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アルバルク東京選手紹介(第8回)#8 吉井裕鷹 『注目』

シリーズ説明

・B.LEAGUE 2023‐24シーズン、アルバルク東京の選手について一人ずつ紹介と解説、期待していることを載せていく。
・筆者の知識はミニバスのアシスタントコーチまで。そのため技術について書くのは限界がある。
・誤解が生まれないよう徹するが、あくまで筆者が思う選手についての紹介なので、オタクがなんか言っていると軽い気持ちで読んで欲しい。

選手紹介順

#3   テーブス海
#0   橋本竜馬
#25  福澤晃平
#1   岡本飛竜
#75  小酒部泰暉
#9   安藤周人
#23  レオナルド・メインデル
#8   吉井裕鷹(今回)
#22  ライアン・ロシター
#11  セバスチャン・サイズ
#21  平岩玄
#77  アルトゥーラス・グダティス
#10  ザック・バランスキー(C)
#おまけ選手α
#おまけ選手β
#可能ならスタッフ、チア、ルーク。


注目スタッツ

スタッツ(略)/数値
平均得点(PPG)/3.1
FG/35.3%
2FG/43.4%
3FG/28.7%
フリースロー(FT)/57.7%

https://www.bleague.jp/stats/?year=2022&tab=1&target=player-b1&value=FOULAV&o=desc&e=2&dt=avg

成績詳細|B.LEAGUE(Bリーグ)公式サイトより

アルバルク東京にとっての吉井裕鷹

言わずもがな、吉井裕鷹はパリ五輪出場を決めた男子バスケ日本代表選手だ。この1年弱でロスターに定着し、しっかりと出場時間を得たうえで、NBA級の選手に対して持ち味であるハードなDFで対抗してみせた。
このオフは期間は短いながらも貴重な経験を積み重ねてきた。自信をもって今シーズンに挑み、持ち味であるDFでA東京の原動力となって欲しい。
…が、Bリーグでの出場時間は多くない。その為にSNSではA東京に対して否定的なコメントが流れるが、その背景についても今回は説明したい。

長所『フィジカル×精神=DF』

(A東京の)SFのタイプは主に二つ。まずは馬場雄大、桜井良太などのフットワークが軽い『速攻』タイプ。もしくは菊地祥平、須田侑太郎、松井啓十郎などのフットワークが重めの『3&D』タイプだ。
持ち前のフィジカルと3Pを多投する日本代表に選ばれたことを考えると、吉井裕鷹は恐らくは後者だ。特に強靭なフィジカルは国内選手でも群を抜いている。外国籍選手にも当たり負けせず、ゴール下でも容赦無くプレスをかけて来る。代表試合で容赦なくブロックに飛べる精神も、ハードなDFを生み出す追い風となる要素だ。

短所

①確率

3&Dタイプだとするならば3Pの確率が低い。ダイブするタイプならばゴール下でのシュート回数が少ない(1試合平均1.5回)。チームOFとしての指示を守っている部分は無視は出来ないが、現状では彼単体でOFのマイナス要素を抱えている。
しかし、個人的にはこの部分は大きな問題ではない。彼の代表選出とHCの2年目での戦術変更を考えれば、おのずとチームを通して全体的な改善は行われるはずだ。彼のセットの増加から、試投数が増えて、それでもシュート確率が上がらなければ、その時に見つめ直すのでもよい。A東京には得点を稼げる選手が多いのだ。非情だが今シーズンのみチームが勝つことだけを見れば、彼が点を取らずとも勝てる。(今シーズンのみなのは、最悪来シーズンはプレイタイムを求めて移籍する可能性があるため)

②OF=マニュアル

ド力と言えば、こちらがOFで最大のウィークポイント。彼の出場時間が短い原因だ。
彼はHCの指示を忠実に守る。OF(DF含め)では定位置で待ち、シチュエーションごとに自分の仕事を遂行する。
しかし、支持を忠実に守ることが彼の成長の阻害にもなっている。代表戦のOF、彼が45度で待機する状況がいくつかあった。DFを釣るためか、もしくは3Pのためか、HCの真意は確かめられない。
だが、その位置で待機しているため、河村、冨樫、富永などのパスワーク/スクリーンの妨げにもなっていた。また、パスを受けた際にペネトレイトの位置が空いていても攻めない。そもそも遠くに位置していてOFに参加していない。……等々、「指示なのは分かるけど勿体ない」というのが多い。正直、OF中の彼はHCの求める答えを探すのに時間が掛かり、プレイの速さに着いていけてないように思えた。

起点を潰す前に自分で判断して移動する。
パスを貰って展開を長考しない。
チャンスがあれば攻める。
HCの指示は分かるが、折角のフィジカルを活かして欲しい。(これはHC宛の意見味が強め)

③DFファウル

DFファウルが多い。OFはマニュアル的なのにDFになると無茶をするのは、OFでボールに触れないフラストレーションなのだろうか。感情がプレイに出過ぎている。
1:自分だけで相手を潰す必要はない。シュートが入らなければDFの勝ちだ。複数人で囲ってシュートを落とさせることが優先である。
2:相手はSF/PFの選手だ。Gではないので無理にスティールを狙う必要はない。誰かのカバーでスティールを狙うので十分だ。
3:真っすぐ立って、真っすぐ飛ぶ。基本を行えていた彼は常にグレートディフェンダーだった。

『注目』

日本代表で活躍したことで彼を取り巻く環境は大きく変わった。そして今シーズンでのA東京でも彼の立ち位置は変わってくる。相手からのスカウティングは厳しくなり、レオナルド・メインデルの加入はポジション争いの激化に繋がる。周りからの期待は重圧にもなるし、否応なしにコート外の仕事が増えて試合外の疲労が溜まる。
注目されるからこそ、強豪チームだからこその逆境は多いが、それでも代表で活躍した彼にチャンスを与えないとは考えられない。少ないチャンスでも確実にモノにしていく。代表戦でパリ五輪出場を決めたように、成果を出して自分も立ち位置を確率してほしい。 

次回

次回は「#22 ライアン・ロシター」選手の紹介です。


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