「EXest株式会社」が、新たなビジネスを生み出した。
シェアオーナー制度「Pocket Owners」でファンを獲得!(チャレンジャー:EXest株式会社)
今回のチャレンジャーは観光客のマッチングサイト「WOW U」や、日本全国のテレビ局が持つ観光素材を活用できるプラットフォーム「DOGADOZO」などを運用する「EXest株式会社」。同社はインバウンドによる地方活性化・ガイド産業の確立、観光資源の可視化をミッションとし、人と人の繋がりを作ることで地方の魅力を発信する、地方創生事業に取り組んでいる。
愛媛県で実装するのは、自宅に居ながら全国の生産者と繋がることができるシェアオーナー制度のプラットフォーム「Pocket Owners」。2022年から、全国の自治体と連携がスタートし、既に全国各地の生産者が参加。現在参加している生産者は174名、オーナーは3,400名※にも及ぶ。
※2023年2月末時点
これだけ多くの生産者が参加している理由は、「Pocket Owners」がネットの初心者でも参加しやすい仕組みになっているからだ。
【Pocket Ownersの特長】
●初期導入コスト0円
シェアオーナー制度に興味のある生産者であれば誰でも参加可能! オーナー特典の設計やオーナー募集はPocket Ownersメンバーがサポート。
●JAやテレビ局が入力代行可能なシステム
生産者の中には「ITが得意ではない」「本業が忙しく対応が難しい」という人も。そんな人のためにJAやテレビ局、ライターなどが入力代行できるシステムを用意。
●オーナーになりたい人を集める仕掛け作り
特典を知ってもらうために、オーナー募集もPocket Ownersで実施。田村淳さんとの「いき物語」(各地方の生産者の魅力を伝えるオンライン番組)での取り上げや、地方テレビ局によるテレビCMを活用したオーナー募集も行う。
●オーナーが増えても安心、配送管理もシステム上で可能!
オーナーが増えた場合、オーナー特典で生産物を送ることに負担を感じる人も。負担を最大限減らせるようにヤマト運輸の産直配送管理システムとも連携。
●オーナー同士のコミュニティを活性化させるメタバース
メタバースを活用し、生産者とオーナー、オーナー同士のコミュニティを活性化。
このように、誰でも参加しやすい仕組みと、オーナー募集の工夫によって、なんと、付加価値が約1.7倍になった実績を持つ。
愛媛県でこのシェアオーナー制度を実施することで下記の効果があると同社は考えている。
●プロセスを発信することで、さらなるファンを獲得!
⇒シェアオーナー制度を導入し、プロセスエコノミーで消費者をファン化することで、キャッシュフローや収益改善を目指す
●一次産業従事者のやりがい、モチベーションを構築する
⇒フローである消費者ではなく、ストックであるオーナーを増やす
●シェアオーナーによる規格外生産物を活用した商品開発プロジェクトを展開
⇒付加価値をつけて生産者自身が経済効果を得る
既に愛媛県西予市宇和町の米農家「田力本願株式会社」が参加しており、オリジナルブランド米「田力米」や愛媛県のブランド米「ひめの凜」シェアオーナーを募集。全部で73名のオーナーやプロジェクト参加者が集まった。
規格外の商品に新たな価値を生み出す六次産業化
さらに、本プロジェクトでは生産の過程で出てしまった規格外品を別の形で価値のあるものにする、六次産業化も目指している。
「田力本願株式会社」の場合、砕けてしまった規格外のお米、「小米(こごめ)」を使った商品開発を行う。
オーナーと生産者が交流できるリアルイベントも開催!(実装フィールド:西予市)
2022年12月、「田力本願株式会社」のシェアオーナーを集め、「田力祭」と題し、脱穀・もみすり・精米体験やBBQパーティー、さらには小米を活用した新たな商品開発のための企画会議も実施された。
「田力本願株式会社」の中野社長から、田力米についての説明や生産方法などの説明があり、イベントに参加したオーナーたちは、直接話を聞いて、自らが体験したり、炊きたてのお米を食べたりすることでより素晴らしさを実感できたようだ。
このように、生産者が「Pocket Owners」を活用することで、愛媛県内だけではなく、日本中、そして世界中にファンを作ることができる。トライアングルエヒメ編集部は引き続き、シェアオーナー制度により、愛媛の一次産業に新たな価値を生み出し、“稼げる農業”実現を目指す本プロジェクトを追いかける。
■公式ホームページ
https://dx-ehime.jp/
\SNSもやっています/
■Instagram
https://www.instagram.com/tryangle_ehime/
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