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ファシリテーターの準備<その1>「自分の状態」についての準備ができていますか?

ファシリテーターの準備とは?

仕込み?段取り?予習?ツールの用意?・・・

いろんな準備がありますが、第一は

「自分の状態」についての準備ができているか。

アジェンダやプロセスメイキング、参加者の把握等々の「外側」の準備も大切ですが、ファシリテーターである自分の内側、つまり

自分のマインドは整っているか = 状態(being)の準備 

が必要です。

これを外してしまうと、どれだけテクニックを磨いても(doingを磨いても)、不測の事態に耐えられるファシリテーターにはなれない。

いつ、いかなる場合もその場にふさわしいファシリテーターでいられるためのマインドを持っているからこそ、スキルやコミュニケーション力が発揮できるのです。


そのために私は、いつも身につけておきたい観点を3つ、掲げています。毎回、この3点で自分のファシリテーションを振り返る習慣にしており、ここへ立ち戻るようにしています。

【ファシリテーター 丸山さちこのリフレクション3点】

1.私はどの程度「いま、ここ」に集中し、オープンで好奇心を忘れずにいられたか
2.私はどの程度、この会議(ワークショップ、セッション)の目的に集中していたか
3.私はどの程度、共感力(参加者の感情に対する忍耐、受容、思いやり)を持つことができたか


ここでは、1つめの「私はどの程度『いま、ここ』に集中し、オープンで好奇心を忘れずにいられたか」について、書いていきます。

■「いま、ここ」に集中する
「いま、ここに集中している」とは、目の前で起こるできごとを観察し続けることです。
・・・と言ってもよく分かりませんよね。なので、逆に「いま、ここに集中”していない”状態」について考えましょう。
例えば、
・すでに過ぎ去った発言に対して「これを言えばよかった」と振り返ったり、
・「自分のあの発言は間違っていなかっただろうか」と、会議の最中にあれこれ後悔している状態のこと
また、
・流れを先読みして「次になにを言おうか」と画策している状態
・目的を達成できそうにないという焦りや不安

後悔、焦り、不安、画策。

そうした状態が、「いま、ここ」からファシリテーターを遠ざけます。
「いま、ここ」から遠ざかったファシリテーターは、目の前の対話が聞こえなくなります。参加者の状態が見えなくなります。


さらに重要なことは、「いま、ここ」にいないファシリテーターの態度が、参加者に伝染するという点です。
目的を見失ってうろたえたり、不安から攻撃的な態度になったファシリテーターは、参加者に不安や焦りを伝染させます。
また、ファシリテーターへの信頼も失われます。
ファシリテーターの「いま、ここ」に集中する態度は、参加者に大きな影響をもたらすのです。

ファシリテーターは、場に大きな影響を与えるリーダーです。

そのファシリテーターが場に集中し続けていることで、参加者もまた積極的に参加し続けることができる。

ファシリテーターは大袈裟にいえば、その場に最もふさわしい態度のお手本であり続けなければなりません。なぜなら、参加者はみなファシリテーターのほうを見て、ファシリテーターの言葉を聞き、ファシリテーターが醸し出す雰囲気に影響されるからです。

その自覚を忘れずに、場に集中しつづけること。

これが、ファシリテーターの最大の基本姿勢だと考えます。

※ファシリテーターのマインドセットについて、こちらのVoicyでも対談しています。プロファシリテーター丸山祥子さんに聞く会議成功の秘訣

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