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CL愛知エクストラ TOP32,64 アオギリ三神三鳥レシゼク + デッキ選択のヒント

はじめに

※当記事は有料部分を含んでいるため、全文を読むには記事を購入する必要があります。

HN:ガルシア(@Trubbishx3)と申します。
平日は社会人として働きながら、休日の趣味としてポケモンカードをプレイしています。

今シーズンの成績

チャンピオンズリーグ2020東京:42位(80pt)
チャンピオンズリーグ2020愛知:49位(80pt)

シティリーグ シーズン1:優勝(100pt)


主にエクストラレギュレーションについて書かれていますが、プレイヤーとして必要なスキル「デッキ選択」ついてを主題にした記事になっています。
今回はルール変更・新シリーズ発売と、環境の変化が激しかった期間でもあります。
9月以降は時系列に沿って思考の変遷がわかるように環境への影響、デッキ選択の思考を記述しました。
「環境の変化についていけない」、「新しいカードがどんな影響を及ぼすか分からない」と感じている人の参考にもしていただけると幸いです。
エクストラに馴染みのない方にも、できるだけ理解できるように執筆したつもりです。
無料部分だけでも、是非お読みください。
以下が本文となります。


2019/12/21 チャンピオンズリーグ2020愛知 エクストラレギュレーションに参加。
5勝3敗の49位で、次回優先権とCSP80を獲得した。

また調整メンバーである前大会優勝者・イタガキタクトも同じデッキを使用。
6勝2敗 21位の成績を残した。

東京大会終了時点で、愛知大会もエクストラレギュレーションで参加することを決めていた。

エクストラはスタンに比べるとカード単体のパワーが高い上に、「決まったら勝ち」レベルのコンボ系デッキが存在している。
よって、エクストラにおいて最も重要なのはそれらに対応できるようなデッキの構築と選択であると考えている。

ヨネダタクヤはこう語った――デッキ選択のコツ

公式ページのプレイヤー名鑑において、ヨネダタクヤ(@Takuya_pcg)選手が説明していたように、目的にマッチしたデッキを選択することが重要であると考えている。

――デッキ作りで大事にしていることを教えてください。

何のためにデッキを作るのかを考えることが重要です。チャンピオンズリーグで勝つためのデッキと、シティリーグで勝つためのデッキは違います。
たとえば、チャンピオンズリーグではスイスドロー形式で9~10回戦を戦うなかで1回しか負けることが許されません。対してシティリーグは5~6回戦って2回負けても決勝トーナメントに上がれる場合があります。
前者には安定感が強く求められますが、後者の場合は多少の安定感を犠牲にしてでも爆発力を高めた方がいいという考えかたができます。

プレイヤー名鑑(https://www.pokemon-card.com/event/topplayers/playerlist/012.html)より引用

CSPの獲得状況や大会のラウンド数、目標とする結果によって、デッキの目指すところは変わってくるということだ。
チャンピオンシップシリーズ2020からは、それまで先着制だった応募システムが、抽選制+チャンピオンズリーグおよびシティリーグ上位者への参加優先に変更された。
「CSPランキング上位50位以内に入る」、という最終的な目標に対して、年間のチャンピオンズリーグを通して求められるのは継続的な大会出場と、それに伴うポイント取得であると判断。
昨シーズンまでは、一貫してベスト16入り(決勝トーナメント出場)をひとつのゴール地点としてデッキ選択をしていたが、今回は最終戦まで残れる=優先権を獲得できるという目標に向けてデッキ選択を行うことにした。

また、エクストラを選択した理由も、最終戦まで残れる可能性が高いと判断したため。
スタンの予選ラウンド数が10回戦であるのに対して、エクストラは8回戦。
最終戦を除いた7回戦のうちで5勝した場合に優先権を獲得できる。
最終戦まで残る、という目標に対して求められるハードルとして、必要な勝利数が減ることは非常に重要であると判断したため、エクストラでの参加を決意した。

9月:先攻有利→後攻有利に? 新ルール発表

11/29からのルール変更によって、先攻プレイヤーは、最初の番にサポートのカードを使うことができなくなった(https://www.pokemon-card.com/info/2019/20190922_002095.html)。
ポケモンカードにおけるサポートとは、ゲーム展開の要であり、レギュレーションを問わずほぼ全てのデッキに間違いなく採用されているカードである。

