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経験を並べる

最近,書斎にある本を適当に選びパラパラとページをめくることが日課になっています。
さて,今日の本は,「登山の哲学」(NHK出版新書 2013年)です。
著者は,エベレストをはじめ8000mを越える世界14座を日本人で初めて登頂した竹内洋岳さんです。
その中でなるほどと思った部分を紹介します。

私にとっての経験とは,積み重ねるものではなく,並べるものなのです。経験が増えれば増えるほど,数多くのディテールが知識となって記憶にインプットされます。そのディテールとディテールとの隙間を埋めていく作業が「想像」です。だから,経験の積み木のすべてが見渡せるように,テーブルの上に広げておく。そして,並べてある位置を移動させたり,順番を入れ替えたりしながら,隙間を埋め尽くすほど想像を膨らませていくわけです。

「登山の哲学」(NHK出版新書 竹内洋岳)

一般的に,経験は積み重ねるものだと思われがちです。
私には,経験を並べるという発想はありませんでした。

確かに積み重ねた経験を一望することは難しいものです。また,下層にある経験が自分では見えなくなってしまいます。
しかし,経験を並べておくですべての経験が一望できますし,経験の隙間を埋めたり,個々の経験をリンクさせたりすることもできます。
この考えに基づけば,37年間の教師経験をさらに生かすことができると思いました。

「経験を縦に積み重ねるのではなく,横に並べてみる。」