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奢り奢られ論争について考える

旧Twitterなどで定期的に勃発するのが、『奢り奢られ論争』。
女性側の「男性が奢るのは当たり前だ」という意見と、男性側の「女性が当たり前に奢られようとするのはおかしい」という意見が真っ向から対立するアレです。

結婚というのはこれから先ずっと一緒に暮らし、家族になる、ということですから、お金の価値観が合致している、というのはとても大事なことです。
それなら“男性は女性に奢るべき”と思っている女性と“男性が女性に奢るのは当然”と思っている男性がマッチングすれば上手くいくか、というと実はそうではありません。むしろ、結婚を意識するなら、出会ったばかりのデートで奢り奢られに関してあーだこーだと考えるのは時間の無駄と言ってもいいかもしれません。

今回はそのあたりについて書きたいと思います。

「男性は奢るべき」と思っている女性に言いたいこと

男性の中には、「最初のデートくらいカッコよく全額支払いたい」と思っている方もいれば、「今の時代、男性女性平等に割り勘にすべきだ」と思う方もいるでしょう。
そして、「男性が奢るのなんて、当たり前だろ!」と、初回だけでなくそもそもの価値観として「男性が払うべき」と考える男性もいます。
「男性に奢ってほしい(もしくは、それが当然だ)」と思っている女性なら、初回どころか毎回当たり前に支払ってくれる男性に心動かされるのではないでしょうか。

しかし、“婚活”とは、“結婚”する相手を見つけるための活動。つまり、デートをする相手は結婚するかもしれない相手です。
結婚すれば、結婚後に築いた資産は基本的には共有財産となります。
何が問題かと言うと、「女性の分も払うのは当たり前」と思っている人の中には、女性のみならず、後輩や部下、友人にもプライベートで奢りがちな『奢るという行為が好き』という人もいるということです。

いざ結婚して二人の将来のためにお金を貯めよう、となったとき、旦那さんが“奢りたがり”だった場合、付き合っていたときの気前の良さを後悔することになるかもしれないのです。

もちろん、「この女性と付き合いたいから、素敵な女性だから、心からの気持ちとしてお金を払いたい」という人もいますので、毎回奢ってくれるからと言って誰にでも奢りたがるタイプとも限りません。

つまり付き合う前のデートで“奢ってくれたか、くれなかったか”はあまり考えすぎなくていいということです。


自分の分も払う女性に好感を抱く男性に言いたいこと

ネットなどを見ていると、自分の分をきちんと支払う女性に対して「なんていい子なんだ」と好感を抱く男性が多いように思います。
女性が自分の分を払うか払わない(払うそぶりを見せない)かによって、女性が結婚するにふさわしい人格の持ち主かを敢えて試している、なんて話も耳にします。
そして、「自分の分をきちんと支払うなんて、それだけ今後の関係も真剣に考えているに違いない」と極端なことまで考えてしまう人もいるようです。

しかし、私の友人にもいるのですが、“奢られたい”女性がいるように、“奢られたくない”という女性もいます。支配欲を感じてしまう、社会人として誰とでも対等でいたい、などの理由で、奢られることが苦手、なんだか嫌悪感を抱いてしまうという人もいるのです。
また、私も過去に経験があるのですが、『この人とはもう関わりたくない』という場合、奢ってもらうとお断りしにくい、もう二度と会わない人に借りはつくりたくない、という気持ちから何がなんでも自分の分はきっちり払う、ということはよくあります。
「これから長く関係を築きたいから、無理のないよう支払いは平等にしたい」という女性もいれば、「もう関わりたくないからきっちり支払いたい」という女性もいる。
つまりこの場合もやはり、付き合う前のデートで女性が自分の分を払ったことで相手の好感度を測るというのはむずかしく、深く考えるのは無意味、ということになるのです。

じゃあ一体どうすればいいのか

結婚生活を送るにあたって大事にしたいお金の価値観については、付き合ってから話し合ったりすり合わせたりすればいいと思いますが、では付き合う前のデートでは結局奢るべきなのか、割り勘すべきなのか。

結婚相談所で「男性側が支払う」というルールがもともと決まっていたり、アプリで男性側が「男性がすべて払う」にチェックしている場合には、女性は男性に素直に支払っていただいて問題ないと思います。
「ありがとうございます」と丁寧にお礼を言うのはもちろん、支払ってもらうことを見越して簡単なお返しを準備するのもいいかもしれません。

それ以外の場合は、男性はとにかく「初回はお支払いする」というのがスマートだと思います。
そして女性も、財布を出したり「払います」と割り勘を申し出るのはある意味マナーの一つです。

ただ、むずかしいのはここからですよね。女性は本心では「ほんとは奢ってほしいけど・・・」と思っている人もいるからです。
ですので、男性はもう一声、「いえ、楽しかったので支払わせてください」と粘ってみてください。
もう一度支払う意志を見せてそれでも女性に「払います」と言われたら、引いてもいいと思います。ですので女性は奢られることに抵抗がなければ、「そうですか?では次は私も支払わせてくださいね」と素直にお任せしてくださいね。
男性は支払う気があれば、女性がトイレなどで席をはずしている間に支払っておくとさらにスマートですが、慣れていないとタイミングが難しかったりするので無理はせず。そして、お店では全額払っておいて、お店を出てから「〇円ください」と言うのは本当に印象が悪いので絶対にしないように!

さて、これらはあくまで、「また会いたい」と思った人に対してです。会ってみて「これはないな」という人であれば、お互いに自分の分だけ払う、でいいです。そのとき印象が悪くても、もう二度と会わない人なので。
どちらかが好印象でどちらかはもう会いたくない、と思っている場合は、会いたくないと思っている側が何が何でも頑なに自分の分はきっちり支払うのがいいかと思います。

なので、男性は
①また会いたい場合は全額支払う、2回以上女性から割り勘を主張されたら素直に割り勘にする
②もう会わなくていい場合は割り勘にする

女性は
①「払います」と言われたら一度は支払う意志を見せてその後は相手の判断に委ねる。「割り勘にしましょう」と言われれば素直に従う。
②もう会わなくていい場合は割り勘にする

を頭に入れておけば、初回のデートで奢り奢られについてもやもやすることはないのではないでしょうか。

二回目以降は、今後二人の関係をどう築いていきたいのか、そしてお互いのお金の価値観によって、少しずつすり合わせていけばいいと思います。

ちなみに。
ここからは余談です。
たまにネットなどで女性が「奢ってくれなかったくせに『また会いたいです』って言われた!信じられない!」と愚痴っているのを見ることがあります。

もちろん根っからケチくさい人はいて、まったく払う気はないけれど今後もいい関係を続けたいと思う男性はいます。
ただ、上でも言ったように、一度男性が支払う意志を見せたあと、形だけでも財布を出したりといった“私も支払いますアピール”をしたのであれば、男性が割り勘を求めてきても責めることはできないと思います。
それはケチなわけではなく、「そう言ってくれるのならその気持ちを汲もう」と、ただ素直に受け止めているだけの可能性があるからです。

本音と建て前やデートに不慣れかどうかなどにより、支払いの対応は様々。それは決してその人の“人となり”に起因するとは限らないので、初回デートで奢ってくれなかったというだけで、もう会わないと決めてしまうのはもったいない!と思い、この記事を書くことにしました。
奢り奢られ論争に発展するくらい誰もがもやもやすることもあるとは思いますが、「付き合う前に奢り奢られについてあーだこーだ考えるなんてばかばかしい」というスタンスで婚活に臨めば、少しだけ成功率は上がるのではないかと思っています。


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