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従来のルールであれば、じゃんけんに勝てば先攻を取るのが基本だった。
ほとんどの場合において、先攻のほうが明確に有利だったからだ。
ただ、サポートを打てないとなると話は変わってくるのではないか。
先攻が圧倒的に有利であるという背景から、後攻1ターン目限定で使える効果のカードも多く、「先にサポートを打てる上に恩恵を受けるカードが多い後攻のほうが有利になるのでは?」というのがルール変更を受けてのファーストインプレッションで、そこから新ルールでの調整が始まった。

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「後攻プレイヤーの最初の番」限定の効果を持つカード例


実際に新ルールで対戦してみると、最初に受けた認識とは少しずれていることが分かった。

新ルールで対戦して分かったこと
①先攻には先攻の強みがある
後攻を取った場合に強いパターンのデッキ案をいくつか検討した。
当然ながら毎回後攻を取れるわけではなく、先攻を取った場合に後攻の強い動きに対応できるようにデッキを構築しなければならないことが分かった。
先攻にはサポートを打つ権利がないだけで、先にポケモンを出してエネルギーを貼ることができる。
引くべきものが引ければ、先に展開できるのは先攻である。
裏を返せば、これらを遂行できないと先攻のアドバンテージを失っていることになる。

②ポケモンをサーチするサポートは弱くなる
先攻を取った場合、サポートを使えるのは2ターン目以降。
従来のエクストラの進化デッキ(主にゾロアークGX)には、進化元のたねポケモンを並べるためのサポートとして《ウツギ博士のレクチャー》や《アズサ》が採用されていた。

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従来であれば1ターン目にサポートを使い進化前を並べ、2ターン目に進化ポケモンを展開する、という流れを取っていた。
が、新ルールで先攻を取った場合、サポートを使って進化前を並べるターンが2ターン目、進化するターンが3ターン目となるため、テンポ的にかなり遅れる進行になってしまう。

①、②の要素から、確実に先攻のアドバンテージを保つには、サポート以外の手段でポケモンやエネルギーを引く必要があり、そのためには、ポケモンをサーチできるグッズを増やし、《シェイミEX》や《デデンネGX》でドローを進めるのが最適であると考えた。

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「後攻1ターン目から強い行動ができる+先攻を取った時にも何らかの形でアドバンテージが取れる」デッキというのが、今回使用するデッキに求められる要件だった。

10-11月:シティリーグ分析・新ルールで輝くデッキとは?

前記事でも述べたが、使用デッキを決定するにあたって重要になるのは、過去にどんなデッキが使われていたかを知り、その後のメタゲームの動きを捉えることだ。

ただ、エクストラはスタンに比べると、自主大会を含めた中小規模の大会の開催数が極端に少ない。
トレーナーズリーグやエクストラバトルの日に関して言えば、CSPやプロモを目当てにスタンの流用デッキで参加している層も少なくないため、これらのイベントで単純に分布を取ることにはあまり意味がないと考えている。
デッキの分布を正しく把握するにはサンプルが足りず、愛知大会当日にどんなデッキと当たることになるかを予測することはかなり難しい。
よってシティリーグの結果からは、注目すべきだと判断したデッキをピックアップ・分析し、実際に対戦することによって、どれくらい流行するのか・愛知の使用デッキ候補になり得るのかを検討する、という流れを取った。

シーズン1において、エクストラでは10月度で3回・11月度で3回の計6回のシティリーグが開催されている。
トップ8以上のリスト(当日参加を除く)はプレイヤーズクラブのイベント結果(https://event.pokemon-card.com/events/51/)から確認することができる。

これらの結果から、特に注目すべきだと判断した3つのデッキと、それぞれに受けた印象について書いていく。

《三神三鳥レシゼク》

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おさじ選手使用 10/22 ポケモンセンタートウキョーベイ 優勝

結果から言うと、今回の使用デッキのベースとなったリストとなる。
概要を説明すると、《レシラム&ゼクロムGX》と《アルセウス&ディアルガ&パルキアGX》で《ダブルドラゴンエネルギー》を共有し、高速+高火力でボードを制圧することをメインプランとし、苦手な非GXへの対処として《ファイヤー&サンダー&フリーザーGX》が採用されているデッキ。
使用者がnoteで解説記事を有料公開しているが、エクストラに参入するために読む記事としては無料部分のみでも価値があり、特にエクストラでのみ使われるカードの用語やハンデス系カードの禁止~10月度シティリーグの環境について知ることができる。
対応幅も広く、スタンのカード+再録カードがデッキのほとんどを占めているため、公開後のエクストラバトルの日では目立って流行していた。

