見出し画像

スプリントパフォーマンスにおいて、ヒップスラスト(水平方向)って効果あるの?という話

どうも、さかもとです。

今回は、トレーニングの種類とスプリントパフォーマンスの関係について
まとめていきます。

普段行っているトレーニングを
水平方向垂直方向のトレーニングに分類し
それぞれがスプリントパフォーマンスの
「どの局面に効果があるの?」
そして、「そもそも効果あるの?」
ということについてまとめます。

今回の参考文献は
ヒップスラストの効果についての検証
を目的にしていることから
このようなタイトルをついています。

参考文献
↓↓

背景

最近では、コーチや研究者が最高走行速度の各特定段階を向上させるための最も適切なエクササイズやドリルを選択する際のガイドとして、力ベクトル理論が提案されています。たとえば、Contreras et al. は、水平方向のヒップスラストがフロントスクワットよりも優れており、短期間の介入 (つまり 6 週間) 後に 20 メートル以上の加速度が向上することを検証しました。
一方Kaleらは、垂直ジャンプと水平ジャンプで収集されたいくつかの変数の中で、ドロップジャンプの高さが、エリート短距離走者が 100 メートル走のレース全体で達成する最大速度を示す最良の指標であることを実証しました。
研究全体では、垂直方向のエクササイズに関する研究は多く存在するものの、水平方向のエクササイズ (ヒップスラストなど) に関するこのトピックに関する研究は不足している。

概要

垂直方向の運動(負荷をかけた状態と負荷をかけない状態の垂直跳び、およびハーフスクワット)と水平方向の運動(ヒップスラスト)とトップレベルの陸上選手のスプリントパフォーマンスとの関係を比較することを目的とした。
16 人の短距離選手と跳躍選手 (男性9名、女性7名、21.8±3.0歳、177.7±10.6cm、67.4±10.8kg/オリンピック選手 3 人を含む) が垂直ジャンプ、負荷ジャンプスクワット、ヒップスラストを実行。
10、20、40、60、100、150mでのスプリント速度テストとの関係性を評価。

被験者は連続する 2 日間、次の順序でテストを実行しました。
1 日目) スクワットとカウンタームーブメントを含む垂直ジャンプ (それぞれ SJ と CMJ)。60メートル走。
2日目)150メートルのスプリント。平均推進力出力 (MPP) を評価するジャンプ スクワット (JS)、ハーフ スクワット (HS)、およびヒップスラスト (HT) エクササイズ。
初日の後、選手たちは翌日の評価まで休んだ。この期間中、彼らは栄養と睡眠の習慣を維持し、少なくとも2時間は絶食状態でスポーツラボに到着するように指示された。検査前の少なくとも 48 時間はアルコールとカフェインの摂取を避けるよう指示された。

結果

参考文献より

動作軸 (垂直または水平) とは無関係に、評価されたすべてのエクササイズがすべてのスプリント距離 (つまり、10、20、40、60、100) と非常に大きな相関関係からほぼ完全な相関関係を示した。
特に、水平方向のヒップスラストはスプリントの初期段階 (0 メートルから 10 メートルまで) とより強い関連性を示した。
また、加速局面とされる60m内で評価されたすべての速度の間に見出されたほぼ完璧な関連が見られた。
興味深いことに、その垂直方向にもかかわらず、ハーフスクワットパワー測定値は 10 メートルの速度とほぼ完全な相関関係を示した。

注意

Bishop Cらは、ヒップスラストエクササイズを週に 2 回、8 週間トレーニングしても、男女の大学アスリートの 0 ~ 10 メートル、10 ~ 20 メートル、20 ~ 30 メートル、30 ~ 40 メートル、または 40 メートルのスプリントタイムは改善しなかったことを示しました。
現在の研究のデータは、トップレベルのスプリンターの最大加速能力を開発するためのヒップスラストエクササイズの有効性を裏付けています。

まとめ

トップアスリートにおいては、ヒップスラストが加速局面のパフォーマンス向上に効果があることがわかりました。
また、これまでのスクワットやジャンプトレーニングも、スプリントパフォーマンスにおいて効果的であることも再認識できました。

一方で、負荷設定の部分であったり
トップアスリート以外に対しても効果だったり
については、課題も。

ヒップスラスト=加速局面のパフォーマンス向上
と思い込まず
トレーニング方法の1つとして選択できればいいですね。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?