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【コーチも必見】跳躍選手の助走

どうも、さかもとです。

今回は、跳躍選手の助走についてです。
参考図書はこちら↓
スプリント学ハンドブック

今回の内容は跳躍選手はもちろんのこと、コーチにも見て欲しい内容です。

跳躍選手のスプリント

スプリントの種類には大きく『2つ』あります。
・直線走形態
・調整走形態
の2つです。

その中でも、直線走形態について細かく見ていきます。

直線走形態には
・疾走形態
・助走形態
の2つの種類があります。

疾走形態の目的は、とにかく目的に向かって『出来るだけ速く走る』ことです。
短距離選手をイメージしてもらえると分かりやすいと思います。

助走形態の目的は、『最適スピード』を獲得することです。

跳躍選手に求められるスプリント能力は、この助走形態になりますね。

跳躍選手の助走

跳躍選手の助走をもう少し深掘りしてみましょう。

☑︎次に行われる他の動きにとって「最適スピードの獲得」が目的
☑︎走幅跳/走高跳では助走そのものの走り方や助走、踏切への入り方が異なる
☑︎短距離走の疾走形態を導入することは出来ない

ざっとこんな所です。

現場で、『跳躍選手もスプリント能力が必要だ!』と良く耳にしますが、スプリント能力については、具体的に言語化した方が良さそうですよね。

では、助走についてもう少し深掘りしてみましょう。

助走に必要な『2つ』のポイント

助走を理解するには、2つのポイントを頭に入れておく必要があるようです。

1)運動感覚的観点
2)バイオメカニクス的観点

です。

運動感覚的観点

1)運動感覚的観点
これは、『選手自身の感覚』と『コーチ(指導者)の感覚や考え』が一致しなければなりません。
また、この感覚に頼る事によるデメリットもあるようです。5つ紹介します。

① 踏切動作を過剰意識:過剰なテンポアップ、スピードアップ、体幹後傾、沈み込み
②最大努力が最大助走スピード獲得に繋がるという思い込み:緊張↑動きの流動性、弾性、リズムの欠如、軸のブレ
③助走前半での過剰加速:身体の後傾、ハイピッチ、オーバーストライド、テンポのズレ
④助走前半の過度な前傾:状態が泳ぐ、軸のブレ
⑤助走設定の不備による助走構成の混乱

この辺りが参考図書にて紹介されていました。

何となく、心当たりがあるのではないでしょうか。

バイオメカニクス的観点

2人の選手の成功試技と失敗試技を分析した実験では

成功試技においては
・助走の10歩目前後の助走スピードが高い
・小さな体幹前傾から徐々に垂直に近い姿勢へ

という事がわかったようです。

この他にも

助走はスプリント走に比べて
・ストライド長が有意に大きく、ピッチが小さい
・膝・足首・つま先のいずれも身体の前方かつ上方に位置する
・股関節屈曲トルクが小さいにも関わらず、離地後のリカバリーの遅れがない→支持期後半のキック動作が抑制される

と言うことも紹介されていました。

要するに、スプリント走と助走は別物という事です。

まとめ

・跳躍種目のスプリントは単なる疾走とは違う
・次に行われる他の動きにとって「最適スピードの獲得」が目的
・コーチングにおいて「運動感覚」と「バイオメカニクス」の両面からアプローチする必要がある

今回の記事は、YouTubeでもアップしております。
もう少し補足説明が聞きたい方は、是非、ご覧下さい!
https://youtu.be/oDSqAX4tCWM




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