《レジロック》

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とーしん選手使用 10/22 ポケモンセンターオーサカ 準優勝

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あむ選手使用 10/22 ポケモンセンターナゴヤ ベスト8

古代能力《Ωバリア》を持つ《レジロック》を主軸とした、いわゆるコントロール的な要素を持つデッキ。
昨シーズンから存在しているデッキタイプであり、継続的にエクストラをプレイしているプレイヤーであれば、すでに認知していることがほとんどだろう。
《レジロック》と対峙した場合、ただ殴っているだけだと《リーリエのピッピ人形》や《きあいのタスキ》+《ギリギリポーション》によってリソースを無駄に消費させられる。
それを予測したプレイヤーは“待ち”のプレイをすることが多く、時間切れのリスクを考慮すると安定した勝率を保つことが難しいのではないかと考えていた。
が、この状況を読み、必要以上に増えている手札を《アイアント》で落とすことにより、一気に相手のリソースを削ってLOプランを遂行できるようになっている。
《トロピカルビーチ》や《レジロック》がプロモカードであり入手難易度が高いことや、ゲームプランが複雑であることから、公開後にそこまで使用者が増えることはなかったように感じた。
構築段階で有利不利がはっきりしていることが多く、当たった時点でほぼ勝ちになるようなこともあるのが魅力である。
後述するが、先攻を取った時にできることが少ないこともある上に《ブルーの探索》に依存している構築なので、ルール変更後も今まで通りの立ち位置にいられるかについては疑問に思っていた。

《デスカーンガブギラ》

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りぃ選手使用 10/22 ポケモンセンターナゴヤ 優勝

《ガブリアス&ギラティナGX》と《オンバーンGX》で《ダブルドラゴンエネルギー》を共有するデッキ。
《デスカーン》+《カラミティエッジ》や《ジージーエンドGX》で高HPのポケモンを対処して、《ウルトラネクロズマ》などの特殊エネルギー依存デッキに対しては《ラウドソニック》で封殺を狙う。
エクストラはグッズのパワーが極めて高く、スタンと比較するとデッキにおけるグッズの比率が高いのも特徴の一つである。
なので、比較的高い打点を刻みながらグッズロックを行う《ディストーション》によって沈黙し、一方的なゲーム展開になることも少なくない。
《グズマ》を抜き、《ランダムレシーバー》を採用している点も特徴的。
スタンと比較してトレーナーズのパワーが上がることで、《ブルーの探索》の価値も相対的に上がっていることを認識。
《デスカーン》など比較的入手難易度が高いカードが含まれているものの、《レジロック》よりは組みやすく、公開後のエクストラバトルの日やシティリーグでは何度か入賞を確認している。

新ルールにおける《ブルーの探索》系デッキ
《レジロック》、《デスカーンガブギラ》はいずれも《ブルーの探索》を使ってゲームプランを組み立てるタイプのデッキである。
《ブルーの探索》を中心にゲームを進めていくデッキは、その性質上、ポケモンとボールの数が通常のデッキよりも少ないことが多い。
当然ながら《シェイミEX》や《デデンネGX》も入っていないため、先攻を取った場合に取れる行動の幅が、他のデッキに比べて極端に狭く、タネ切れ負けのリスクも高いため、従来の構築のままでは勝率が安定しないのではないか、という懸念があった。

一方で、《シェイミEX》、《デデンネGX》を積極的に使える《三神三鳥レシゼク》は新ルールでも使用率が高いと予想。
後攻1ターン目から用途に応じて《アルティメットレイ》、《らいえんむそう》を打てること、先攻を取った時も《アルセウス&ディアルガ&パルキアGX》にエネルギーをつけておくだけで2ターン目の《アルティメットレイ》につなぐことができるため、今回の候補デッキとしても十分に要件を満たしていると判断した。

