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小学生のなせるわざ

誰かから結婚したいと言われたことがあるだろうか。

うん、フォロワーさんの中にはきっといるんだろうな…そういう方も。私はまったく無いです、そんな経験は、全然。

と言いたいところだが、小学生の頃のしょっぱい思い出が蘇ってくる。

小学生の頃、私は地味で(いや、正直中学でも高校でもキラキラしてたためしがない)、多少いじめられていたこともあった。でも、絵を描くのはすごく好きで、休み時間になると自由帳を開いて、動物やら恐竜やら書いていた。当時は確か、オオカミとかドラゴンとか、”かっこいい”に憧れていた。あとは翼を広げた鳥とか、脚の細いシカとか、”きれい”なものも描きたかった。(人間にはあまり興味がなかったのか、全然描いてない)まあでも本当に、他の子と仲良くするというのが苦手というか嫌いというか、あまり感じの良くない無口な小学生だっただろうとは思う。そんな小学生に、

「百来(仮名)とケッコンしたい」だったか「百来(仮名)とケッコンしてもいい」だったか、(この違いかなり重要だとおもうけど、記憶が曖昧で覚えてない)言った強者(少年X)がいたんだよ。しかも、他のクラスメートが聞いてる目の前で。

やめてくれ。ほっといてくれ。切実にそう思った。

近くにいた男の子たちは、きっとあり得ないというような変な顔をしていたに違いない。「え、何で???」と一人が少年Xに聞いた。

私は無視を決め込んで俯いて自由帳に鉛筆を走らせる。でも集中できなくて上手く線が引けない。聞きたくないのに気になってしまうのは地獄耳というもので…。

少年X「だってさ、百来(仮名)は絵ぇ上手いからさあ、将来けっこう稼いでそうじゃん。だからさ、俺は働かなくてもいいかな~って笑」

え?・・・おい

予想外の答えに頭の中が真っ白になり、嬉しいようで嬉しくない複雑な気持ちになった。

周りが一瞬、しんとなった。が、しばらくすると教室にはいつもの喧騒が戻るのだった。

その後しばらく私は一人で悶々としていたのだけど、それは私自身に魅力はないけど、絵は評価してるってこと?と考えるにつけても、喜んでいいのか悲しんでいいのか、かなり微妙な気分になった。

~*~*~*~

とまあ、こんなことがあった。本当に小学生ってびっくりすることを言うことがある。意味が分かっているのかも不確かなままで。小学生怖いよう…。

それはともかく、思い出の隅っこに押し込めていた記憶を、なんで今頃引っ張り出してきたかというと、最近久しぶりに絵を描き始めたからだ。受験の時以来、絵を描くことを封印して、その楽しさを忘れていた。また描き始めると、ああ私が本当に好きだったのはコレだったんだ、という感覚になる。大袈裟かもしれないけど、生きてるって実感が湧いてくる。

だから、今『え、少年Xが言ってたようになれたらめっちゃいーじゃん!!!(もちろん仕事的な面で)』になっているのだ。現実味うすいけど。それくらい稼げたらどんなにいいか…。本当に夢のような話だな。


追記

本文と全く関係ない絵を見出しにしてます。今まで人の絵は描かなかったというか、描くのを避けていたというか、とにかく好きじゃなかったので、人間を描くのは未知の試みです。それにしても、久しぶりに描きたくなって人を描こうとしているのは、長年の間に心境の変化があったということでしょうか。いやはや時の流れは恐ろしいです。

2021年10月17日 記す


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