私は、勉強に疲れていた。一人きりの勉強は、孤独で、何のために学ぶのかもわからなかった。
聾学校中学部3年生のときに、技術の授業で木製看板を作る授業があった。
将来自分が自営店を構えるとして、どういう看板を掲げるかというものである。「〇〇鉄工所」「〇〇クリーニング店」などである。
同級生は、今後進学を希望している聾学校高等部の職業科の内容で、するすると看板に書く文字を決めた。私ははたと考え込んでしまった。
自分が何か木工なりクリーニングなりで働くことをイメージできなかった。
私は、聾学校高等部ではなく、一般高校進学希望だった。自分の将来は、海のものとも山のものと