既存のデッキでは、《ウルトラネクロズマ》デッキは使用率が高いままであると予想した。

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後攻1ターン目に非GXで170ダメージを叩き込めるスペックは新ルールにおいても強い武器になる。
また、《シェイミEX》、《デデンネGX》の採用が増え、サポートに頼らない展開が増えるということは、《サイレントラボ》の価値が相対的に上がることを意味している。
《サイレントラボ》を出す前に《シェイミEX》、《デデンネGX》で展開されたとしても、簡単に呼び出してサイドを2枚リードしやすい。

12月:ソード&シールド発売・「ポケモンV」の可能性を探る

新シリーズ+5種のスターターデッキ発売ということもあり、大量の新規カードが追加された。
特に目玉ギミックである「ポケモンV」、「ポケモンVmax」は、エクストラにおいても大きな変化をもたらすのではないかと考えた。

「ポケモンV」、「ポケモンVmax」追加によって予想される変化

①「ポケモンEX・GX」を対象とするカードの弱体化

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特に《こだわりハチマキ》の弱体化は著しい。
ポケモンVはポケモンGXと比較しても基本スペックが高く、HPも高めに設定されている。
その上、足りない打点を補うために採用されていた《こだわりハチマキ》のダメージ上昇の対象にならないため、今までぴったり倒せる感覚でいた打点でも絶妙に倒しきれないことが多く、数字以上の耐久を感じることがあった。

②ゲームスピードのさらなる高速化

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そもそもエクストラは「ソード&シールド」リリース以前からTAG TEAM GXによる高速・高火力のデッキが幅を利かせている環境だった。
が、よりハイスペックなたねポケモンの登場によって、ゲームスピードはさらにスピーディになることが予想できた。

「ソード&シールド」リリース後のプールで、エクストラではシティリーグ規模の大会が一度も行われないため、参考にできる情報がほとんどない状態。
新しいカードは実際に使用感を確かめなければ正確な評価が下せないと考え、とりあえず新カードを使ったデッキを一通り作成してみた。
コンセプトだけ説明するのでは伝わりづらいことを考慮し、実際に調整で使っていたリストを公開する。

《ザシアンV》

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《ザシアンV》は、最近発売されたカードの中でも単体のスペックが飛びぬけて高いと感じたのでひとまず組んでみた。
スタジアムは、主に三神三鳥レシゼクにおける高HPのTAG TEAM GXを倒すために《戒めの祠》を採用。
HP270に対して
《ブレイブキャリバー》230
+《こだわりハチマキ》30
+《戒めの祠》10
=270
HP280に対しても往復ダメージまたは2枚目の《戒めの祠》で対処可能であると判断。
ある程度調整を行ってみたところ、様々な問題点が見えてきた。
まず《アルセウス&ディアルガ&パルキアGX》を1ターンのうちに処理できないことには問題があった。
打点が伸びる要素が薄く、《アルティメットレイ》を宣言した後の《アルセウス&ディアルガ&パルキアGX》を倒せないと、大体の場合テンポで追いつけなくなって最終的に負けてしまう。
上で述べたのは構築における問題だが、そもそも既存のデッキである《ウルトラネクロズマ》や《ゾロアークGX》にも有利と判断できる部分があまりなく、余程のことがない限り自分が使うことはないだろうと判断した。

《カプ・コケコV》

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《カプ・コケコV》の単体スペックの高さをシンプルに伸ばした形。
リストを見ると何となく分かるが、明らかに上の《ザシアンV》がベースになっている。
このデッキも《ザシアンV》と同じ理由で《戒めの祠》を採用した。
HP270に対して
《サンダーボルト》200
+《エレキパワー》30
+《エレキパワー》30
+《戒めの祠》10
=270
HP280に対して
《サンダーボルト》200
+《エレキパワー》30
+《エレキパワー》30
+《闘魂のまわし》10
+《戒めの祠》10
=280
また、《カプ・コケコV》以外に採用したいアタッカーがいないことと、《カプ・コケコ◇》は自発的に場からいなくなる都合、場に置ける非GXで何かいいカードがないか検討していた。
《ミミッキュ》は《戒めの祠》と組み合わせることで《ゾロアークGX》+《ラッタ》に対して自然と強く出ることができる。
他の候補としては《さるぢえ》の《ヤレユータン》などを試していた。
《プラターヌ博士》や《デデチェンジ》前に、ターン内に使う必要のない《エレキパワー》や《バトルサーチャー》をセーブできることが強み。
《エレキパワー》もあり、《ザシアンV》の時に感じた打点の伸び悩みも解消された。
昨シーズンの《レックウザGX》のような安定感があり好感触だったが、調整を通して、今回トップシェアと予想している《ウルトラネクロズマ》にサイドレースで明らかな不利を取ることが分かった。

