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時間をかければ安心して「お任せください」、「あなたに任せます」ができる。「ここが変だよ、障害者雇用」を読んで考えたこと。【レビュー記事】

綜合キャリアトラストの高祖です。

「障がい者雇用」という職務に携わるようになって15年になります。

弊社に転職する以前の話。

ある日突然、
「雇用率が未達で指導が入りそうだから解決せよ」
とトップダウンの指令がありました。

企業に属していると「異動」の経験をすることがありますが、
まさにそのような時期の最初の大仕事でした。


全くの門外漢である私に何ができるのか?
そもそもなぜ私なのか?
と「?」の嵐に見舞われていた時、
「雇用率の未達」「指導」という問題への事務的対処を迫られていた同僚から発せられたのは、

「今まで外国人の採用や社員の相談対応とかやってきたからじゃないの?
事情のある人への対応ってことでは同じじゃない?」

というひと言でした。


確かに大きく括ればそういうことなのでしょう。

人は目的や背景を理解すると俄然、動きがよくなるもので、
その後は多くの方々に教えを乞い、今にいたっておりますが、
そんな15年を時々振り返り思うことがあります。

「法や制度は整ったが、それに皆が対応できているか?」
ということです。


そのようなときに思い出すのが、ある講座でのの一節です。

“ひょっとこ”の由来は”火男”といわれ、”火男”とは「火を守る」役目の人でした。

昔のことですから「火起こし」には時間と労力を要します。
その大事な火を皆が働きに出て留守にしている間、絶えないように守っていたのが「火男」。

皆と同じように働けない「障がいのある人」だったのではないかという説があり、
因みに、ひょっとこの表情から「脳性まひ」の男性と見られているそうです。
「働き手としてできることを任せていたんでしょう」という話が耳に残っています。

現状、障がい者に任せられる業務は補助的業務が多いようです。

背景には、
習得に手間と時間がかかること、
障がいによっては勤怠が安定しないこと等が挙げられますが、
時間がかかっても(かけても)できることを増やし、
業務の幅を広げ、
安定して勤務ができれば(できる環境を整えれば)、
安心して「お任せください」、「あなたに任せます」という状況になるのでしょうね。

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以下記事本文より引用
*プラスハンディキャップ様より掲載のご了承をいただいております。

私、障害者採用を支援する会社で6年間働き、その後、現在まで障害者雇用の分野で仕事をしております。

今日は、障害者雇用の変なところについてお話したいと思います。

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ちょっと考えてほしいのですが、人材を採用する時ってどういう時だと思いますか?








そうですね、人が足りないとき、より売上を上げたい時に人は採用されます。

しかし、このデータをご覧ください。「障害者を採用する経緯」です。

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平成22年3月 東京都産業労働局平成21年度「障害者雇用実態調査」(資料11)採用経緯-調査票Ⅲ(従業員50~299人)・Ⅳ(従業員300人以上)http://202.51.52.145/koyo/shogai/enquete.pdf
平成22年3月 東京都産業労働局平成21年度「障害者雇用実態調査」(資料11)採用経緯-調査票Ⅲ(従業員50~299人)・Ⅳ(従業員300人以上)
http://202.51.52.145/koyo/shogai/enquete.pdf

このように障害者雇用は、採用のきっかけ・理由は、社会的責任や法令を遵守するためです。そのため、能力・スキル面を第一として、障害者を採用するわけではありません。

それでは、一方で、障害者の退職理由はなんなのでしょうか?こちらをご覧ください。

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「障害者活躍白書2013」集計中データより
「障害者活躍白書2013」集計中データより
※「障害者活躍白書2013」とは、よりよく生きるプロジェクトが発行予定の働く障害者の意識・状況を分析したアンケート調査です。まだ今年度分のアンケートを募集しておりますので、ぜひご協力をお願いいたします。

このように障害者側は、会社都合、人間関係や労働環境が問題で職場を辞めることが多く、キャリアアップや自己実現といったポジティブな理由での退職は、ほとんどないのです。

法定雇用率を遵守し、企業の社会的責任を果たしたい企業側。自分自身の未来を描かけずに仕事に多くを望まない障害者。ミスマッチの発生、不安感の増大、退職といった問題が上がるのは当然です。

ですから、全ての障害者雇用が・・・とは言いませんが、障害者雇用において、「働きがい」や「生きがい」などを障害者雇用に求めることは、現状で言うととても難しいと言わざるを得ません。この点を解消すべく現在事業を展開しておりますが、それは追々お伝えしていきます。

今日はここまで!

それでは〜。



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