モコモコ帝国で考え中

猫を毛玉と最初に読んだ人は天才。モコモコした獣は基本的に可愛らしいが、それがちんまりとまとまっている猫ちゃんは可愛らしさの極地。

翻って我々人類は、進化の過程で毛を削ぎ落とし、今では髭や体毛をお金を払ってまで除毛する習慣に至った。永久なのか本当か、毛穴の死滅は続くのかという具合で永久脱毛というフレーズは怪しいし、掛かる時間や価格に見合った習慣かはわからぬが。

ふと風呂に入った時に、逆にフサフサが史上であるという価値観の国があれば、体毛の濃さで悩んでいる諸氏は救済されるのかなと考えた。

おっさんもおばちゃんも、モッサモサが毛玉にゃんこのように愛でられる世界。そういうコミュニティが世界のどこかにはあるのであろうか、、、。

が、考えてみればザ・ロックであるとかジャン・レノ、アンソニー・ホプキンスといったセクシーなハゲはさておき、本邦のみならず海外でも薄毛は揶揄されたり差別されるケースが少なくないし、上記したようなモサモサ帝国で考え中みたいなケースが成立したら、蛇蝎のように嫌われてしまうのではないか。

現世でも疎まれ、逆転した価値観(モフモフモコモコが肯定される世界)でも立つ瀬がないのだとしたら、それはあまりにも重い罪ではなかろうか。

美醜の価値観だとか、かつて女性に求められていた押し付けの貞淑性(気持ち悪い言葉だ)逆転世界なんてものはSFだとか、成人向け動画、あるいはライトノベルで用いられることはあるが、毛量についてはあまり語られることがないので考えてみた。

人間がモッフモフで、モッコモコで愛でられるとしたら、それはムックだったりイエティの類のような見た目になるのかもしれないし、それはそれで毛の艶だとか長さだとか触感みたいな新しい査定ポイントが生まれるだけなのかな。

自分の場合はどれも中途半端であり、どう価値観が逆転しても愛でられぬと考えたら悲しくなるが、モフモフな人間てのも現状の価値観ではやはりフリークスだ。

価値観てもんは永遠ではなく変わるものだし、今の日本に於ける過剰な清潔志向みたいな(清潔に越したことはないけれど)ものが除毛主義を呼ぶ現実はなかなか変わらないだろうな。

逆にフリーザー第三形態みたいなつるんとした姿が史上の美になったら、やろうと思えばやれる分フェアなんかな。

世界全てがそうやるよりも、どんな世界でも認め合えるベターハーフみたいな存在に出会うことが一番幸せなのかもしれませんね。難しいけど。

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