《カビゴンVmax》

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最初はボールを増やして《ゾロアークGX》と組み合わせていたが、《ゾロアークGX》が呼ばれてサイドを追いつかれることが多かったため《チラチーノ》と《ナギ》を組み合わせた。
《ナギ》は《アズサ》などと違い、進化先である《チラチーノ》をサーチすることができるため、2、3ターン目に使用しても強いと判断した。
《カビゴンVmax》耐久は驚異的で、実に《カプ・テテフGX》2体分のHPを持っている。
ベンチのシステムポケモンを倒したらサイド1枚だけ、前の《カビゴンVmax》のHPを削ったら回復して攻撃をなかったことになるので、相手をしていて勝ちに至るまでの道のりがかなり遠く感じた。
直前にデッキリストが複数公開された+プレイの難易度が比較的低いという判断から、愛知大会でも一定数のプレイヤーが使用してくる可能性が高いデッキであると想定。
弱点についても触れておく。
《カビゴンVmax》がワザを宣言するときは基本的に《トリプル加速エネルギー》を使用するため、毎ターン手札から《トリプル加速エネルギー》を貼らなければ攻撃し続けることができない。
《やりくり》によってその問題点を解消しているが、《やりくり》にドローを頼っている都合、相手の《オカルトマニア》を受けたターンはほとんどドローすることができず、回復ソースも《トリプル加速エネルギー》も引くことができないことが多い。
要するに、相手の《オカルトマニア》に弱い。

候補デッキの選定

新カード込みの調整を経て、一定以上の勝率があり、既に広く認知されているデッキとして《ウルトラネクロズマ》、《三神三鳥レシゼク》、《カビゴンVmax》が挙げられた。

あとは自分がどのデッキを選択するか、というところまできた。
使用候補となったデッキを、サンプルリストを添えて順に挙げていく。

《ウルトラネクロズマ》

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調整していて、全体的に勝率が安定していたのは《ウルトラネクロズマ》だった。

回復されなければ《カビゴンVmax》を2回で倒せる(毎ターン回復を押し付けられる)上、《みようみまね》によって一撃で倒すことも狙える。

《アルセウス&ディアルガ&パルキアGX》には、《スカイレジェンドGX》によって一気に不利な状況を作られるのを防ぐために《カウンターキャッチャー》と《グレートキャッチャー》を入れて
《アルティメットレイ》でエネルギーを加速した先を叩けるようにした。

《レジロック》

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《ウルトラネクロズマ》、《カビゴンVmax》に有利を取れるとして再評価。

ポケモンGXやポケモンVとのサイドレースにおいて圧倒的であった《ウルトラネクロズマ》に対しては《ザオボー》や《きあいのタスキ》で対処可能。

《カビゴンVmax》は、デッキの性質上、《カビゴンVmax》以外のアタッカーを積極的に起動できるようになっていないと考え、弱点によって《カビゴンVmax》を2回倒してサイドを6枚取り切ることが可能だと判断した。


ここまでの調整を通して、今回のプールで最終戦まで生き残るために必要な要素が何であるかを整理した。

①《ウルトラネクロズマ》への対抗策があること

まず、他プレイヤーによる環境予想でも一番上に《ウルトラネクロズマ》が位置していることがほとんど。
《ウルトラネクロズマ》が一番多いと予想していることが今回のエクストラ参加者共通の意識であることを認識した。
何と当たるか分からないと言えど、このデッキに勝てる道は用意しておかなければならない。

②相手に依存せず、強引にゲームを決め切る要素を含んでいること

エクストラは全体の人数が少ないこともあり、上位卓でも見たことがないようなデッキに遭遇することは少なくない。
スタンの調整を行うときは、「特定のメジャーデッキに対して勝てるように」という方針を心掛けているが、エクストラにおいては「どんなデッキが相手でもある程度やることが決まっていて、それを通せば勝利できる」タイプを目指す方が適していると考えた。

