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ある日

何気ない一日。憂鬱の始まりだという人も多い。
そんな私は、ある子との出会いで人生が変わった気がする。いや、変わったに違いない。土砂降りの中、残業が終わり確か12時を回る前だったと思う。コンビニから歩いて自宅に向かう。


「なんて日だ」


傘を持って来るのを忘れた自分に腹が立った。こんなに会社のためにと残業までしているのに大した評価はもらえない。そんなことを毎日思っていた。

しかしこの日は違った。


「あの…すみません。先ほどのお客さんですよね」
先ほど私が立ち寄ったコンビニの店員が話しかけてきた。
「あぁ、先ほどはありがとうございました」
社交辞令。サラリーマンの癖だ。
「私、もう上がりなんです」
「家、近いんでこれどうぞ」
と言ってそのコンビニ店員は小走りで消えていった。

『ありがとう』と心から思った。こんなみすぼらしい私に話しかけてきた女性のことが気になって仕方なかった。

その日は遅かったし、買ってきたカップラーメンを食べてすぐに寝た。

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