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【未通過×】カタシロ我流キーパリング①

 この記事はディズム様作成、CoC7版シナリオ「カタシロ」についての駄弁です。未通過の方はブラウザバックお願いします。



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0.はじめに

 僕がPLやったときのKPが、質問を基に話をどんどん派生させていくタイプだったため、自分がやるときも派生質問や反論をぶつけていくようになった。
 配信とかはあまり観ないが、他卓はどのようにやっているのだろう?と気になったので、とりあえず自分のキーパリング(主に話すネタ)を記す。(KP経験は4回のみ)

 今回は「囚人のジレンマ」について。ゼミでゲーム理論を専攻していたのでめちゃくちゃ難しくなってしまった。申し訳ない。


1.囚人のジレンマ

カタシロ1

  囚人のジレンマ(というかゲーム理論)を知っていると、話の幅が広がるので先に解説。ただし厳密さ・正確さは捨てています。本当に知りたい人は、船木『はじめて学ぶゲーム理論』や、岡田『ゲーム理論・入門 新版』などがオススメ?

 シナリオでは懲役年数で利得(利益みたいなもの)を表しているが、「マイナスが少ないほど良い」が直感的にわかりづらいので、上図に置き換える。
 表の読み方はシナリオと同様で、ゲームの構造も同等である。自分の数字(利得)が大きいほど良い。


■選択に正解はある?

 シナリオ内に3つある思考実験のうち、最も数理的な分析である。そのため、「正解のようなもの」は示されている。(自白,自白)が唯一の(純戦略)ナッシュ均衡※注1であり、ひとつの合理的な解といえる。

画像3

  端的に言うと、相手が黙秘か自白のどちらを選ぼうとも、自分は自白を選ぶことで、最悪のケースを回避している。

 他方、全体の総和を考慮すると、(黙秘,黙秘)で互いに8を得ることが全体の利得総和は最大になる。2人とも5よりも、8を得たほうが良いのは自明である。※注2
 それでも先程の考えをすると、(自白,自白)に陥ってしまう。これがジレンマたる所以である。ただし、このゲームを成立させるためのさらなる条件が、シナリオの設定には欠如している。(後述)


■前提条件の欠如

 囚人のジレンマの条件には、互いが話し合うこと、事前合意はできないこと(合意をしたところで守る義理もない)がある。状況としては、互いに別々の部屋で~などがある。シナリオにはこれに関する記述がない。
 もし事前に話し合いができた場合、そこで「互いに黙秘をしよう!しなかったら他のやつが殺すからな」などの合意をする可能性がある。その場合、自白をした場合、懲役がなくとも制裁によるマイナスの利得が発生し、ゲームが変化してしまう恐れがある。

画像4

 こんな捻くれた考えをするPCは少数だと思うが、念のため記載。


■医者の回答

 シナリオの回答は上記のような思考はしていなさそう?なので、医者の人生観になぞらえて、「過去犯した罪を告白しなかったことで後悔したことがあってね…」などと綴る。この医者は自論に合理的な話を援用することはしなさそう。

 最近ふと思ったのは、直観的思考か論理的思考なのか、みたいなことにも繋げられるのかも。クオリアについて調べたとき思った。


■質問の仕方

以下の質問をメインに据えつつ、節々を深堀りするイメージ。

①質問し、黙秘か自白か尋ねる。
 →理由を訊く際に、「なにかそう理由付ける出来事とかあったのだろうか……。」などと付け加える。
  ※PCは思い出記憶を失っているため、「黙秘しなくちゃいけない気がする」等の表現に留めるよう促す。
目的:PCにとって重要な設定・出来事の確認。

②上述のナッシュ均衡等の話をする。具体的な数字での比較衡量をしていたPCの場合、「君は聡明なようだな。ならこの話をしても理解してくれるだろう。」などと言う。
目的:PLのメタ知識に繋げ、PCの行動を考える際の手助けとする。

③相手との信頼関係が深ければ選択が変わるか尋ねる。
 Ex.医者ではなく恋人・親友等……。
目的:他人をどう捉えているか。仲間想いなのか、それともドライなのか。

④(PCが黙秘を選んだ場合)相手は自白して、罪を一人で被ったときに相手を恨むか尋ねる。
目的:自責思考 / 他責思考の傾向を掴む。


以上!次回はテセウスの船やります。

■囚人のジレンマについてもっと知りたい方へ

 今回の例ではこのゲームを一回しか行わないが、複数回同じゲームを繰り返すことを前提にしている実験もある。この場合、序盤は協力姿勢を見せて信用を得ようとするからか、(黙秘, 黙秘)となるケースが多い。
 ただ、ゲームが終わりに近づくに連れ、裏切るケースが頻出となる。また、ゲームの終了タイミングが掴めない場合、人によって裏切るタイミングがまちまちになる。

 更に難しい話だが、繰り返し囚人のジレンマゲームの戦略について、プログラムを組み、どれが一番優れたプログラムか競う大会がある。詳しくは後で書きます。


※注1

 自分だけが戦略を変えても、利得が上がらない状態に"全て"のプレイヤーがなっている状態のこと。実際、(自白,自白)から片方が黙秘に戦略を変えても、相手も同時に戦略を変えない限り懲役年数は短くならない。

画像2

 (補論)純戦略とは、ある行動を確率1(100%)でする戦略のこと。セッション内でいう「黙秘」は、100%黙秘することを意味している。これを拡張し、1/3の確率で黙秘、2/3の確率で自白するなどと、複数の戦略を取りうるものを混合戦略という。


※注2
  
この状態をパレート最適という。


余談
 今まで回した中でゲーム理論をちゃんと勉強したことある人が3/4で、みなさん凄くメタってた印象。普通はこんなことないはず……。

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