以上の要素を意識して調整を再スタート。


《カビゴンVmax》

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《シルヴァディGX》の採用
①《ウルトラネクロズマ》などのカウンター要素が含まれるデッキに対して、積極的に攻撃できるアタッカーが《カビゴンVmax》しかいない場合、カウンターから弱点をつけるポケモン(主に《ウソッキー》の《みようみまね》)にサイドを3枚ずつ取られて負ける、という問題点の解消
②1度だけという制限はあるが、《カビゴンVmax》のミラーマッチにおいて、サイド数に依存せず《カビゴンVmax》を倒せる要素(《ファイトメモリ》+《リベリオンGX》)

相手に依存せずゲームを決め切る要素としての《オカルトマニア》複数採用
《ブルーの探索》系デッキについての項で説明した通り、全体的にドローにおける特性の依存度が上がると予想していた。
ほとんどのデッキに対して、《やりくり》から《オカルトマニア》を連打することで一方的に展開を止め、そのまま勝利を狙うことができると考え、複数枚採用した。

《ミュウツー&ミュウGX》

このデッキに関しては、調整メンバーが投稿している構築記事が存在するためリストの掲載、解説を割愛する。

《三神三鳥レシゼク》+《ミロカロス》

まず、従来の《三神三鳥レシゼク》におけるメインの勝ち方として、《アルティメットレイ》による加速からの《スカイレジェンドGX》があったが、メジャーデッキであるが故に《スカイレジェンドGX》が有効なデッキには何らかの対策が搭載されていることが多いと予想していた。
具体例を挙げると、HPの低いポケモンを並べるデッキ(《ウルトラネクロズマ》や、後述する《ショックロック》などのコンボ系のデッキ)には、《ベンチバリア》の特性を持つポケモンが採用されるようになるなど予想。

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歴代の《ベンチバリア》たち

また、《アルティメットレイ》での加速を経由して《スカイレジェンドGX》を打てるターンは最速でも先攻では3ターン目、後攻では2ターン目である。
2ターンの行動を許しているため、この速度では進化デッキの進化元を根絶するルートを取ることは困難だと考えた。

《アルティメットレイ》を経由せずに、1ターン内の行動で《スカイレジェンドGX》を使うために、《ふしちょう》によってエネルギーがついた《ホウオウEX》を《ニンジャごっこ》《スクランブルスイッチ》で《ファイヤー&サンダー&フリーザーGX》に付け替える、という方法があったが、実現可能性が低く、そのためにデッキの貴重な枠を使うことについては疑問があった。

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①《ニンジャごっこ》を使う場合
エネルギーを3枚つけた《ホウオウEX》の《ふしちょう》に成功
《ニンジャごっこ》を使用し、《ホウオウEX》を、デッキの《ファイヤー&サンダー&フリーザーGX》に変える
《ファイヤー&サンダー&フリーザーGX》にエネルギーを貼る
《ファイヤー&サンダー&フリーザーGX》をベンチからバトル場に出す

②《スクランブルスイッチ》を使う場合
エネルギーを3枚つけた《ホウオウEX》の《ふしちょう》に成功
《ホウオウEX》にエネルギーを貼る
《ホウオウEX》をベンチからバトル場に出す
《スクランブルスイッチ》を使用し、《ホウオウEX》についているエネルギーを、デッキの《ファイヤー&サンダー&フリーザーGX》に付け替える

エネルギーを貼るタイミングなど、順番は前後する可能性があるが、1ターン内で行うには行動の要求値が非常に高いことが分かる。
《スクランブルスイッチ》は、使用するタイミング以前に引いてしまったら成立しないし、《ニンジャごっこ》は《バトルサーチャー》によって再利用ができるが、デッキに《ファイヤー&サンダー&フリーザーGX》が残っていなければならない。
そもそも、《ふしちょう》のコインでオモテを出す必要があることに抵抗があった。

これらの事情から、《三神三鳥レシゼク》で《スカイレジェンドGX》を打つためには、無理に1ターンで打とうとせずに《アルティメットレイ》を経由しなければならないと考えていた。

同時期に、《ファイヤー&サンダー&フリーザーGX》+《アオギリの切り札》+《ミロカロス》で最速だと後攻1ターン目から《スカイレジェンドGX》を狙えるデッキタイプを考察していた。
ふと、《アオギリの切り札》+《ミロカロス》のギミックを《三神三鳥レシゼク》を組み合わせることで、上記の課題を解消できるのではないかと思い、構築に至った。

