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ホクロとザリガニ

子供向けのファッション誌というのが当時、流行通信の別バージョンと言う形でありました。その中の企画を10ページ位でしたが短い期間やっていました。「ザリガニ」でやりたいんだけど、どうするかな。ザリガニが逃げ出して、子供の勉強机にいるっていうのは面白いじゃないかな。場所はどうする、原さんちの子どもの机を使えばいいんだよ、ああそうしよう。こういう撮影はそばでボクが見てたら、具合が悪い、二階の子ども部屋で、吉村さんがひとり撮影。ボクは一階でその瞬間たばこを吸っていました。

「ザリガニ」が子供のノートブックや、そばにあったんだろう毛糸の中で怒っている様な感じ、その写真にコピーライターの西村氏がザリガニを「マッカーサー」と呼んで楽しい文章を付けてくれました。

ホクロ。

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次の写真はどうしよう。

「ホクロ」が良いと思う、でも写真にしたらあんまりホクロが目立たないと思うんだけど、、、どうしよう。原さんちの息子とその友達を使えばいいんだよ。そういうものかね。吉村さんと子供たちは、家から逗子の海岸に向かい、ボクは、どうしてたかな、憶えていない。

どういう魔法を吉村さんが使ったか、できあがった写真からはわからない。子供たちのリアルな顔の造作と、抽象的なホクロっていう言葉の混ざりあいが見事。ああこういう風になるんだ、テクニックが見えないな、カメラのレンズなのか、フィルムや現像なのかな。吉村さんは説明してくれたけど、やっぱりわからない。コピーライターの西村さんが文章を思い切って子供の恋心、そんなものがあるかわからないけど、作ってくれました。

寓話ってものの作り方を吉村さんから教わりました。

K. Hara


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