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最終的な使用リスト

イタガキタクト 使用リストは
 《基本炎エネルギー》→《ダブルドラゴンエネルギー》

基本方針は従来の《三神三鳥レシゼク》と同じため、キーとなる部分について詳しく説明する。

《ミロカロス》
主に、《エナジーグレイス》によって《ファイヤー&サンダー&フリーザーGX》にエネルギーを付け、《スカイレジェンドGX》を1ターンのうちに成立させるために採用。
《ホウオウEX》の《ふしちょう》が成功しなかった場合に、《らいえんむそう》のエネルギーコストを捻出するために起動することもある。
《ミロカロス》によってエネルギーの要求が減る分、《オカルトマニア》や《グズマ》を打ちやすくなるという利点もある。

《アオギリの切り札》
後攻1ターン目から《ミロカロス》を場に出すために採用。
手札を減らしやすく構築しているため、意外と決まる。

《ヒンバス》
《アオギリの切り札》を経由せずに《ミロカロス》を場に出すために採用。
特に先攻を取った場合は、《アオギリの切り札》を打つ意味がほとんどないため、1ターン目に《ヒンバス》を置き、2ターン目に《ミロカロス》に進化する、というプランを取る。

《ウソッキー》
《シェイミEX》、《デデンネGX》の採用数が増える予想に伴って、《スカイフィールド》が中心のデッキも増えると考えて採用。
《ミロカロス》を起動して《スカイレジェンドGX》を使用してデッキに戻った場合、バトル場に出すポケモンがポケモンGXの場合、相手が1→2→3とサイドを取るプランが取りやすくなってしまうため、《スカイレジェンドGX》の後にバトル場に置いておく非GXポケモンとしての役割もある。

①《ウルトラネクロズマ》への対抗策
→ 即起動する《ファイヤー&サンダー&フリーザーGX》

②相手に依存せず、強引にゲームを決め切る要素
→《オカルトマニア》連打+《ミロカロス》による爆発力

今回の目標は優先権を獲得することであり、「2回負けてもいいのであれば、多少の安定感を犠牲にしてでも爆発力を高める」というコンセプトにも《ミロカロス》は一致していた。

求めていた要件を満たしていると考え、今回の使用デッキとすることにした。

当日のマッチアップ

1 後 ◯ 《ラプラスVmax》+《モスノウ》 
2 先 ◯ 《ザシアンV》+《ザマゼンタV》+《ドータクン》
3 後 ◯ 《オーロット&ヨノワールGX》+《ミロカロス》
4 先 × 《三神三鳥レシゼク》 
5 後 ◯ 《ショックロック》
6 先 ◯ 《モクロー&アローラナッシーGX》+《ラフレシア》
7 後 × 《オーロット&ヨノワールGX》+《ミロカロス》
8 後 × 《オーロット&ヨノワールGX》+《ミロカロス》

最終戦まで残ることができ、優先権を獲得した。

特に意識していた《ウルトラネクロズマ》、《三神三鳥レシゼク》、《カビゴンVmax》のうち、実際に対戦したのは《三神三鳥レシゼク》の1回のみだった。
実際に対戦したデッキのうち意識の外にいたのは、《モスノウ》、《ドータクン》、《ラフレシア》など行動を特性に依存するものが多かったため、《オカルトマニア》を連打することによって対応することができた。
広い範囲に勝率を上げるために《オカルトマニア》を複数採用する、という判断は成功だったと言えるだろう。

4回戦の《三神三鳥レシゼク》
《闘魂のまわし》の採用を見送ったのは反省点だった。
ミラーマッチにおいて、《闘魂のまわし》を採用すれば、《レシラム&ゼクロムGX》の《らいえんむそう》で相手の《アルセウス&ディアルガ&パルキアGX》を倒せるようになる上に、相手の《レシラム&ゼクロムGX》の《らいえんむそう》を耐えるようになる。

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1ターン目の《セットアップ》で《アオギリの切り札》とエネルギーのみの手札になってしまい、ドローゴーが続いてしまう。
なんとか《プラターヌ博士》を引いて試合は続いたが、構築上、相手の《アルセウス&ディアルガ&パルキアGX》を一撃で倒す手段がないためサイド差が追い付かずに敗北。

《アルセウス&ディアルガ&パルキアGX》を一撃で倒すことの重要さは、《ザシアンV》を研究していた時点で気づいていたことではあるが、ミラーマッチは《オカルトマニア》連打で勝てる対象であると判断していた。
結果、ドローがかみ合わなかった今回のような場合にあっさりと負けてしまった。

5回戦の《ショックロック》

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つぬ選手使用 10/22 シティリーグ ポケモンセンターナゴヤ 準優勝

簡単に説明すると、毎ターン《ライチュウ》の《エボルショック》で相手のポケモンをマヒ状態にしながら《ムーランド》の《ばんけん》でサポートをロックする、冒頭に述べた「決まったら勝ち」のコンボデッキのうちの一つである。
これまでの4試合で対戦相手の使用デッキが《ショックロック》であると分かっていたため、序盤のプランを簡単に予想していた。

①じゃんけんに勝ったら
先攻を取る
1ターン目に《ヒンバス》を置き、2ターン目に《ミロカロス》を起動して《スカイレジェントGX》を使用して場を崩壊させるプラン
万が一《ベンチバリア》のポケモンが出てきても、2ターン目に《オカルトマニア》を使用すれば問題なし

②じゃんけんに負けたら
後攻を取る(ショックロック側は先攻を選ぶと予想)
1ターン目に《アオギリの切り札》から《ミロカロス》を起動して《スカイレジェンドGX》を使用するプラン(2ターン目以降に相手の場が整ったら対抗手段がないため、諦め)

それぞれの成功率で言えば、圧倒的に先攻の場合のほうが高いため、ほぼじゃんけんで決まるマッチという印象だった。

実際、ここまで書いておいてじゃんけんに負け後攻を取ったが、運良く最初の7枚に《パソコン通信》を引くことができ、②のプランを成功させて《アローラロコン》、《ピカチュウ》、《ヨーテリー》を後攻1ターン目で倒してタネ切れで勝利している。
《アオギリの切り札》と《ミロカロス》を入れていなかった場合、いくらこちらの運が良くても相手の盤面が完成していれば勝ち目はなかっただろう。
この試合を取れただけでも、《アオギリの切り札》と《ミロカロス》を入れた価値は十分にあったと感じた。

目標は達成したが、短期的な結果でしかなく、もちろん結果に満足したわけでもない。
良かった点・反省すべき点が何かを意識して、次回どうすればいいかを考える。
これを繰り返すことが、プレイヤーとしてのレベルアップに繋がると考えている。

最大の誤算、《オーロット&ヨノワールGX》祭り

愛知大会で最も決勝トーナメントに進出したデッキは、《ウルトラネクロズマ》でも《三神三鳥レシゼク》でもなく、《オーロット&ヨノワールGX》を中心としたデッキだった。

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のらがみ選手使用 チャンピオンズリーグ2020愛知 準優勝

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きゃす選手使用 チャンピオンズリーグ2020愛知 ベスト8

簡単に説明すると、《ミロカロス》起動で《オーロット&ヨノワールGX》にエネルギーを付けた後に特性を止めるポケモンを用意して、《ミロカロス》によってついたサイド差から《エリートトレーナー》を使用し、《ナイトウォッチャー》で相手の行動を制限するデッキ。

シティリーグ考察時点でこのタイプのデッキが存在していることは認識していたが、新弾リリース後は違う方向に研究が進み、特に《クイックボール》が入った状態でこのデッキの検討を十分にできていなかった。
今回の使用デッキでは、後攻1ターン目に《ホラーハウスGX》を使用される場合を除き、相手の《ミロカロス》が起動する前に《オカルトマニア》を使うことができれば勝機はあった。
しかし、7回戦、8回戦ではあっさりとハンデスされて敗北。
あと一回早くマッチしていたら優先権を獲得できていたかどうか、というところだった。

詳細な順位やデッキ分布を把握しているわけではないが、今回は複数のグループがこのデッキに揃えて出場していたようで、かなりの人数が上位に残っていた。
全体の人数が少ないエクストラだからこそ起こりやすい現象で、今後もエクストラをプレイする上で注意する必要があるだろう。

おわりに

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